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しょっさんと読書

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読書の習慣を身につけて得られた知見や感じたことをまとめています 読書メモや感想文もこちらにあります
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正欲 [朝井リョウ]

2024年限時点で最高によかった小説です。 この小説の何がすごいかって、多分、この内容を理解できる人たちにとって、言いようのない「私はこの人たちとは違う」みたいな優越感を得られるという点です。 単純にシンプルに考えると、この小説は、マイノリティの中でも更にマイノリティで、多様性の社会でも生きづらい人たちが社会と隔絶した日々を送る物語です。「多様性」という言葉の持つ不愉快さが表現されています。そこに対して、様々な状況から自分自身を見失っていく啓喜だったり、相手を考えずに繋が

40後半になってからの読書習慣に必要なもの

毎日、たくさんの本を読んでいます。 iPad mini だと文字のサイズも調整できて便利です。iPad などでは老眼鏡不要で読書体験できるのは、それはそれでとても助かります。出先や電車の中とかでは、そんなすぐに老眼鏡へアクセスできません。 ただ iPad で読んでいる本は娯楽書です。ラノベや小説など。表現とかが気に入ったらマークしたりしていますが、メモを多用するような本を読むには適さないなと感じています。 1日にだいたい4〜5冊の本を並行して読んでいます。読んでいますと

QOL を高めた活動 2024年第一四半期

ふと3月までの第一四半期を振り返ってみたら、思った以上に人生の品質を高める活動をしていたんだなと感じました。 一人でしみじみしているのも勿体ないので、みなさまに共有します。 素敵な本棚でモチベーションを上げる 自分の部屋に見ていてテンションの上がるものを配置する。QOL を高める基本です。本棚に限らず、利用する時に目に見えるものは、自分の好きなものがおすすめです。 自動化の極みで快適な生活へ 左手デバイスの勇たる Stream Deck と、自動化の鬼 Keyboa

薄くて栞の代わりになるリーディンググラス

本日、Developers Summit(デブサミ) に 3回目の登壇をします。 まずよろしければ、本日どうぞおいでませ。 なんでそんなことをというと、昨日、羽田のベルサールへひと足お先にお邪魔してリハーサルをやってきました。まだ話す内容考え込んでる最中だというのに(デモと資料ができてるだけマシ)。 その途中で羽田エアポートガーデンのお土産ショップがずらっと並んでいる廊下を渡っていくんです。 そこで たまたま以前に気にかけていた、うっすい老眼鏡もといリーディンググラス

集中力がなくても続けられる習慣

年初に読んだ「続ける思考」で得た習慣化させる方法が、とてもうまく回っています。 「集中する」って特技的に持っていない限り、集中し続けるのは難しいです。私も若い頃は 8時間ぶっ続けで設計書を書いたりした事もありましたが、あれは20代だからこそできた芸当です。ゲーム大好き!!1 みたいなころだと 24時間やってた事もあるかもしれません。 しかしながら。本年五十路を迎える初老にとって集中する時間というものはあってないものになりました。資料を作り始めれば30分と作っていられません

LangChain と戯れる日々

よし、いっちょ RAG 作ろうかと思って、いまはこの "LangChain完全入門" で写経しながら学習しています。 なんですが、この本が出た直後にさまざまなライブラリアップデートがあって、langchain ライブラリが depreceated になるから、新しいライブラリにしろよって言う warnings や、ものによってはエラーが出るような状況になっています。 という事で、対処しながらちまちまと試しています。 今は P107 の prepare_3.py を試してい

しょっさん、魅せる本棚を追加する

しょっさん、28km走った後に本棚を組み立てる。 以前購入してちょっと良かった本棚を追加しました。こちらの本棚です。 完成形はこちら。今回は左の半身を追加したわけです。 この本棚の何が良いかというと隠せる。本に限らず何か普段使うものをしまって奥にも隠せておける。しかもディスプレイラックになっているので、こちらのように、レコードや本を飾っておける。いかす。 本が増えてきたからと言うよりかは、隠しておきたいものを隠して置きつつも、必要なときにスパッと出しやすいというのがこ

[リモートワーク] 家に引きこもっていても小説を読み続ける方法

わたしだけなのか。他の方もそうなのか。その辺はよく分かりませんが、おうちで小説を読み進めることがそんなに得意じゃないしょっさんです。 "本を読む本" の「小説の読み方」でも、一気に読み終えること、とあります。わたしも小説は一気に読み進めておきたいタイプです。そうなるとリモートワークと小説を読むと言うことの両立が難しいと言うことに気がついたのです。 しょっさんの場合、一冊の小説を読み終えるのに最速で2時間、大抵 3〜4時間程度はかかっています。その程度の空き時間がまるっとな

[読書メモ] 続ける思考 [井上 新八]

年初、一番最初に読み終わった「続ける思考」で2つの大いなる学びというか安心を得たので、みなさまにも共有です。 おなじ共感を得られる人がいたら、是非お友だちになってください。 続けることは楽しい 一番共感できたのはこれ。 過去に「生活リズムをきちんと継続していること自体が楽しい」と何人かに伝えたものの、誰からの理解も得られずしょぼんとしてたんだけれども。原点としてはこれ「続けることは楽しい」です。 特に好きじゃないランニングも続けてれば楽しくなって。やらないという選択肢

2023年 - オススメしたい本

2024年も4日目にして、まだ2023年を振り返ります。 2023年に読んだ活字書(小説、ビジネス書、技術書など)119冊(+1)の中から、これは良かったという本を紹介します。 全冊コメントを書いていますので、全部みたい方はこちらからどうぞ。 小説medium 霊媒探偵城塚翡翠 2023年に読んだ小説の中で一番良かったのはまちがいなくこれ。 答えが書いてあるのに分からないって最高すぎる。まだ読んでない人は、私の感想も見ずに騙されたと思って買って読んで欲しい。 冷たい校舎

medium 霊媒探偵城塚翡翠 [相沢 沙呼]

もう、こんなに感心するようなミステリ小説にお目にかかるとは思いもしなかった。ここ数年で最高の出来である。まるで某ワインのよう。 出会いは所謂ただのジャケ買いである。こんなのジャケ買いするしかないような表紙じゃないか。しかし、言うなればこの表紙だって、伏線なんだわ。 まだ読んでいない人はこの先読まずに、この小説を買ってちゃんと読んだほうがいいです。 この小説には、4つの事件が入っています。3つまでは前哨戦です。 死者を通して犯人を見通すことのできる霊媒師。こんなきっかいな

[総括] 2023年をいつも通り雑に振り返る

昨日の noteの繰り返しになるようなことも多いのですが、いつも通りのカテゴリーで今一度振り返ってみます。 しょっさん技術総括Rust 始めてたとか1年前は言っていたのに、今はいろいろあって TypeScript をやり直しています。OOPもやり直したりしていて zenn.dev でまとめたり、過去のプログラムを作り直したりしています。 ITアーキテクトとしての活動の幅を広げていくために、さんざん技術書を読みあさっていました。今年読んだ本はこちらにストックしています。

当たり前のことを当たり前にやっていたら、目標を達成していた

明日でお仕事も終わりの予定です。 そろそろ今年一年を振り返る計画も始めました。この年末年始休暇中にやりたいことも計画を始めています。 まだ具体的に振り返ってはいないのですが、今年一年はいろいろなコトを達成できた気がします。また、新しいことにもチャレンジできて、良い年だったなーと言うのが全体的な感想です。年を取ったら一年が短いとは言いますが、今年は40代の中では、とても長ーく感じる一年でした。それだけ、新しいことを始められたのではと感じています。 今年に入ってから、いろいろ

新世界より [貴志祐介]

分からないことが多いまま終わってしまった。 ホラーやオカルト、からミステリーへ派生した貴志祐介氏の作品としては珍しいSF小説。構想30年と言われるだけあってのボリューム。 SF大賞を受賞しつつもミステリー大賞も受賞しているようだったりして、中身的にはSFの衣を被ったミステリーやオカルト小説と言っても過言ではないでしょう。 話は、主人公の渡辺早季の手記として記述されている内容そのものなので、渡辺早季の知り得る事実のみがそこに記載されています。第三者視点がないので、知り得ない