マガジンのカバー画像

つれづれなるままに呟く

32
ひとりごちるは藍の夜
運営しているクリエイター

記事一覧

自己表現、という呪い、あるいは

noteに自分のことを書くのが、ひどく、こわくなってしまった。本業でもライフワークでも、文章…

こぼれ落ちていく4月

葉桜の頃、東京へ行った。 ビルを背景に、散りかけの桜を見た。 人がたくさんいて、にぎやかく…

生きるための遺書【書籍『トワイエ』を発売します】

「とはいえ、私たちは生きていかなければならない」 止まらない不景気。匿名の悪意。伝わらな…

SNSに疲れたくせに、つぶやきじみたものを書き残したい夜だ

自分のことを安心して話していいのだと、思える場所は多くない。相手を気持ちよくするのが会話…

いつか、全部おわるとして。

東京にいたころ、発狂する勢いで文章を書いていた。 一銭にもならない、かたちにもならない、…

あなたを迎えにいく日まで

年末、というのはどうしてこんなにも、 人生を直視せざるを得ないんだろう。 あの頃のわたし…

推しを推すことは、人生を見つけ直すことだ

土曜日、初めて三軒茶屋を訪れた。 駅構内に貼られた舞台の広告と、空を突き刺すキャロットタワー。制服を着た小学生がふたり、改札に向かって走っていた。ドライフラワーを直で持った女性が、横断歩道を悠々と闊歩していた。まぶしかった。 キャロットタワー地下1階は、地元と既視感があり混乱した。でもここは地元のどのビルよりも高く、3階には劇場がある。日常と非日常の距離が近い街。 三軒茶屋に来たのは、『推し』の出演する舞台を観るためだった。マギーさん脚本『OUT OF ORDER』のマ

「来世に期待する」なんて、

来世に期待する、ということばをよく耳にする。当たり前のように、「生まれ変わる」という概念…

日記6/17

鼓動と合わせて痛む心臓を、抱きしめるように寝込んでいる。クーラーの調子が悪い。冷や汗が止…

幸せを目指しちゃだめですか

病院。お医者さんにしか話せないことがたくさんある。あなたはヘヴィな人生を生きている。よく…

土曜日の午後、『ザ・ホエール』を観た

『ザ・ホエール』を観た。思考がまとまらない。ベッドの上で見ていたのに、気づくと机に向かっ…

過去の発作と未来の救い

発作はいつも、過去からやってくる。 心臓を握られるような痛みと、ひどく激しい動悸。息の吸…

生きてしまったような気も

私はいつか、自分で死ぬだろうと思っていた。 19歳になる前も、20歳になる前も、24歳になる前…

真昼間のロイヤルホスト

市役所帰り、ロイヤルホストに寄った。 この街のロイヤルホストには、年を多く重ねた人が多い。平日の昼間。ゆったりと余白のある店内。隅の席で、カルピスソーダを飲みながら外を眺める。散ったばかりの桜は、すでに青々としている。いのちだ、と思う。すこしの動悸を感じる。息を吸って吐く。 昨年の春を思い出す。当時は本当に、本当に、追い込まれていた。こんなに一気に試練を降らせて、神様がいるなら何を考えているんだと思っていた。それでもこの時期になると、ひとつひとつものごとが進み、あとは傷心