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「介護士から見た介護」

「介護士から見た介護」
僕は老人ホームでお仕事をしているんですが、
利用者さんの生活介護はもちろんのことですが、
少しでも気持ち良く過ごせるようにと利用者さんのお部屋に入ったとき寒かったり暑かったりしたらエアコンの温度調整も確認したり換気して空気の入れ替えをしたりと細かな配慮も必要になってきます。

時には入浴中でも排泄してしまう人も居ます。嫌ですけれどもそれでも笑顔で対応してあげます。

排泄もどうしても便秘気味になる人が多いから快適に出来るようにナースが坐薬などのお薬をしに来ます。
そうするとその後の処理も汚染されて大変な事にになります。

どんなに拒否されても対応して利用者さんの快適な暮らしの為にやらないといけないことは沢山あります。
利用さんの暴言暴力は日常のことです。
それでも時には
ご家族から理不尽なクレームを受けたりして現場の介護士の大変さは理解出来ないと思います。

この介護職は一般職に比べて低い給料である為離職率が高いのも現実です。
人手不足の中、過酷な労働、汗にまみれて入浴介助、その上人間関係が難しいです。

人手不足の中で外国人研修生が言葉もままならない状況でも私たち日本人よりもよくやってくれます。

介護職に出来ることは生活介護しか出来ません。体調に変化が起きても対応は最善を尽くしますが出来ることはバイタルチェックくらいです。

人はみな年を老いて身体の機能は低下してきます。
そんなのは当たり前だと思う人も居るかもしれませんが、この当たり前のことをちゃんと向き合って居ない人がほとんどです。だから年をとってから介護の制度を利用したいけれど、どうしたらいいのかわからない、自分の親をどんな老人ホームに入れたら良いのか分からない人ばかりで、結局は施設や介護センターに丸投げして任せてしまうのです。
人それぞれ老化は違います。嚥下機能が下がったり、歩けなくなったり、頻尿になったりして悩んだり悲んだりすると思います。

看取りケアは一番心が痛みます。
結局最期を診るのは現場の介護士です。
いつも寄り添ってあげれるのは私たち介護士です。
どんなに楽しい人生だったとしてもどんなに苦しい人生だったとしても最期まで診てあげた介護士たちはに心穏やかな顔を見ると涙が出てきます。

いつも人生の最期について色んなことを考えされられます。
介護って世の中の縮図の中で生きていると思います。だから介護士はたくましいんです。たくましいけど、いっぱい傷ついて心がすり減っているんです。
やりがいがあるのに心がすさんでしまうと寄り添う気持ちさえなくなってしまう。

そんなことにならないように介護の仕事に就いている人は誇りを持ってやってもらいたいです。

そしてどんな仕事でも心を壊してまでやる意味はありませんから。
自分の人生を大切にして仕事でも何でもいいのでそれをやっていけたらと思います。
人生は長いようで短いです。
心だけは壊さないように生きましょう。

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