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共通テストに関しての雑感

2022年度の共通テストが行われました。
受験生の皆さん、本当にお疲れさまでした。

さて、数学の教師である私としては必然的に今回大きく話題になった共通テスト数学の難化について触れないわけにはいかない(勝手に自分で言っているだけですが)でしょう。

まずは、確実に難化したと思います。

問題文の長文化やデータの分析の分量など、明らかに処理能力がかなり高くないと時間内に終えることは難しかったのではないでしょうか。
数学ⅠAもⅡBもこのあたりに関してはほぼ同じ状況のようです。

共通明けの1月17日、月曜日の段階では 河合塾の予想得点は40点前後のようにでています。
まあ、間違いなく難しいです。あれを時間内に解ける生徒はそうそういないでしょう。

でも、それはいいのです。
解けなくて泣き出した話や、問題を破り捨てたエピソードは少し難しくなればネット上によく見られます。
そして当事者である受験生が試験内容を悪し様に語るのも仕方ないことだと思います。

私が気にいらないのは、数学の教員、予備校講師などが口を揃えて試験の内容を極端に強い言葉で非難している今の状況です。

彼らは「悪問」だの「あれは国語であって数学ではない」、「あの出題では受験生の数学力を測る事はできない」だのと試験の内容を超えて、自身の「数学観」や「指導観」にそぐわないものを罵っています。

たしかにこれまでよりも分量が多いし、問題の前文が長くなったのは事実です。

でももういい加減やめません?

あの問題は処理能力や読解力を問うことを大きな目標にしています。
そして大学入試センターはそれが受験生に今後必要な能力だと考えているからでしょう。
だからあの形式の試験になったのです。(主観ですが…)

私は個人的には今回の試験の設計思想や測りたい能力に関しては大学入試センターの言い分もよく分かるものだと考えています。
満点を捨てて、残りの数問を切り捨てる潔さと切り替えはあれぐらいの問題でもないと上位層の生徒には体感させられないでしょうし。

もっとフラットで広い視野で客観的に試験の内容を考察していく言論が広まることを願いたいところです。


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