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二流を極めよう

一流になりなさい、一流を目指して頑張ろう、という言葉はいろいろなところでよく聞きます。

しかし、今後の10年以内に、様々な分野のかつて一流と呼ばれた人や組織にとって冬の時代が到来するのではないか、と私は考えています。

1.一流と「超一流」

ここで、言葉の定義をしておきます。その業界で上位10%に入る実力や人気を誇る人材を一流とします。

さらにその中でも選りすぐり、上位1%位を「超一流」とします。

また、それに入らない大多数の人たちを二流としましょう。
(ここにおける二流は決してネガティブな意味合いで使用してはいない)

2.予備校業界の一流と「超一流」

まずは私の職業的な分野、受験業界での例を上げて考察していきます。

かつては大学受験において、有名予備校に通いカリスマ講師の授業を受けることは大きなアドバンテージになりました。

都市部の受験生はこぞって立ち見さえも発生する人気講師の授業を受けていました。
授業後は、質問のために長い行列を作って自分の番を待つなんて光景が有名予備校の日本中の校舎で日常茶飯事にあったのです。

地方の受験生は有名講師の授業を受けることが難しく、大学受験の情報が乏しい地域で不利な戦いをしていたわけです。

しかし、映像授業の誕生と高規格通信網の敷設が状況を一変させました。

大都市に行かなくとも、自宅近くのフランチャイズの教室で日本で数本の指に入る講師の授業を繰り返し受けられるようになりました。

つまり、今までは教室というキャパの許す限りでしか受けられなかった「超一流」の授業が人数の制限なく受講可能になったのです。

そうすると、わざわざ一流の講師の授業に時間を合わせるよりも、「超一流」の講師の授業を好きな時間に受けられる方が大きな需要となるのは必然です。

結果、大手予備校は大きく校舎を減らすところも出てきています。

つまり、リアルの一流はそれなりに手間やコストがかかるが、オンラインの「超一流」は手間やコストが削減される、という構図になります。

必然、「超一流」が選ばれることになるでしょう。中途半端に賃金が高い一流講師は不要になっていくでしょう。

3.二流の居場所

では「超一流」だけで社会の需要は満たされ、業界の大半の人たちはあぶれてしまうのでしょうか。

答えは否、です。「超一流」の人はそのスキル的な側面ではもちろん抜きん出ています。
しかしどんなに優れていても、当然ながら受講者の全てを満足させられることはありません。

仮に、非の打ち所のない素晴らしい授業を提供したとしても、残念ながら受講者次第でわからないところや疑問点が発生します。
しかし、「超一流」の人はその質問やフォローアップに時間を割くことは物理的に不可能なのです。
「超一流」がより「超一流」であればあるほど対応はできなくなるでしょう。

「超一流」が取りこぼした質問への対応や細かい説明、状況に応じたカスタマイズこそが二流の人々の活躍する場所であると私は考えます。

受講者に寄り添った個別的対応の実践、これこそが二流にしかできないものではないでしょうか。

4.一流の世界=レッドオーシャンに足を踏み入れない

一流と「超一流」の世界は、一対多が容易に実現できる現代においてとてもパイの少ない奪い合い=レッドオーシャンになりつつあります。

それよりも、「超一流」のカバーできない今後も増え続ける個別の対応は間違いなく需要が下がることはないでしょう。

実際、この傾向はコロナの感染拡大ともに加速しているように感じます。

オンラインの学習管理型塾などの認知度はこの二年で格段に向上しており、有名講師を抱える某衛星予備校との併用事例も増えているようです。

もちろん、「超一流」になる自信があるのなら別ですが、どれほど実力があったとしても非常に難しいでしょう。

知名度のある「超一流」はすでに必要最低限は存在しているのです。
彼らをよりも無名でありながらそれを超えるメリットを打ち出すのは並大抵の努力では難しいでしょう。

5.他業種、業界ではどうか

さて、ここまでの話は受験業界だけの特別な話でしょうか。

  • 「超一流」= 大多数の需要をほとんど満たすことができる市場の王者

  •   二流 = ニッチな部分の需要やきめ細やかなサービスの小規模業者

とも読み替えられます。イオンと個人店舗などを当てはめるとよいでしょうか。飲食チェーンと頑固親父のラーメン屋などもありますね。

  • 「超一流」= オンラインでは安価に利用できるがリアルでは高額なサービス

  •   二流 = リアルで比較的安価に利用することができるサービス

とも読み替えると、有名劇団の演劇と小劇団の舞台、有名歌手のコンサートとマイナーバンドのライブなどが例になりますかね。

いずれにしても、二極化があらゆる業種で進むのは既定路線ではないかと私は考えています。

6.何を目指すか

私は「二流」を極める方が性に合うようです。

遥か地平の彼方にある夢を追いかけるよりも、現実的な地に足のついた一歩で前に進みたいのです。

まずは、個人個人にあったアドバイザーやコーチ、ファシリテーターとして高校教育における自分のあり方を今後も模索していくのではないかと。

補足.AIの進歩で…

AIの進歩で個人対応のアドバイザーはいらなくなるのかどうか、これはわかりません。

しかし、その技術があればVtuber的なものを完全AIで作れるなら「超一流」の代わりもできそうですね。

そうなれば世の中みんな、遊んで暮らせる、ということで…

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