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コロナ緩和の大学入試、要項発表

文科省は令和6年度の大学入試に関しての要項を発表し、コロナ対策のガイドラインを廃止することを公表しました。

ここ数年行ってきたコロナ対応の入試から一転、従来型の試験を実施することとしています。

これまでのコロナ対応策

この4年間、入試対応はすべてコロナを前提としたシステムに置き換わっていました。

各大学に対しては、受験生のマスク着用や座席間距離の確保といった感染対策だけでなく無症状の濃厚接触者には別室で受験してもらうことなど、細かなガイドラインを設定していました。

昨年度は減少しましたが、それまでは別日に追試験の設定を求めるなど、かなり柔軟な対応を求めており、大学側の負担が大きいことが問題ともなっており、その点においては大学側から見ると朗報でしょう。

 大学入学共通テストついても47都道府県に設けていた追試験の会場を、コロナ前と同じ全国で2会場に戻すとした。

受験生の環境や利便性の悪化

一方で受験生にとっては環境の悪化が懸念される部分ではあります。

教室当たりの座席数を減らして運営していた大学も多く、今回の変更で教室内の席を増やして狭い環境での受験となるでしょう。

特に影響が大きいのが追試験の会場の減少です。

新型インフルエンザが流行していた2010年のセンター試験やコロナ禍における共通テストでは各都道府県に1会場の追試験会場が設定されていました。

もちろん、その場所も県内とはいっても住所次第では遠い場所もありました。(福岡県の場合、北九州市がなぜか追試験会場になっていました)

とはいえ、同一県内の場合には宿泊日数を抑えることも可能ではあったわけです。

今回の従来型へ戻した全国2会場の場合、追試験の受験者は受験環境や住所によって大きく影響を受けます。

おそらくは関東、関西に1会場となり九州からの受験者は相当に出願を悩むことになりそうです。

もちろん、追試験(再試験も含む)の受験者数は令和5年度は4000人前後と本試験受験者の1%弱と少ないのも事実ですが、居住地によって受験へのハードルに差があり過ぎるのは問題でしょう。

せめて地域ブロックごとに全国10~12会場ほどでもあれば、かなり受験しやすい環境になるのではないでしょうか。

最後の旧課程

令和6年度入試は学習指導要領改訂前の最後の年であり、次年度からのカリキュラム変更や共通テストの情報Ⅰ追加なども考慮すると、浪人を避ける受験生も多いはずです。
(移行措置もあるが、ギャンブル要素も強く決断は難しい)

その分、共通テストの重要性は大きく、できればチャンスを広げる意味でも追試験会場を追加するなどの措置を講じてほしいところです。

ちなみに、2009年の新型インフル流行時は10月ごろにプレス発表で追試験会場の増加が公表されています。

今回もその例に倣うことを祈りたいところです。

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