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わたしの好きなライブアルバム その5

●THE VENTURES / LIVE IN JAPAN '65

これを初めて聴いたときはぶっ飛びました。自分のベンチャーズ感が全然変わってしまったというか。65年に伝説の日本公演を当時の司会(MC)入りで完全収録したものですが、音質も思った以上にいいし、何よりベンチャーズの演奏が絶好調というか。もう本当にロックバンドなんですよね。とにかく激しい!もはやパンクと言ってもいいくらい。特にメル・テイラーのドラムのスネアの音が「バスーン!」って感じの機関銃みたいなアグレッシヴさで。ベンチャーズの場合、2〜3分の短い曲の中に、これでもかとアレンジや演奏に見せ場を作るんですよね。話題になった曲の合間の司会者ビン・コンセプションですが、これがトニー谷みたいな片言の日本語でコメディアンみたい。これがまたホノボノとした感じで結構好きなんです。


●XTC / BBC RADIO 1 LIVE IN CONCERT

80年といえば、ちょうどアルバム「ブラック・シー」の頃。ドラムなんかにゲートスネアなどエコーがバリバリに入っていた時期なんですけど、こっちのライブ録音の方は、もっと素直な感じのサウンド。XTCのライブ演奏って思った以上に激しいんですけど、どこかクールで理知的な部分もあるので、パンク以後のデビューとはいえキャリアの長さがにじみ出ています。やはりアンディ・パートリッジのボーカルでしょう。スタジオ盤以上にパワフルで、信じられないくらい「ライブバンド、XTC!」って感じ。もう、これを聴くか聴かないかで、かなりXTC感が変わると思います。個人的な萌えポイントは「リスペクタブル・ストリート」のイントロを客が大合唱した後にギターが切り込んでくるところ。何度聴いても鳥肌が。


●RANDY NEWMAN / LIVE

ランディ・ニューマンもそれなりにライブ盤が出てるんですけど、やっぱりこれでしょう。ランディといえばボケとツッコミでいえば、いわばボケの人。それは甘いメロディとは裏腹の歌詞の毒気やキツいユーモアだったりするんですが、そこが日本人には伝わったり伝わらなかったり。でもこのライブ盤では、お客さんの笑い声が入ったりするんで「ここで笑うところなんだ」と、いろいろと彼の本質を理解するヒントがそこにあるんではないかと感じるんです。というポイントを抜きにしても、こんなに楽しく愉快な、それでいてロマンチックなライブ盤はなかなかないですよ。まるで彼がそこで歌っているような臨場感あふれる録音も素晴らしいです。


●SIMON & GARFUNKEL / LIVE 1969

サイモン&ガーファンクルは後に67年のライブも発掘されて出ましたが、個人的にはこちらの69年の発掘ライブの方を愛聴。解散間近だった69年のライブ演奏を集めたものなんですけど、音質もいいし、まるで一つの公演のショーを完全収録しているみたいに選曲と統一感が素晴らしいです。何よりも、これでもかと出てくるヒット曲と名曲の数々。スタジオ盤の凝ったアレンジも、それはそれで好きなんですが、ポール・サイモンのギター演奏だけで繰り広げられるこのライブを聴いても、もう全然曲の良さには変わりはないんですよね。びっくりするのが、まだレコードとして発表されてなかった「明日にかける橋」の演奏。イントロが始まっても拍手も何も起こらないんですよ。むしろ貴重。まさに名曲が世に出る瞬間の記録です。


●THE JAMES COTTON BAND / LIVE & ON THE MOVE

ブルース系から何か一枚と思ったんですけど、ブルースはライブ盤に名盤が多く、やはり客とのやり取りというかコール&レスポンスがあってこそのブルースなのかなと。で、自分が選んだのかこれです。ジェームス・コットンといえばファンク・ブルースというのを世に知らしめた「100%コットン」が有名で、もちろんそちらも大好きなんですが、この76年のライブ盤がもう最高なんですよね。ブルース一辺倒というわけでもなく、ちょいメロウな曲もあるんですが、リズムがとにかく多彩なんですね。どの曲も3分ぐらいなんですが、もう始まった瞬間から盛り上がりのピークというか。アンサンブルも非常に練られています。ハーモニカをジーパンにいっぱい突っ込んだ女性のジャケも雰囲気あって好きですね。

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