見出し画像

【選手紹介】第93回選抜高校野球 観たい選手まとめ【後編】

どうもどうも。「僕が観たい選手の名前を書き殴ったnote」の後編です。
前編をアップロードした直後に組み合わせ抽選会が行われました。面白そうな対戦カードがたくさんあって楽しみな限りですが、いまは本業(スクールアイドル兼スカウト)が暇な一方で副業(いわゆる”仕事”)が死ぬほど忙しく、どれほど純粋に楽しめるのか心配な部分もあります。”人の心”を失わないように生きていきたいと思います。
関係ない話が長くなってしまいました。ここから本編です!

智弁学園

最注目はやはり前川右京です。同校OBの岡本和真にも匹敵する凄まじいパワーの持ち主で、昨秋の近畿大会では関戸(大阪桐蔭)から本塁打を放ちました。世代でも1,2を争う強打者です。私が彼を見たのは1年の春と秋だけ。現在は一応ライトを守っていますが守備はアレな感じ。左投で守備位置が難しいだけに、しっかり守れればもう少し評価も上がるはず。岡本の時もそうでしたが、小坂監督はこういう打者を3番に置きたがります。最強打者が初回に回ってくることのプレッシャーが云々と。こういう選手を3番に置くためには、勝負を避けられないようにするため4番が重要になります。その4番に座るのはキャプテンの山下陽輔。1年秋から三塁のレギュラーをはる長距離砲で、秋は松浦(大阪桐蔭)から放ったものを含む2本塁打。1年秋に見た時はベースランニングの遅さが目につきましたがどれぐらい成長しているでしょうか。
投手ではエースの西村王雅に安定感が出てきました。以前は、勢いと相手の胸元を突く度胸の良さはありながらも粗削りな印象でした。しかし、昨夏の甲子園交流試合で見た時は腕をサイド寄りのスリークォーターに下げて制球力が向上していました。小坂監督の信頼も厚い左腕です。小畠一心も西村と同じく1年春から公式戦で登板を重ねた投手。小坂監督のお気に召さないのか大事な試合は西村ばかりで出番は少ないですが。中学日本代表に選ばれた投手で期待値は高く、ドラフト候補にも名前が挙がります。昨秋は市立和歌山を相手に1失点で抑え完投勝利を収めました。
良い投手を2枚擁していますが支配的な投球をできるタイプではなく、勝ち上がるための鍵は打線が握っています。しかし初戦が大阪桐蔭というのは…

大阪桐蔭

安心安全の大阪桐蔭ブランド。今年もプロ注目の選手が複数います。150キロ左腕の松浦慶斗には無限の浪漫を感じます。利き腕の肩の脱臼癖や無意識のムービングなど粗削りな部分もありますが、甲子園交流試合では145キロ前後の直球であの東海大相模打線をきりきり舞いさせていました。素材の良さはピカイチ。ちなみに、前編では北海の木村をNo.1左腕候補と紹介しましたが、松浦も北海道出身です。関戸康介は最速154キロという数字に目が奪われますが、変化球で試合を組み立てる能力もあるらしい右腕。怪我が多く、高いポテンシャルを活かしきれていなかったように思いますが、一冬越えてどう成長しているでしょうか。この2人がすごいのでさほど目立てていませんが、竹中勇登も中学時代から有名な選手で、昨秋はリリーフでよく頑張りました。また、中学時代に日本代表で活躍した新2年生の川井泰志も経験を積みました。
続いて野手。1番の繁永晟と2番の野間翔一郎はともにスピードのある選手で、公式戦11試合でそれぞれ6盗塁、12盗塁を記録しています。3番の宮下俊輔は鋭いスイングで長打を放ち、昨秋は4本塁打。4番池田陵真は上背こそないもののムチムチな体つき。パワフルな打撃で勝負強く、19打点をマークしたプロ注目の打者です。5番の前田健伸は左の大砲。1年秋の近畿大会でホームラン見た縁もあるので頑張ってほしい。6番の花田旭は186cnの大型大砲。両打ちのショート藤原夏暉は下位でありながら打率.467で16打点。レギュラーの層が厚く1桁背番号ではないものの、海老根優大は中学時代から有名なスラッガー。松尾汐恩も華麗な守備を見せます。タレント揃いで今年も来年以降も楽しみな最強軍団です。

市立和歌山

今秋のドラフト1位候補でもある小園健太に注目。昨秋は宿敵・智弁和歌山に対して県大会、近畿大会の2度にわたって勝利(18イニング4失点)。智弁学園戦でチームは敗れたものの、小園自身は4回1安打6奪三振と完璧に抑え込みました。チームとしては2番手の育成が課題ですが、小園は無双状態と言っても過言ではありません。184cm/89kgという体格の良さも超高校級。昨年の独自大会でも早々と敗れてしまったので「発見」されていませんが、アピールの場があればもっと注目されていい投手だと思います。その小園と中学時代からバッテリーを組む松川虎生もプロ注目の捕手。178cm/98kgという体格のとおりの長距離砲ですが、11試合で打率.529、三振0と巧打者ぶりも見せます。

京都国際

中心選手に新2年生が多い若いチーム。注目はともに新2年生で二刀流の森下瑠大平野順大。左の森下はキレとコントロールのタイプで、右の平野は球威タイプ。そしてともに公式戦の打率は4割を超えます。今春はもちろん、来年も楽しみな選手です。

神戸国際大付属

二刀流で活躍する阪上翔也に注目。投げては最速145キロを誇り、41.1回で57三振を奪った一方で与四死球はわずかに7個。これで県大会までは背番号8だったのですから、センスの塊と言えるでしょう。打つほうでは、公式戦での数字はいまひとつだったものの、練習試合を含めればなんと44試合で10本塁打のパワーも見せ、脚も速いそう。20三振という粗さは要改善ですが、非常に楽しみな素材です。その他、2番手候補筆頭の中辻優斗ら新2年生に楽しみな投手が多いので継続的に見ていきたいです。

天理

近畿大会の準々決勝で大阪桐蔭にコールド負けを喫したのでセンバツは絶望的だと思っていたのですが、運良く(?)選ばれました。そのせい(?)で達孝太が見つかってしまいそう。昨秋の公式戦はほぼ全て1人で投げ切り、52回で67奪三振、与四死球はわずかに9個と制球力もあります。大阪桐蔭戦で11失点してしまったものの、あの大阪桐蔭打線から7回で10個の三振を奪いました。193cmの長身からMAX146キロの直球を投げ下ろし、フォークが冴えます。練習では150キロを計測したこともあるといい、試合さえあれば評価がうなぎ登りになること間違いなし。打線の軸になるのは4番を打つ瀨千皓。珍しく(?)メガネをかけたパワーヒッターです。怪我で出遅れたところがあったようですが、1年秋の神宮大会ではホームランを打ちまくって注目を集めました。瀨の前後を打つのは新2年生の戸井零士内藤大翔。下級生で名門・天理のクリーンアップを任される選手ですから、来年以降も要注目です。ショート杉下海生の守備力も素晴らしいものがあります。

広島新庄

秋山恭平は1年秋の中国大会で3完投、昨夏の甲子園交流試合でも天理を相手に好投を見せたエース格。広島新庄らしい好左腕で、同校OBの田口麗斗(読売)のような雰囲気を感じます。そんな秋山ですが、昨秋は不調で登板数わずか。そんな状況になって花田侑樹が大きく成長。旧チームでは5番一塁兼控え投手。新チームでは4番を担いながら、最速143キロのエースとして県大会5試合4完投のフル回転。投打にわたる活躍が期待されます。

下関国際

全部員の4分の3が新2年生という非常に若いチーム。最速138キロの本格派左腕・古賀康誠、最速140キロ近い松尾勇汰仲井慎の両右腕、いずれも新2年生であり将来が楽しみです。

鳥取城北

旧チームでも主軸を担った畑中未来翔はプロ注目の強打者。公式戦では2本塁打、盗塁数もチームトップと三拍子揃っているところもアピールしました。関西出身の選手が多いチームにあって地元の鳥取出身だったり、好きな野球選手がタティスJr.(パドレス)だったりと、良い味を出しています。その畑中と同じ2本塁打を放ち、チームトップの打率.484を記録した徳山太一、筆者と同郷の左腕・奥田智哉にも注目しています。

明徳義塾

エース左腕の代木大和は1年春から公式戦のマウンドを経験して注目を集めていた投手。184cmの体格があり最速は138キロですが、昨秋は制球を意識し直球は120キロ台後半に抑えていたとのこと。その甲斐あって62回で12与四死球、防御率0.58と結果は残せましたが、何だか悪い意味で明徳義塾っぽく育ってしまったような気がしますが…。昨年のエース新地智也もそんなタイプでした。186cmの大型右腕・畑中仁太は肩の故障があり、代木がほぼ1人で投げ切ることになりましたが、回復していれば強力な左右の2枚看板を形成できます。1年夏からレギュラーとして活躍しているショートの米崎薫暉は好守が売りでしたが、昨秋は打率5割と大当たり。二遊間のドラフト候補が少ないので、もしかするともしかするかも…?

聖カタリナ学園

創部5年目で甲子園初出場の原動力となったのがエースの櫻井頼之介。170cm/58kgと上背が無い上にかなりの細身ですが、それでも最速145キロを記録する身体能力には要注目です。

大崎

人口5000人の大島にある県立高校が甲子園初出場。エースの坂本安司が九州大会の初戦から3試合連続で完投して甲子園の切符を掴みました。最速は139キロということですが、このオフはスピードを上げるためにトレーニングに励んだとのこと。成長を確認したいです。

福岡大大濠

同校は好投手を数多く輩出していますが、今年のエースは速球派左腕の毛利海大。49回で63奪三振とパワーがあるところはアピールしましたが、28四死球と制球力は課題な様子。早川隆久(楽天)を参考にしているとのことで、同じような成長曲線を描けるか。野手は新2年生が中心。特にパンチ力のあるショート・山下恭吾に注目しておきたいと思っています。

明豊

左腕エースの太田虎次朗は太田龍(読売)の弟で、昨年の甲子園交流試合でも登板しました。最速141キロとパワーがある投手で、32.1回で48奪三振、奪三振率にして13超えを記録しました。右のエースは188cmと長身の京本眞で最速は143キロ。昨年のチームに比べれば打力で劣るので、この2投手の出来が鍵を握ります。

八戸西

21世紀枠での出場。公立の同校を初めて秋の東北大会出場に導いたのは、身長189cmの長身エース・福島蓮。東北大会では2戦目(準々決勝)の花巻東に敗れたものの2失点完投、2試合で15回を投げて11奪三振3四死球5失点と立派な成績を残しました。21世紀枠での選出ですが十分な力がある投手です。


優勝予想

本命:大阪桐蔭
対抗:健大高崎仙台育英
大穴:天理

今年の優勝予想はデータも思い入れも少なくて難しかったです。そんな中で大阪桐蔭を優勝予想とするのは安牌すぎて面白くないなと思うのですが… 150キロ超えの左右の投手がいて、当然のように破壊力がある打線を擁している常勝チームで”置きに”いきました。健大高崎はその強力打線に浪漫を感じますし、「機動破壊」で一世を風靡したように打力で新たな潮流を作り出してほしいなと思いますが、打線は水物と言うので投手の出来が鍵を握ることになるでしょう。その点、強力な打線に加えて好投手を複数抱えている大阪桐蔭や仙台育英は上位に勝ち上がってくるのではないかと予想しています。仙台育英は伊藤くんを勝手に応援しているのでぜひ上位に。大穴には天理を推します。筆者は例年、複数の優秀な投手を擁しているチームを上位に予想するのですが、天理はほぼ達ひとりに頼り切りの状態。勿論、二番手以降の投手の育成はしているでしょうが、勝負どころでは達に頼らざるをえないでしょう。同じ奈良の智弁学園が村上頌樹(阪神)の全試合完投で優勝したように、夏はまだしも春はソレが可能(可能とは言っていない)なので、達レベルの投手がどこまで通用するか見てみたい、という意味で名前を挙げておきます。
と、組み合わせ抽選会の前に下書きをしていたのですが、上手い具合に勝ち上がると2回戦で健大高崎と天理があたり、その勝者が次の準々決勝で仙台育英と対戦するような組み合わせに。楽しみであると同時に、予想が当たる可能性が…


いかがでしたでしょうか。
私自身、この原稿を書きながら非常にワクワクして開幕が待ち遠しい気持ちになっています。昨年は高校野球をはじめ多くの試合が中止あるいは無観客になったことで、観る側も何かと満たされない思いを持っていました。今年こそは大会が無事に開催され、選手たちが思いを遂げられるのとともに、我々ファンもその様子をテレビやネットで楽しめる年であってほしいと切に願っています。

それでは次回の投稿でお会いしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?