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深刻な教員不足対策の5億円の使い道が正気の沙汰ではない


教員不足対策補正予算、5億円

教員不足の対策として補正予算が5億円という規模で組まれているというニュースが報道されました。

ようやくこの問題に国政が重い腰を上げたことに対しては評価できるのですが、予算規模が立ったの5億円という小ささからして、この問題を本当に解決する気が疑問です。

また、予算の使い道を見る限りにおいては相当に的外れな印象をぬぐえない内容となっています。

5億円という予算規模

全国の教職員の給与総額は10兆円弱と言われています。

この給与総額を考えたときに、5億円というのは0.005%、直接的な人件費への手当ではないとしても明らか小さすぎる数字です。

正直なところ、これをもって教員不足に充てる予算を確保しました、と胸を張って言えることは一切ないレベルでしょう。

少なくとも私が広報の担当者などであれば言い淀むような数字です。

5億円の使い道

このたった5億円は当然ながら直接的な手当になるわけでもありません。

ではどのような使い道を想定しているのでしょうか。

リンク先の記事を読む限りでは以下のようにあります。

  • 教職に興味がある人や教員免許を持っていても教職に就いていない人を対象に、全国で行われる教員の魅力を発信するイベント

  • 教職にこれから就く人への準備として行われる事前研修

  • 民間企業で働く教員免許保有者が期限付きで教員として働けるようにすること

これらに対する自治体への補助などが5億円の内訳です。

そもそも5億円を全国の47都道府県で均等に割ったとして(もちろん実際には人口規模などで変わるのでしょうが)各県に1000万円ずつという配分です。

果たしてこのレベルの予算でどれほどのことができるか、正直実効性に乏しい帳面消しになるのが目に見えているようです。

なぜ教員が不足なのか

そもそも学校教員が不足している最大の理由は労務管理がきちんとなされていないことです。

さらに教員数の不足を講師という非正規職員を正規職員と同等に使い潰すことによって無理やり成り立たせてきたブラックな体制が拍車をかけています。

現在、講師が不足しているのもそうした劣悪な条件を回避する人が増えてことによるもので、この解決には業務削減、労務管理、法令順守などは最低レベルの条件となっています。

教員という仕事そのものの魅力を伝えたり、就業のハードルを下げることは全く意味をなさないということはないでしょう。

しかし、本当に求められているのは労働環境などの中身の改善です。表面をいくら飾り立てたところで問題の解決には至らないでしょう。

今回の5億円は観測気球的な効果も狙ったものなのでしょう。国政レベルの予算規模で5億円ぽっちでガス抜きできるならば御の字だからです。

こうしたごまかしに惑わされ表面上の改革に満足をしない、教育改革を進めるために世論を盛り上げることが必要なのではないでしょうか。


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