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懐かしのホットケーキ@不二家レストラン

懐かしの味。

最近食べた実際の味もおいしいけれど、思い出はその味を一層際立たせてくれます。

今回私が頂くのは、不二家レストランのホットケーキ。

パンケーキと言わずに、あえてホットケーキと言いたくなります。メニューでもホットケーキと書いてありますし。


もう十年ほど前です。

私がまだ高校生だった頃、友人と試験勉強をしようと、そのついでにせっかくだからちょっと贅沢をしたくなり、地元の駅近くにあった不二家レストランに入りました。

午前授業が終わった放課後、少し遅めのランチタイムです。ハンバーグを食べてから、少し時間を置いておやつとしてホットケーキも食べたのです。

不二家のことは知っていました。ケーキがおいしいのも知っていました。

ただ、レストランとして利用したのは初めてでした。ちょっと大人になった気分で、おそるおそる、けれどわくわくを抑えきれずに入店したのでした。

そんな初めての不二家レストランで食べたホットケーキは、こんな贅沢な食べ方をしていいのか、という驚きをもたらしました。

ほかほかでふわふわの生地。たっぷりかけてもまだ残るほどの蜂蜜。ナイフで切ってお行儀よく食べたのも初めてのことでした。

お店に入る前、「生地をフライパンで焼くだけじゃん、変わらないよ」とか思ってました。正直ナメてました。

これが付加価値か、お店で食べるというのはこういうことなのか。

当時高校生の私にとって、ランチに1000円以上かかるというのはなかなかの痛手ではありました。

それでも、満足感が大きく勝りました。来てよかった、と心から思えるくらいには。

しかし、ほどなくしてその不二家の店舗はレストラン営業をしなくなってしまいました。今思えば、かなり際どいタイミングで辛うじて間に合ったのだな、と。

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地元を離れた今、たまたま身近な距離にある不二家レストランにときどき足を運んでは、ホットケーキを食べています。

当時と味が一緒なのか、変わったのかは分かりません。店舗が違うのはもちろんのこと、作り手だって全然違う人のはずです。

それでも、「不二家のホットケーキ」であることに意義があります。特別なのです。

ただおいしいだけじゃない。ただ小麦粉を焼いただけのものじゃない。

そのホットケーキは、おいしさだけじゃなくて、思い出も運んでくれるお菓子なのです。

偉いぞ、当時高校生の私。あの時痛手だった1000円と少しの出費は、今とても大事な思い出として生きているよ。

そして、ありがとう不二家。ありがとう不二家レストラン。昔も今も、そしてこれからも。


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