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【恋愛日記①】ボクは恋をしました。人生史上最高に胸がときめいています。どうか聞いてください。

アオと申します。

2020年8月6日、ボクはある女性と出会い、そしてその日に恋をした。その一部始終を赤裸々に語らせてほしい。

2020年7月14日

7月14日の会社帰り。ライトアップされた東京タワーを眺めながら歩道橋を歩いていると、ボクの会社の同期の女性が、珍しくボクにLINEを送ってきた。

(同期の女性は、某大学のミスコン出場者で、底抜けに明るく、それでいて人への気遣いが溢れる素敵な人。マギーとトリンドル玲奈を足して2で割ったような美貌の持ち主。以後、玲奈さんと呼ぶことにしよう。)

お疲れ~
アオくん、いきなりだけど今アオくんって彼女いるんだっけ?
アオくんにめっちゃ紹介したい人がいるんだけど!!

ビックリした。玲奈さんとは、仕事で関わったこともあるし、すれ違えば世間話を交わす仲ではあったが、一緒に飲んだ記憶も少ないし、まさか自分にこんなお誘いをしてくれるとは思ってもみなかった。素直に嬉しかった。

しかもボクは、玲奈さん「誰か紹介してほしい!」なんて一言も言ったことが無い。そう、玲奈さんがボクを選んで引き合わせようとしてくれている。

紹介で異性と会うって本当にあるんだ、、、と、虚に突かれた。もちろん、こんな経験は人生で初めてだ。

ボクは、正直友達はそんなに多くないほうだ。狭く深く人と関わるタイプ。40名ほどいる会社の同期ともそんなに仲良くない。入社当初にある合宿型の新人研修はインフルエンザで休んでしまい、殆どの同期が「ヨッ友」に。その後も、何回か飲み会を断っていたら、1年目の秋には誘われなくなった。

そんな自分に、こんな機会が訪れるなんて。もう一生こんなことはないんだろうなあと思った。

玲奈さんには恋人がいる。彼も、ボクの会社の同期だ。確か入社1年目から付き合っているので、もう2年くらいか。

玲奈さんの恋人は、松坂桃李と山崎樹範を足して2で割った感じの好青年。以後、桃李くんと呼ぶこととする。)

玲奈さん桃李くん初めてお会いする女性ボクの4人で、新橋のお好み焼き屋さんに行って、紹介の場を作って頂けるとのことだった。

2020年8月6日

夜7時半に、新橋のお好み焼きやさんに直接集合する約束だった。会社から新橋のお店までは30分程度だったので、7時に仕事を切りあげて、山手線に飛び乗った。玲奈さんと、初めてお会いする女性は、待ち合わせ時間の15分前には到着し、先に店に入っているらしい。

梅雨の真っただ中だったが、幸運なことに雨は降っていなくて、涼しさを感じた。青のスラックスと、青と白のチェックシャツに身を包んだボク。

店を見つけたが、柄にも無く緊張して、足がすくむ。少し額が汗ばんでいるのを感じて、シャツの袖で軽く顔を拭った。

ゆっくりと、そして、意識的に少し胸を張って店に足を踏み入れる。良い雰囲気で、薄暗い店内。店の一番右奥に、玲奈さんと、初めてお会いする女性がいた。

ボクは、初めてお会いするその女性の向かいに座った。ゆっくりとその女性を見る。

紺色のワンピースに身を包む、小顔で色白の彼女。セミロングの黒髪が証明に照らされて光っている。石原さとみと今泉佑唯と広末涼子を足して3で割ったような外見。(以後、この女性のことを涼子さんと呼ぶことにする。)

どタイプだ、、、!全てがどタイプだ、、、!

額の汗が、じわじわ増えてくる。一気に胸の鼓動が早まる。

ボクは必死に自分の心を落ち着ける。「お姉さん!」と店員さんに声を掛け、ビールを頼んだ。

少し話が逸れるようだが、ボクは、店員さんを呼ぶとき、店員さんの年齢に関わらず、店員さんが女性なら「お姉さん!」と、店員さんが男性なら「お兄さん!」と呼ぶことにしている。

ボクは、人生は全部縁だと思う。運命によって自分が操られてるんだと信じている。だから、この店員さんと初めて会ったのも一つの奇跡だ。だったら、店員さんには何か喜びを与えたいなと思う。少しでも気持ちよく仕事してほしいと思う。やる気のなさそうな大学生のバイト君であっても、自分のために何か仕事をしてくれたことが有難いと思う。

ボクが「お姉さん!」と言ったのがおかしかったらしくて、玲奈さん涼子さんは笑ってくれた。店員さんを「お姉さん」「お兄さん」と呼ぶ理由を真面目に説明したら、二人とも不思議な顔をしていた。

涼子さんは、ボクと同じく関関同立の出身。海外に住んだこともあるお嬢様らしい。ボクと誕生日2か月違いの同級生。こんなに美人だったら、高飛車で自信満々で派手でも不思議じゃないのに、その佇まいや発する言葉が、良い意味で等身大だと感じた。

ボクは愛知生まれだが、大学時代を関西で過ごしていたおかげで、多少共通の話題で盛り上がることができた。

はじめは「ものすごく綺麗で、この人と話すの緊張するな、、、」という感覚だったが、いつの間にかボクの緊張は解けていた。それくらい、話しやすかった。美人を見たら緊張して話せなくなるのが自分の常なのに。それが人生で初めての感覚で、何だか不思議で不思議でたまらなかった。

1時間ほどすると、桃李くんも店に合流。あっという間に時間が過ぎ、10時ごろに店を出て、4人で写真を撮って解散。

その後、玲奈さんが4人のLINEグループを作ってくれて、ここでボクは涼子さんのLINEをGETすることになる、、、!

胸のざわめきが収まらぬままにボクは帰路についた。

涼子さんを一言で形容するなら「美しい」だ。「可愛い」でも「綺麗」でもない。頭に浮かんだのが「美しい」。なんだろう、上手く説明ができないんだが、外見も内面も美しかった。

2020年8月7日

朝早く目が覚めた。そのまま準備をして、会社に向かう。

その道中、ボクは悩んだ。涼子さんをデートに誘いたい。LINEも既に手に入れている。でも、何とメッセージをしていいのやら分からない。

ボクは過去に2人だけ彼女がいたことがある。1人目は大学1年から社会人1年目の4年半、2人目は社会人2年目の4か月。恋愛経験が少なくて、こういう場面でどうしていいのか全然見当がつかない。

ためしに、こんな文章を書いてみた。

昨晩はありがとうございました!
涼子さんがあまりに美しくて、
初めてテレビでジュリアロバーツを見た時以来にキュン死してしまいました☺
今度ゆっくりお茶しませんか~。

うん、気持ち悪い。今読み返してだいぶ気持ち悪い笑。

不安なボクは何人かの知人に添削を依頼。意外にも是非は半々だった笑。

どうしよう、どうしよう、、、と悩んでいると、なんと、、、

昼過ぎに、涼子さんの方からメッセージが来たのだ!おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。

ありがとう、関西のことを話せてよかった、仕事が大変そうだけど体調に気を付けて、との旨が書かれていた。

ボクの体温が一気に上がる。指先が汗ばんで、スマホが湿る。

ボクは、何とかその日のうちに返信の文面を考えて、まるで詩人のような文章を送った。

涼子さん、こちらこそありがとうございました!
昨日はとても楽しかったです!今日こちらからメッセージしようと思っていました!先にさせちゃってごめん☺

自分は昨日、涼子さんがあまりに美しすぎて、全く目が離せなくなりました。ホントです。
しかも、とても話しやすくて、時間を忘れて話してしまいました。

そんな訳で、自分はまた涼子さんにお会いしたいと思っています。
涼子さんがよければ、仕事終わりにでもお茶しませんか?

んー、クサい!クサすぎる!笑。溢れ出る童貞感がエグイ。まあ、考えに考え抜いての結果なので、これはもう天命を待つしかない!そう腹を括ったのだった。

文面を相談した友人にも、「結果的にこういう文章を送りました!」とサクッと報告。まあまあ上出来じゃない?とのフィードバックを受けた。

2020年8月8日

朝起きると、涼子さんから、お茶するのを快諾する返信LINEが届いていた、、、!

おおお、なんて幸せな朝だ。。。このまま死んでもいいぞ、オレ!!

お会いする日程もバッチリ決めた。平日の仕事終わりだ。

さあ、どこに行くべきか?ボクはまだ東京在住歴2年と少しなので、見当がつかない。そもそも東京で殆どデートしたことが無いのだから、当然だ。

ここでまたボクは知人を頼る。恋愛の猛者に必死に状況を説明し、初デートにぴったりな場所を教えてもらう。

何件か候補が上がってきた中で、最終的に「ここだ!」と決めたのは、有楽町駅前にある「̪シクスバイオリエンタルホテル」のラウンジ。

ここ行きませんか?という決死のLINEを涼子さんに送信。幸いにも、涼子さんは今までに行ったことのないお店だったらしく、(お世辞なのかは分からないが)お洒落なお店を見つけてくれてありがとう!との返信があって、ホッとした。

2020年8月9日~2020年8月18日

何だかんだ、半日に1通くらいのペースで、LINE上で他愛のない会話が続いていた。

ボクから送るLINEは相変わらずぎこちなく、まるで明治末期の詩人のようだ。涼子さんからも、敬語じゃなくても、、、との優しいご指摘があったが、それでも何故か敬語解除が難しい。

何で敬語解除をしたくなかったかというと、それは「初めてが終わってしまうから」に他ならない。

「初めて」は人生においてとんでもなく尊いと思う。どんなことでも、初めて経験することは自分の価値観を揺るがしうる。この「敬語解除」もそうだ。今後はもう「敬語解除」というイベントは起こりえないのだ。どの「初めて」も噛みしめて味わいたい。。。

でも、いつまでも敬語のままいるわけにはいかない。だって、初めてが失われるのは嫌だけど、それ以上に涼子さんと仲良くなりたいから。初めてが失われる切なさをじっくり噛みして味わいながら、ボクは初めてタメ語でのメッセージを送ったのだった。

2020年8月19日

2人でデートする当日が訪れた。

少しでもいい匂いを発してお会いするために、朝からアツアツのシャワーを浴び、入念に髪をセットした。

スラックスとラコステのポロシャツに多めにファブリーズを振る。

ポケットには、会社に先輩に貰ったお気に入りのラルフローレンのハンカチを忍ばせ、会社に向かった。

仕事が思ったよりも忙しかった。涼子さんとの待ち合わせには死んでも遅れるわけにいかないので、必死でタスクをこなしていく。

待ち合わせは6時半。なんとか6時に仕事を終わらせ、同僚には「大事な日なのでごめんなさい!」と言い残した。

有楽町駅には、待ち合わせ時間の10分前に到着。お会いしたら一発目で何て言おうか、いろいろ考えてみる。

「暑いね~」「お久しぶり~」「わざわざありがとう!」とか、何がいいんだろうか。。。

そんなことを考えていたら、ふと宝くじ売り場が目に入った。そういえば、10ヶ月くらい前に、先輩から1枚だけ宝くじ買ってもらって何だか嬉しかったな、、、と思い出した。

掴みはこれだ!と宝くじ売り場へ。目に入った1枚200円の宝くじを2枚買った。

待ち合わせ時間の30分が迫る。涼子さんは、29分着の電車で来られるらしい。28分、電車が迫ってくる音が聞こえる。一気に緊張感が高まるボク。

涼子さんの姿が目に入る。うん、美しい。とても美しい。やっぱり、可愛いでも綺麗でもなく「美しい」が似合う。

早速1枚の宝くじを渡し(笑)、お店へ歩く。

宝くじ貰ったの初めて(笑)

涼子さん。そりゃそうだ。あ、ここでも「宝くじをプレゼントする」という「初めて」が一つ終わったわけだな。

会話は割と盛り上がった。世間話というよりは、お互いの家族の話や、価値観を中心に聞きあった。素直に楽しかった。無理やり話を続けるという感じが無くて、ちょっとした無言も嫌じゃなかった。

マスクを外した涼子さんは、薄めのナチュラルメイク。絵に描いたように美しい。まあ、スッピンであっても十分美しいんだろうと思うが。

涼子さんは結構たくさん食べる人だった。ボクは、小食の人ではなくて、一緒に食を楽しんでくれる人の方が好みなので、凄く嬉しかった。

席の時間は2時間。1時間半ほどすると、店員さんがお会計の板を持ってきた。丁度涼子さんはお手洗いに立っていたので、先にカードで会計を済ました。

時間は9時。正直、もっと話したい。もっと涼子さんのことを知りたい。二次会に誘いたい、どうしよう。。。

涼子さんがお手洗いから戻ってくる。またまた決死の覚悟でボクは言葉を発する。

涼子さん、もうこのお店出ないといけないみたいなんですけど、ボクはもうちょっと涼子さんと話したいです。良ければ、1時間だけ場所変えて話しませんか?

涼子さんの視線がちょっとだけ泳いだ気がした。でもすぐに、

いいよ、1時間くらいなら!

とのお返事が。ああ、ありがたや。幸せだ。

外に出ると、心地よい風が吹いていて涼しい。

不思議なもので、横に座って顔を見ながら話していた時よりも、外でちょっと距離をとって顔を見ずに歩きながら話す方が緊張する。

このご時世だからか、9時以降に入店できるお店が全然なかったが、レンガ街に、何かのイベント用?に置かれた綺麗な机とイスが並んでいるゾーンがあった。心地よい気温だったのもあって、ここでお話しすることに。

その距離は約1メートル。。。引きで見る涼子さんも、良い。

緊張していて、何を話したのかよく覚えていない。でも、またここでもあっという間に時間が過ぎた。

レンガ街は、どことなく西洋の街並みに似ていた。ボクが好きな「ノッティングヒルの恋人」という映画をふと思い出した。

イギリスが舞台の「ノッティングヒルの恋人」では、ヒューグラント演じる冴えない旅行書店の店主タッカーが、ジュリアロバーツ演じる大女優アナと恋愛をする。

今のボクはまるで、ヒューグラント演じるタッカーのようだ。今までに会ったこともない美しさを持つ女性に恋をしてしまった。涼子さんはこれからも沢山の男性に言い寄られるんだろう。その戦いの中でボクは勝ち残らないといけない。ああ、今だけヒューグラントに乗り移りたいよ。。。涙

気づけば1時間が経っていた。そろそろ帰ろうという話になり、駅に向かって歩く。有楽町駅が視界に入ってくる。あと2分くらいで改札に着いてしまう。

ボクは、また勇気を出して、次のデートに誘うことにした。

今日、ボクは改めて、涼子さんが凄く美しいと思いました。
可愛いとか綺麗とかでは言い片付けられないんですよね。
それでいて、ボクにとってすごく話しやすくて、とても心地いいです。
ボクはまた涼子さんにお会いしたいと思っています。

涼子さんはこちらを見て「うん、是非。」と一言。

うおおおおおおおおおおお!!!!!

来た!2度目のデート確定だ、、、!

その会話が丁度終わるころ、ボクと涼子さんは有楽町駅に着いた。

涼子さんが一言。

アオくんが何考えているのか、脳みその中身見てみたい笑

結構ストレートに思いを伝えているつもりなんだが、伝わっているのだろうか。。。

共に山手線だが、方向は反対。別々のホームに分かれた。

ホームに上がると、向かいに涼子さんの姿が見えた、のは一瞬で、すぐに自分が乗る列車が到着し、涼子さんの姿は見えなくなった。

あ、宝くじの抽選結果、見逃さないようにしないとな。

次のデート(2020年8月26日)に続く。。。

是非よろしくお願いします!恋の応援として、そしてデート代の足しとして、どうか恵んでください!!