ここは大阪・四天王寺夕陽ヶ丘してんのうじゆうひがおか。
地下の駅から地上の参道に、ぽつんと一軒。
ドーナツ屋さんフロレスタさん。「森」という意味だそうです。

フロレスタさん

四天王寺へは南の天王寺駅から歩くひとが多い。適度な運動をかねて。
はんたいに、四天王寺の北側は、ひともすくなく、ここちよいのです。

もより駅は……
●Osaka Metro(大阪メトロ)谷町線・四天王寺前夕陽ヶ丘してんのうじゆうひがおか駅…４番出口すぐ

ナチュラルドーナツ

外国人観光客も多い四天王寺。
ちっちゃいお店のフロレスタさん。
席が、ないときが多いのです。
やっとテーブルが空いていました。

ドーナツ。わたしは食べることが減りました。あぶらっぽいおやつは食事を遠ざけるようになりましたので。

娘がちいさいころ、ドーナツのチェーン店でグッズをあつめるほど通っていたのに。
娘の成長と内臓の老化は正比例。
両方とも、みえないのもおなじ。

フロレスタさんのお店の前は、四天王寺さんの参道。
四天王寺かいわいは、神社・四天王寺の七坂など見どころ多数。
いつも通りすぎていました。

あるとき、やっと気づいたのです。
フロレスタさんのまわりの空気。
油や、重たい、こげたような調理臭のないことに。
お店に近づく。ナチュラル・ドーナツの文字。

あげたてをどうぞ

やさしいドーナツ。国産の小麦粉と添加物なし。ドリンクは、オーガニックコーヒーもあります。

もっとはやく気づけば。痛恨のノーマーク。確認不足、これがわたしの人生。

ふつうのドーナツと、ホワイトチョコをお願いします。
ふつうのドーナツを食べて、油っぽくてホワイトチョコがだめなら持って帰れるし。

そういう意味では中高年のドーナツもいい。
しかしドーナツの時間の経過は命取り。あげたてのコロッケも以下同文。

「お時間ありましたら、あげたてのドーナツをお出しします」
お店のスタッフさん。
まさかの、あげたて。いっこ、二個ぐらいで恐縮です。
これは、ありがたい！お言葉に甘えます。

かわいたドーナツ

しばらくして、木のトレイを受け取ります。テーブルに置いて、きり株にすわる。
紙コップから濃厚なコーヒーのかおり。ドーナツより強そうだ。

わざわざ、いっこずつペーパーに包まれてやってきたドーナツ。
輪っかの大きな飴ちゃんのようた。
容赦なくペーパーをはがします。
カラカラと乾いたおと。

かわいたドーナツ。
クッキーかビスケットのような。
木のおもちゃ、かもしれない。
ずっしりと、おもたい。

ドーナツをひとくち、またひとくち。そして、コーヒー。
ザクザク。さくさく。ドーナツの粉の感触。粉にアジがある。
もぐもぐ。かみかみ。あじわう。
わたしいままで、ドーナツを、かんでたかしら？
飲んでたかも、ドーナツ。


ずっしり重いドーナツは、つよいコーヒーとともに胃袋に退場。
わたしも、つぎのお客さまのため早めに退場しましょう。

店内が暗くなった。おひさまが動いた。
四天王寺夕陽ヶ丘。古代より美しいこの地。

夕暮れの時間がすこし遠くなったのがわかります。
夏は、その時間まで散歩する体力もないのが残念。

森のなか。
きょうはドーナツの夕陽で満足。

いつも　こころに　うるおいを
水分補給も　わすれずに

さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。