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アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』をみんなで見て振り返り!【第5夜】<イベントレポ>

こんにちは! ライターの三橋です。

今回は、2020年10月1日20時~22時に開催された「アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』をみんなで見て振り返り!【第5夜】」の様子をお伝えします!

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2020年7月9日から放映が始まったアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』を、原作者の渡航さん、『俺ガイル』熱狂ファンを自認するアニメ芸人の天津向さん、そして豪華ゲスト声優さんとともに振り返っていくこのシリーズイベント。

第5夜のゲストは、雪ノ下雪乃役の早見沙織さん。登場直後、最終回放映後の気持ちを聞かれ、「視聴者の方々から寄せられた、たくさんの熱いメッセージを見て、うるっときました。言葉にしていく作品だったのに、言葉にすることができなかった」と長年関わってきた作品が完結したことへの万感の思いを明かしてくれました。

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今回は、そんな早見さん厳選形式で、第3期のイチオシ話数を振り返っていきました!

『俺ガイル』ならではの難しさ

「本当なら1話から全部、オールナイトで振り返りたいですけど……」と言いながら早見さんが最初に選んだのは、雪乃が八幡に心のうちを語る第8話。

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この話数はかなり練習をした話数なのだそうで、部室で雪乃が八幡と話すシーンでは、大きく揺れ動く雪乃の感情の流れをきれいにつなげて表現するのに苦労したのだとか。

「速いテンポで進んでいくなかで、心情とセリフとをリンクさせるのが難しかった」と語ってくれた早見さん。自然な演技の裏には、心情や考えを言葉で表現することの多い『俺ガイル』ならではの苦労が隠されていたのだ、と感動しました。

振り返らずにはいられない!

続いて早見さんが選んだのは、物語がクライマックスを迎える第11話。「みんな(第4夜が開催された)昨日も観たと思いますけど!」と断りを入れつつも、やはりこの話数を振り返らずにはいられないということで、持参した台本を片手に熱心に各シーンの裏側について語ってくれました。

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「ラストシーンがとにかくエモい!」という話で盛り上がる一方、第3期後半の話数で早見さんが着目していたのが、雪乃が八幡を見るタイミング。自分への問いかけに答える前に一度八幡を見る、というように無意識に八幡に視線を投げかけている雪乃の様子から、自然に八幡を意識しているのが伝わってきたところが良かったのだそう。

これまで意識したことのなかった多くの新しい視点を知り、やはり何度も見返したくなるくらい、作画やセリフの関連性の細部まで作り込まれた作品だなあと改めて思わされました。

己の心のままに

早見さんが最後に選んだのは、最終話の第12話。第11話に引き続き前日も見た話数でしたが、「早見さんの前でこそ見たい!」という向さん・渡さんの言う通り、「どんな気持ちで演じていたのか」を聞きながらの振り返りは第4夜の振り返りとはひと味違う面白さがありました。

「己の心のままに」アフレコをしていったという早見さんですが、雪乃が八幡に気持ちを伝える最後のシーンの演じ方は、からかう感じを出すか、まっすぐに「ちゃんと言う」か、ぎりぎりまで迷ったのだそう。

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「もう選びようがないよね」と思いつつも、最終的にはその後に続くエンディングとのつながりを考えて後者でディレクションした、という渡さんの言葉を聞き、本当に最後の最後まで考え抜いて作品を作ってきた様子が伝わってきました。

ミニコーナー 早見沙織が判定します! 『俺ガイル』の"本物"と"偽物"

振り返りのあとには、『俺ガイル』にまつわるエピソードについて、早見さんが"本物"と"偽物"かをジャッジするミニコーナーが実施されました。

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向さん(以下、向):エピソードはこちら! 「早見沙織、佐倉綾音と熱愛」!
早見さん(以下、早見):なんだ?(笑) なんですかこれは?
向:佐倉さんからの証言では、『俺ガイル』の収録後、佐倉さんと早見さんは「お茶したいね」という話になり、近くでおにぎりを購入。屋根の開く車の中から4時間近く星を見上げて話をしながら、早見さんは佐倉さんに、「二人でこうしてるの写真撮られたら、私たち熱愛スクープだね」と囁き、佐倉さんをキュン死させた、ということです。
早見:いやいやいや。すごいな、こう書くと。でも記憶をたどって……そうですねえ……まあ、”本物”。でもちょっと違いますよ! 文言がすごい盛られてます! すっごい盛られてますよ。
向:どこが盛られてるんですか?
早見:近くでおにぎり購入して、綾音ちゃんと語りあったのはまあ間違いないです。でも、「屋根の開く車の中で星を見上げた」かなあ? まずそこからですね。星見上げたっけなあ……。あと、「二人でこうしてるの写真撮られたら、私たち熱愛スクープだね」と「囁いて」はいないですね。しかもここまで言っていない気がするな。
向:本当ですか?

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早見:本当です! 後部座席で二人でしゃべってて、しかも夜だったから真っ暗で、車が停めてあるところも人気のないところだったから、なんか「これ密会みたいじゃない?」って話はしましたよ? もし写真におさめられたら、「これは、怪しい感じがするぞ」みたいな。
渡:ほぼあってんじゃん。
早見:いや違う! なんか違うんですよこの書き方! でも、まあ本物ですかねえ……。
向:とにかくこれは本物ということですね。
渡:一字一句違わず。
早見:いやいやいや、違いますよ。作者の意図が込められている。
渡:脚色があるっていうね(笑)
早見:そう、脚色されてます(笑)
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この他にも、由比ヶ浜結衣役・東山奈央さんとのこれまたキュンとするエピソードや、比企谷八幡役・江口拓也さんのファッションセンスについてのエピソードなど、仲の良い『俺ガイル』メンバーさんならではのエピソードが盛りだくさんのミニコーナーとなりました。

小学館カルチャーライブ!限定 Q&Aコーナー

イベントの最後は小学館カルチャーライブ限定のQ&Aコーナー。視聴者から寄せられた質問に渡さん、早見さんが答えてくれました。ここでは、特に印象的だった質問をご紹介します。

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Q
渡先生に質問です。最初のドラマCDで早見さんを雪ノ下雪乃役に選んだのはなぜですか。

A

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渡:本人を前にして言うのはすっごい恥ずかしいんですけど、とにかくもう声が本当に「そうだな!」っていう説得力がすごかったんですよね。
早見:ええー、そうなんですか。
渡:雪乃に求めてる声質って、序盤は特に冷たいトーンのものなんだけど、早見さんの声は冷たいだけじゃなくて柔らかくてかわいらしいとこもあるなっていうのが最初の印象だったのね。
向:なるほど。
渡:そこから、オーディションで何か所か読んでもらって、雪乃ちゃんて本来キャラのレンジが狭いんですけど、その中での落差というか、緩急の付け方がすごい上手いなって思って。ちょうどドラマCDを付けた3巻の時って『俺ガイル』のなかで段々緩急が付き始めた時だったんで、先を見越したときに、「あ、この人なら大丈夫、絶対任せていい」って思ったのが理由ですね。
早見:わあ、嬉しいです。そんな風に言っていただけるなんて。
渡:あとは、その時早見さんてまだ10代で、僕は当時20代半ばくらい。『俺ガイル』はこれから先のお話だから、若い感性というか、世代感的にも通じやすい人の方が絶対いいなと思っていたのもあって、「これはもう早見沙織一択ですね」ってなりました。

Q
早見さんに質問です。ドラマCDから雪ノ下雪乃を演じていて、印象が変化したところはありますか。

A

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早見:変わり続けている、というか変わろうとしていると思っています。普通の作品だと「このキャラってこうだよね」って序盤で確定したら、揺らぐことって意外になかったりするんですよね。
向:確かにそうですね。
早見:でも、雪ノ下雪乃に関しては、最初に思っていたかたちと全然違うように見えたり、意外なかたちを引き出せたりする人なんだな、って物語が進めば進むほど思ってきて。こういう根っこがあったから、こういう表現してたんだって分かっていくんですけど、根っこが奥深過ぎて、なかなか全部見えてこない。
渡:雪乃ちゃんを理解するには3クールかかるわけですよ。
早見:そういうことですよね(笑) 雪乃自身も自分を作っていってる途中だから、そのままでいなくて、そこが難しいんですよ。なんか、雪乃のなかに入っていけばいくほど、自分のなかに入っていく気もするし、不思議な感覚。別に雪ノ下雪乃という人物と私は同一人物ではないんですけど、でも、なんだろう……一緒に掘って行って、反射して自分も見えちゃう。深淵をのぞく者は深淵からもまたのぞかれるのである、みたいな感じでした。

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イベントの様子は以上です!
早見さん厳選の話数を振り返っていった第5夜。第1期・第2期に関する懐かしいエピソードからキャラクターたちのこれからを想像させるお話まで、最初から最後まで関わってきたお二人だからこその濃い内容のつまった時間となりました。

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アニメ『俺ガイル完』は最終回を迎えてしまいましたが、現在、第3期Blu-ray&DVDシリーズが好評発売中! 全6巻それぞれの初回限定特典として、書き下ろし新作文庫小説『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。‐新‐』がついてくるのだそう。なんと八幡たちの高校3年生編が描かれています。ぜひチェックしてみてくださいね。

カルチャーライブ!今後のお知らせ

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最後に、渡航さん、早見沙織さん、天津向さん、参加してくださったみなさま、このレポートを読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。

撮影・編集/小川利奈子 文/三橋七緒
2020.11.18 作成

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