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小学館の美術書籍の魅力を100%お届けするために

初めまして、小学館・文化事業室です。
文化事業室は、雑誌『和樂』やウェブメディア『和樂web』とともに、小学館の美術関連書籍を刊行している編集部です。小学館というとコミックや雑誌のイメージが強いかもしれませんが、じつは数多くの美術書を出版しています。アイコン画像の『日本美術全集』もそのひとつ。豪華な大型本から、見た目はポップな単行本まで、1冊1冊に長年の知識とノウハウ、最新の知見をギュッと詰め込んだ、骨太な中身が売りのひとつです。

ここでは、文化事業室の若手(といっても30代~)が中心となって、これから出る本・これまで出た本を紹介していきたいと思います。

名作を原寸で100%楽しみつくす!

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今回紹介するのは、9月4日にNHKの番組「あさイチ」で紹介された『ゴッホ原寸美術館 100% Van Gogh!』。ゴッホの名画を、ページいっぱいに原寸で掲載しています。

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例えば《種まく人》(クレラー・ミュラー美術館蔵)は、見開きA3サイズで下のように掲載されています。

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(黄色い太陽が本当にまぶしく感じる!空と地平の作物と畑で筆のタッチが全然違う)

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(青、黄色、薄オレンジ、茶色……これは水色?それとも灰色?いろんな色が眼の中で混ざり合う感覚だ。あっ、左下にオレンジ色でサインが!)

私の独り言も載せてしまいましたが、本当に、どのページも見れば見るほど新しい発見があるんです。「読み終わる」ということがありません。

じつはこの『原寸美術館』、100% ART MUSEUMというシリーズ名でほかにも5冊あります。

100% ART MUSEUM おすすめの楽しみ方

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フェルメール、伊藤若冲、葛飾北斎、クリムト、鏑木清方……西洋美術・日本美術を問わず、さまざまな画家の名作・代表作を、解説とともに「100%」で掲載しています。インターネットで検索すればすぐに目的の画像を入手できる昨今ですが、原寸大かつ美麗な印刷に耐えうるデータ、というのは簡単に入手できるものではありません。世界中の美術館や所蔵先と交渉して高解像度のデータを入手し、ときには撮影をしに現地まで足を運ぶことも。そんな担当編集者の努力や熱意……は、今後紹介をさせて頂くとして、今回は、いち読者として、本書の楽しみ方の提案をしたいと思います。こちら、『クリムト原寸美術館 100%KLIMT!』から《エミーリエ・フレーゲの肖像》(ウィーン・ミュージアム蔵)。

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本作は、私もウィーンで実際に観たことがあります。2019年には「ウィーン・モダン」展で来日した際には展覧会のメインビジュアルにもなった作品です。生で観る迫力は素晴らしく、感動したのですが、本書を通すとこう鑑賞できます。

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ドキッ!女性とばっちり目が合う!
本作の高さは178㎝、女性はほぼ等身大で描かれています。美術館では見上げて鑑賞するので、女性の顔はかなり離れたところにあり、こんなに見つめ合うような鑑賞をすることはできません。原寸ということで、作品の色づかい、画家の筆づかいを楽しむだけでなく、描かれたモティーフ自体の繊細な表情をじっくり鑑賞することもできるのです。

今後も本シリーズは刊行を続けていく予定です。みなさんは、どんな名画を100%でご覧になりたいですか? 原寸で見てみたい作品や画家がいましたら、ぜひ教えてください!

書籍情報
『ゴッホ原寸美術館 100%Van Gogh!』 監・著/圀府寺司 
『若冲原寸美術館 100%Jakuchu!』 監/辻 惟雄 、太田 彩
『北斎原寸美術館 100%Hokusai!』 監・著/小林 忠、 執筆/橋本麻里
『フェルメール原寸美術館 100%VERMEER!』 監/千足伸行
『クリムト原寸美術館 100%KLIMT!』 監/千足伸行
『鏑木清方原寸美術館 100%KIYOKATA!』 監・著/鶴見香織
※書名は小学館の書籍紹介ページにリンクしています。

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