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家庭環境ものとして観る『とらドラ!』

ふと名作アニメを一気に見ようと思って、「名作アニメ」と検索する中で上がっていた『とらドラ!』をみることにした。ラブコメとか滅多に観ないので久しぶりだった。

以下はその内容を区切って書き連ねていこうと思う。独断と偏見ですので悪しからず。

感想1 ヒロインがロリすぎて魅力的に思えない。

テレ東の公式サイトから引用。

いや自分から観といて何言ってるんだと思うかもしれないが、まず観て後悔した原因その1である。ヒロインの逢坂大河はこのようなロリ体型をしているわけだが、中身も幼くわがままなのでとてもじゃないけど高校生に見えない。小学6年生くらいに見えてしまう。高校生ですらきついのに、小学生に見える女の子に魅力を感じるのは到底できないので恋愛ものとして楽しむのはここで断念した。

一応主人公の画像も貼っとく。


感想2 他のキャラクターはどうか?

他にもヒロインキャラとして二人いるのがこの赤髪の櫛枝実乃梨と青髪の川嶋亜美。ヒロインの髪の毛がちょうど赤青黄と三原色で構成されている。アニメの途中で主人公の親友が半グレして黒髪を金髪に染める回があるのだが、学校のみんな髪がカラフルなのでそんなに浮いてなくて笑った。

話を戻すと、赤髪の実乃梨は超マイペースというか今で言う不思議ちゃんな感じの女の子なので中身が掴みづらかったりする。アニメ後半では演技をしていた自分が出てくるところでようやく人間味が出てくる。

青髪の川嶋亜美は最初はとてつもなく性格が悪い。サバサバとかじゃなく単純に嫌なやつだったのだが、物語後半では頭でも打ったのかというくらい大人びた良いやつになっている。

問題としてはこの二人が主人公の高須竜児のどこに惹かれたのか描写がないことだ。川嶋亜美なんか毒づいてたと思ってみていたら、気づけば好意を抱いているようで世界の論理の捻じ曲げを感じた。

そんなわけで恋愛ものとしての内容は大したことはなく、よくあるラノベの学園ハーレムものという感じがした。

感想3 じゃあ何が良かったのか?

結局何がよかったの?ということになってしまうがぼくは『トラどら!』は家庭環境ものとして途中から試聴してしまった。いわゆる毒親の描き方とか、シングルマザーの家庭で育ったことによる、金銭的不安とかの描き方がラブコメとは思えないほど自然に重い描写をしていて良かった。

例えば、ヒロインの逢坂大河は両親が離婚しており、現在は父親の仕送りによってマンションに一人暮らしをしているのだが、大河の父親は愛着障害なのか気まぐれで、大河が適度に連絡をしないと毎月の仕送りもしないというクズっぷり。親という力を振りかざして子供を追い詰める毒親そのものとなっている。

とはいえ大河の方もたった一人の親なので期待に応えようと努力をする、しかし父親にはそれを踏み躙るようなことをされてしまう。この親がどうしようとわかっていても幼さ故に、また金銭的無力から答えるしかないという構造の描き方がうますぎる。はたから見るとダメだとわかっていてもそうするしかないんだよな。

一方で、主人公の高須竜児の家庭はシングルマザーでアパートに暮らしている。家庭という点では大河の家よりもむしろ家族的なつながりがあるように見えるが、母子家庭ゆえの貧困が高須竜児に大学進学を迷わせる。

学力の面では申し分なくても、これまで苦労させてきた母親にこれ以上苦労させて良いのかという想いが、進学を諦める理由になっている。母親は大学へ進学して欲しいと願っているが、無理が祟って過労で倒れてしまう。そのこともあって大学進学を諦める決意をかえって固めてしまう。この過剰ではないそこそこの貧困家庭の描き方がうまくて、緩やかな諦めの空気を出している。

このように書くともはやラブコメの設定としては重すぎるように思える。事実アニメ後半に向かうにつれて、コメディからシリアスに段々とシフトしていくようになっていく。

物語終盤では主人公の母親から大河とともに夜逃げするという描写があるのだが、お母さんが可哀想すぎるのと同時に主人公の母親からの自立が描かれていると思えた。

結果として高須竜児と母親は仲直りをすることになるのだが、物語としてはそれが1番だと思う。竜児の母親はめちゃくちゃ良い人なので。

どうでも良いけどインコやべえ笑
https://f.hatena.com/nnk775/20090129084832

ちょくちょく追記するかも。





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