20220523 レオロジーの世界_1

尾崎邦宏著 レオロジーの世界で勉強中
p10-p30 第1章 レオロジーと世界

■概要
本章ではこの本でこれから学ぶレオロジー現象の紹介がざっとなされていた
自分にとって知らなかった範囲のみピックアップする。

■レオロジーと産業
高分子材料は伸長速度によって抵抗の大きさが変化するので、速度による抵抗の大きさは射出成型や、樹脂を風船のように膨らませるブロー成型時の成形性に影響を与えるパラメーターとなる。高速に伸長したときに抵抗が大きくなるような特性をもつ分岐高分子材料が適している。

■固体の構造と柔らかさ
固体は共有結合やイオン間力、金属結晶、分子結晶の弱い力等、さまざまな力で集合し、固体の形を保っている。
共有結合による固体は強固な固体であるものの、結合が切れると元には戻れないので硬くて脆い。ただし、共有結合性の石英(Si-O-結合の連続)でもアルカリ金属や水酸基などの欠陥の存在によって一部の結合を切っていると、軟化、流動する。
イオン間力などの可逆的な結合様式をもつ個体は、固体にせん断を与えても、結晶の層がずれるだけで壊れない。結晶の層をずらすのに必要なポテンシャルエネルギーはそれぞれだが、ずれが発生すると新たなポテンシャル安定な構造に落ち着く。

■液体の構造と流動性
液体の分子は容器内で決まった定位置はなく、常に自由エネルギーが最低となるように分子が最適配置に向かって移動している。
ただし、温度が下がったり、分子が大きいなどで分子の運動に抵抗がかかると、最適配置への移動に時間がかかり、これを粘性と呼ぶ。
この分子運動が究極に遅いとガラスのような物質となり、微視的スケールで流動する物質となる。

■柔らか物質
ゴムやゲルのような柔らかく伸び縮みする物質はミクロスケールでは自由な分子運動をしつつも、マクロスケールでは拘束されており自由が制限されたような構造を内包しており、その複雑な構造が物質としての粘弾性等の複雑性に現れている。
例えば、ゲルは内包される水は自由に運動するが、水を囲う高分子鎖は互いに繋がっており巨視的には動けない。

■感想
なんとなく理解しているつもりでできてない微視的・巨視的な運動の違いなどがよく理解できていなかったところなので、このテキストで理解が進めばと思う。


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