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令和5年度、相続税法に合格しました

税理士試験にトライ中のアラフォーの”元”銀行員です。R4年11月に転職し、現在は会計事務所で働いています。

先日、令和5年度の税理士試験の結果発表があり、相続税法に合格することが出来ました。

試験後は落胆し過ぎて各予備校の解答速報はまったく見る気がしませんでしたが、合格発表を受け12月に入ってからようやく見ました。

計算は正答もあればミスもあり、何というかまだら模様でしたが、理論が概ね書けていた点が奏功したかなと感じています(特定居住用の結論は1個ミスってましたが・・・)。

このnoteでは相続税法の勉強をしてきた1年間を振り返ってみたいと思います。

なお、教材はTACの相続税法「基礎マスター+上級コース」で、Web通信生です。


相続税法の勉強の感想

他のnoteでも書きましたが、講義視聴をこなしていくのがとにかくきつかったですね。

私は簿・財はスタディング、消費税法はTACでやってきましたが、スタディングは非常に講義ペースが緩やかで不安になるくらい時間が余り(その分復習の時間がいっぱい取れるんですが)、消費税法は週1回の講義なので次の講義までにしっかり復習をする時間を取ることができました。

一方で相続税法は1回3時間弱の講義が週2回あり、1つ見るのに1.5日くらい掛かっていたので週の3日ほどは講義で時間を取られます。

残り4日間程度で計算の復習をするのですが、前半は良いのですが、講義が進むにつれ復習をしなければならない範囲も増えてくるので、基礎コースの半ばから後半にかけては復習が追い付かず、計算があやふやなまま新しい論点を重ねていく、これがすごいストレスでした。

上級・直前期に入ってからもなかなかペースが掴めず、また、会計事務所に転職して初めての確定申告時期も経験し(2月から3月中旬までは土日はフル出勤となりました)、かなりしんどかったです。3月決算先も会計事務所1年生の自分にはしんどかったですね…泣

なお、私の勉強時間は基本的に
平日:夜22~24時の2時間+朝出勤前の約40分で理論、
休日:夜22~24時+子供が昼寝をする13~15時の計4時間ほどで、
週20時間ほどです。

答練の成績について

添削答練などは溜めたくなかったので、理解が不十分でもとにかく講義スケジュールに合わせて提出していました。

結果、順位はひどかったですね。
上級演習は、最高で上位59%、最低で上位81%。
直前期の答練は、最高で上位54%、最低で上位81%。

それでも答練の解き直しを繰り返し、ようやく7月に入ってから計算には手応えを感じ始めました。後述しますが、理論は前年9月からコツコツ続けていたので概ね書けるようになっていました。

そして7月に臨んだO原の公開模試。
「よし!手応えあり!」と思ったものの、、
理論C判定、計算D判定、総合D判定、順位は上位70%ほど。
(手応えあり!でD判定って、、何を感じたでしょうね我ながら・・・)

「相続は最終科目として選ぶ人が多くライバルが強い」と言われているようですが、初めてそれを実感しました。

なお、前月の6月に受験したTACの公開模試は、総合C判定・上位52%でこっちの方が良かったんですよね。問題の相性が良かったのか。

O原の模試の結果にはかなり落胆し、モチベーションが下がって勉強を続けていくのが本当にしんどかったのを覚えています。

テキストを全部隅から隅までやり切ったとは言えないものの、答練で出された論点についてはほぼ解ける状況までもっていっていたので、あと何をやれば点数を上げられるのか見えなくなってきて、この時期は苦しかったですね。


直前期のもがき

とにかく場数を踏む、手を動かす、もがく、諦めない、O原の模試以降はこの思いでやってました。
部活はずっと体育会系だったので、苦しくても継続できる、これは自分の強みなのかなと思います。

場数を踏むという点でやったことはTAC以外の教材もたくさん解くということです。
6月頃から大原の外販教材をやっていましたが、ネットスクールのラストスパート模試、一昨年途中でやめてダウンロードだけはしていたスタディングの令和4年度の直前答練、これらにも手を付けました。

やっぱり予備校によって毛色が違いますし、見たことのない論点もあったりと勉強になりました。初見論点は間違いノートに貼り付けて繰り返し見直したりしてました。

なお、スタディングの理論問題、良問です。ベタ書きさせる問題も多いですが、実務でも関わってきそうな事例問題が割とあって、すごく考えて作られてるなぁと感じました。更に計算問題、これがムズイ。TACや大原、ネットスクールよりも難しかったですね。簿・財は簡単だったのに面食らいました。

国税庁の質疑応答事例も少し眺めてみましたが、見るだけでは頭に入りづらかったのであまり見ませんでした。手を動かすような計算問題がセットであるとすごい嬉しいですね。


合格できた理由

直前でもがいたことももちろんですが、「運が良かった」ということも大きいと思います。

理論について

理論問題はここ5年程度で一度出題されていた論点が出ました。解答速報の総評などを見るに、予備校も他の受験生もあまりマークしてなかった論点のようです。

私は理論は満遍なくやっていたので、特に問2の持分の定めのない法人や特定一般社団法人については、言葉の定義含め概ね書くことが出来ました。解答速報に照らし合わせると多分20点以上は取れていたと思います。

問1の特定居住用宅地等の事例問題についても、3つあるうち1つは結論をミスりましたが、条文は概ね書けました。ざっくりですが15点くらいは取れたのではと。


計算について

今回の本試験はボリュームがかなり少なく、スピードよりも理解度を求められる出題だったため、手の遅い私にはプラスに働いたと思います。これも非常に運が良かったと思います。

直前期の答練や模試では時間内に解き切れたことは一度もありませんし、消費税法のときも感じましたが、計算スピードは一定水準で頭打ちになる傾向があります。カンストします。

初見問題では最後まで解き切ることは不可能だと割り切って、時間割を決め、部分点狙いという戦略で最後は進めていました。

そんな中、スピードよりも理解度を求められる出題だったため、他の受験生とも勝負ができたのだと思います。税額まで書け、理論を見直しする時間が取れたのも初めてでした。

とは言えラスト1ヶ月の頑張りで更に成長できていたであろうことも大きいかなと思います。

今さら自己採点(計算)ですが、

・冒頭の土地評価2題、正確な数値は思い出せないものの、考え方が合っていたので、おそらく正解。定期借地権は苦手論点だったので試験前日にも間違いノートで解いていたのが奏功。
・小規模宅地(貸付事業用)の判定、正解。
・非株の評価、借地権をまんまと計上しミス、土地の評価単位もミス(こんなの知らない!)。一方、原則or特例の評価方法、自己株をちゃんと除外した点、比準要素数1の判定は正解、配当還元も2.5円と正解。
・債務控除、母親も対象としてしまいミス。
・法定相続人、生命保険、外貨などは正解。税額控除も数字はともかく対象者等は正解。
・全般的に計算過程はとにかく丁寧に書いた。予備校答練の模範解答を思い出しながら、普段省略してしまっているタイトルまで書いたり、「私、わかってますよ」アピールを心掛けた。


自分なりの税理士試験(税法科目)合格方法

今回の相続税法の合格は運の要素が多分にあったものの4回目の受験を経て、税理士試験に合格するためにはどうしたら良いか自分なりの勉強スタイルが少し見えてきたので少し書き連ねたいと思います。


理論について

理論マスターが届き次第暗記を始める。

予備校では1月以降で理論暗記を本格化させていく印象だがそれでは間に合わない。本試験までにはすべてを覚えきれない。捨て理論を作るのは愚策。よっぽど時間がない場合以外は危険。

計算は直前で巻き返しができるものの、理論は手遅れになる。長期記憶として定着させるにはファーストタッチを如何に早くするかが重要。通勤時間やスキマ時間をコツコツ使う。毎日見る。

そして場数を踏む。特に事例理論は慣れるまでは解答要求事項を外さず書くというのは結構難しい。それを改善させるためには色々な問題に触れること。各予備校の模試を受験したり、外販の予想問題集は買ってやるべき。

一定程度覚えたら、理論ドクター見ながら柱上げを行って暗記の定着と瞬発力強化を図る。柱上げはWordなどパソコンを使ってやるのが効率が良いと感じる。書くと時間を食って非効率。

事例問題の予備校の模範解答はあまり真似しないようにしている。解答要求事項に対して条文ベタ書きであったり、関係しない規定もつらつら書いてあったり論点がズレている風にいつも感じている。

自分は「結論+条文+したがって〇〇である」といったイメージで解答するにようにしている。

予備校の採点においては点数はあまり伸びないようだったが、本試験では点をちゃんとくれている気がする。「私、わかってますよ」感を試験委にアピールするためには、簡潔に結論を書くのが良いと思っているが、サンプル数が自分が合格済の消費・相続の2つだけなので果たして・・・


計算について

7月中に仕上がれば十分。

直前期に入れば講義も減り、勉強時間の大半を手を動かすことに使える。予備校は答練をたくさん出してくれるので、その解き直しを繰り返すことで計算は自然と固めることができる。

各論点の理解を深めるためにはテキストを熟読。直前期あたりで計算が固まってくるとテキストの内容の腹落ち感がアップする。苦手論点はテキストの簡単な例題も繰り返し解く。

特に税法科目においては計算パターンを身に付けるのは今さらながら重要だと感じている。

今受講している法人税法の櫻井講師が、「受験生の1人1人が違う数字を書いてくる。何の数字を書いているのかよくわからない。だから数字だけだと採点する方も大変。そのため計算過程でタイトルを書いたりするのが重要で、計算パターンをしっかり身に付けることが大事」と言っていたが、なるほど、その通り。自分は相続税法の超直前期の7月にそういった境地にようやく達しました。

答練の計算問題は3回目くらいまではフルに解くが、4回目は間違った問題にチェックをつけておいて、その問題だけ解いて効率的に進める。

間違いノートは作った方が良いと感じている派。ぱらぱらと見直すだけでも定着感が高まる。相続のときは量が多かったのでノートに糊付けではなく印刷してバインダーに綴った。

間違いノートを作り始める時期は、直前期の答練解き直し3回目あたりから。3回目でも間違うということは苦手又はアヤフヤにしているということ。あまり早い時期にやると覚えていない論点が多すぎて作るのが大変。

また、手軽な間違いノートとして、スマホのメモ帳に間違ったり気になったりした論点を箇条書きしておいて、たまに見直したりしてた。これは記憶の定着には有効だった。相続税法の上級期(1月)あたりからやりだしたが、少しでも気になったらとにかくメモしていたので相当なボリュームになっていた。

答練の上位何%とかは目安にはなるものの、気しなくても良い。7月までにどれだけ仕上げられるかが重要。一喜一憂しなくても良かった。


ラストは法人税法

ここまでは順調に来ることができ、ラストは税法最大ボリュームの1つである法人税法を受験します。

今日は令和5年12月29日で、年内完結も何とか講義視聴が終わりました。が、週3回の講義に復習がまったく追いついておらず、計算の復習を頑張っている最中です。年明けから本格スタートする上級講義前にはなんとか一定レベルに持っていきたいです。(note書いている暇があったら・・・とは思いますが一息ついたので)

とは言うものの、このnoteでも書いた通り計算は7月までに固められれば大丈夫だと思っているので、テキストを今時点でしっかり読み込んで、理解することを優先しながら進めています。(余裕ぶっこいていると命取りになります・・・)

しかし法人税法、量は確かに多いんですが、なぜか相続よりもすごい楽なんですよね。普段から条文や通達、逐条解説を読んだりと、実務で日々触れているせいかもしれません。組織再編成とか一度も触れたことない論点多数ですけども。またはTACの櫻井講師の教え方がうまい?

相続税法はなんというかウマが合わなかった気がします。今回もし相続に落ちていたら二度と受けたくないと思ってましたし、別に嫌いとかじゃないんですけども。

それでは来年も引き続き頑張ります

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