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次代を支えるはり師・きゅう師を養成~鍼灸健康学科を開設~

2023年4月にNSGグループの新潟医療福祉大学に新学科「鍼灸健康学科」が誕生します。北海道・東北・甲信越地方の大学では初めて開設することとなります。新学科開設に伴い、大学内に新たに第11研究・実習棟を設置し、その中に「新潟医療福祉大学附属鍼灸センター」を設け、実際に治療行う鍼灸院として運営するほか、「スポーツ」「美容」等の様々な分野の技術を学ぶことができる臨床実習施設を設置する予定です。学科長の粕谷大智教授をはじめ、次代の人財育成にふさわしい経験豊富な教師陣をお迎えすることができました。

予防医学の点で鍼灸に大きな期待が

鍼灸健康学科で学ぶ学生が目標とする資格は、はり師ときゅう師の国家資格です。それぞれ別々の資格ですが、両方の施術を行う人が多いため一般的に鍼灸師と呼ばれることが多いです。鍼灸師は、鍼(はり)や灸(きゅう)を使って体の不調を改善したり治療したりする医療専門職です。東洋医学に基づき体のツボを刺激し、人間が持つ自然治癒力を高め、病気の治療や予防を行います。

東洋医学は鍼灸や漢方、食事療法で構成される4000年以上の歴史を持つ伝統医学です。鍼灸師は赤ちゃんから高齢者、スポーツ選手や女性など、幅広い方を対象にしています。治療の対象となる症状も、肩こり、腰痛、便秘、胃炎、気管支喘息、鼻炎、感冒かんぼう、頭痛、冷え性、月経異常、月経痛、不妊、メニエール病、耳鳴り、不眠症、肥満、自律神経失調症、アトピー性皮膚炎など多岐にわたります。
日本は超高齢社会を迎え、医療費や介護費が増加しています。そこで、病気になる前の「未病(みびょう)対策」が重要になってきました。病気が重症化するのを防いだり、健康を維持・増進したりするという予防医学の点で鍼灸は優れています。また鍼灸は、日本や中国、韓国といった東アジアの国だけではなく、欧米の国々でも高い評価が得られ、世界トップクラスの大学や医療機関でも研究が進められています。1979年、WHOは鍼灸治療の適応疾患43疾患を発表し、2001年には大学病院での医学部教育課程に東洋医学が取り入れられるようになるなど、重要性は日に日に高まっています。

「チーム医療」と「6つの専門領域」

新潟医療福祉大学の鍼灸健康学科の教育の特色の一つは、チーム医療の一員として活躍できる鍼灸師を養成することです。ニーズの多様化により、医療における多職種連携が進んでいます。多様な問題に対処する上で、鍼灸師がチームに入ることで、より多角的かつ専門的なアプローチが可能となります。そのため鍼灸師は様々な医療専門職との連携が求められます。新潟医療福祉大学では、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITの6学部14学科が同じキャンパスで学ぶ医療系総合大学である強みを活かし、他学科の学生とともにチームで学ぶ「連携教育」を導入しています。それにより、チーム医療の一員として求められる他職種への理解やチームワークスキルについて学ぶことができます。
また、様々な専門的な領域を持った鍼灸師を養成することも鍼灸健康学科の特色となります。4年次には「医療鍼灸」「健康鍼灸」「スポーツ鍼灸」「レディース鍼灸」「健美(美容)鍼灸」「漢方」と、それぞれの領域を選択し実習を行うことで、卒業後はそれぞれの専門性を持って各領域で活躍することを目指します。

鍼灸を中心に広がる事業の可能性

はり師・きゅう師の資格を取得し大学を卒業した後は、鍼灸院や鍼灸整骨院への就職のほかにも、病院やクリニック、老人福祉施設、スポーツ関連施設などで働くことも可能です。また、鍼灸師は開業権を持つ資格ですので、現場で経験を積んでから独立をして鍼灸院を開業することもできます。最近では美容や高齢者の健康維持のニーズの高まり、スポーツ人口の増加により活躍するフィールドが広がっています。
鍼灸健康学科の設置以外にも、鍼灸に関連する幅広い事業の可能性があります。例えば、医療機関における鍼灸部門の設置や福祉・介護分野での事業展開、さらには美容鍼灸やスポーツ鍼灸、医療ツーリズムによるインバウンド拡大、企業のヘルスケアなど鍼灸に関わる事業にも積極的にチャレンジしていきたいと考えております。それは、卒業生の雇用機会の拡大や鍼灸師が活躍できるフィールドの拡大、鍼灸を中心とした産業の活性化にもつながっていくものと思います。
4月には、これからの時代を担う鍼灸師を目指して、日本各地から学生が入学してきます。広範な知識と高度な専門性、豊かな人間性を備え、様々なフィールドで活躍できる鍼灸師の育成に力を入れると共に、鍼灸業界の発展、医療の発展、地域の発展のために積極的に取り組んでまいりたいと思います。      〆

NSGグループホームページ

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