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中学校が願書提出ミスで高校受験ができない生徒が出た件についての雑感


願書提出ミス

福岡の私立中学校、博多女子中学校の職員が公立高校入試の願書を生徒から受け取って持っていく手筈になっていたところ、出願日程を誤認して出願ができない状況になった、というニュースが上がっていました。

願書の提出期限は2時間前の正午で、提出が遅れた理由について学校はこの公立高校の提出期限を県立高校と同じ2月20日と誤って認識していたためと説明しています。

高校側は2時間遅れになったとして、出願届を受理しなかった、ということです。

提出期限のズレ

どうしてこのような誤認が発生したのかというと、今回のこの生徒が出願を希望していた高校が県立高校ではない、ということです。

今回の話題になっている「公立古賀竟成館高校」は「県立」でも「市立」でもない「組合立」の学校です。

この「組合立」というのは複数の自治体が学校運営のための組合を設置し、その組合が費用負担を行って設置、運営している学校になります。

全国に3校存在し、そのうち2校が福岡県内に存在するようです。

今回の場合、学校自体が特別な例であるためにミスが起こったと考えられるでしょう。

責任は誰にあるか

この問題に関して、最も責任が重いのはもちろん願書を出願するはずだった中学校および担当職員です。

これに関しては全く否定のしようがありません。

しかしこうした問題が発生する要因の一つとして、中学校側が出願書類を取りまとめて高校側に出す、という制度そのものにあるのも事実です。

現在、高校入試は一部の自治体ではオンライン出願が始まっていますが、福岡県の公立高校では導入がまだ行われていません。

これは大学入試における共通テストも同様です。

そのため、これらの試験では在籍校が願書の取りまとめを行い、その後受験先の学校に提出する流れが通例です。

そしてそれが問題をややこしくしているのです。

今回の場合、受験者本人に責任は一切無い一方で、中学校側には責任が存在します。しかしその学校もまた、受験先の高等学校からの依頼で請け負っている立場であることを考えると、今回の無条件での不受理が果たして教育上の配慮をした対応と言えるかどうは難しいところです。
(言うまでもなく原則は不可に決まっています)

加えて疑問なのは、このミスをした中学校が市立の公立中学校であった場合はどうか、ということです。私立の中学校だから、という理由で対応に差が無かっただろうか、とも感じます。

一刻も早いオンライン化を

自分の願書等の書類を出すのは自らの責任で行うべきで、それを在籍校を通して行うというのはあまりにも違和感のある慣習です。

そしてそれこそがミスの温床となっています。事実、共通テストでも同様のミスは毎年のように発生しています。

こうした手続き上のミスは必ず発生します。人間はミスをする生き物である以上、ミスを前提にしたシステムを構築すべきでしょう。

その意味でも、出願のオンライン化は一刻も早く導入すべき改善策なのではないでしょうか。

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