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マスアートの表現技法を考える

“マスアート”という言葉に統一された定義はないが,僕の中では“数学にインスピレーションを受けたアート”という定義にしている.

だが,実際に制作してみようとすると1つの課題にぶつかる.
それは,「数学要素が強すぎると,アートではなく単なるグラフになる」ということだ.

例えば,先日あるコンセプトをテーマに作品を制作しようとした.
それは数学の関数の中でも“偶関数”と呼ばれる関数をコンセプトにした作品である.

偶関数そのものが面白い性質を持つのだが,少し考えていると,ある規則に基けば偶関数を無作為に生成できることがわかった.

それを用いて大量の偶関数のグラフを生成してそれらを重ね,色をつけたのがコチラ.

まあ,そもそも“アート”という言葉が非常に幅広い意味を持つので,「これがマスアートです!」と言い張ることは可能なのかもしれない.

だが,やはりグラフが重なっているようにしか見えないだろう.個人的にも全く納得がいかない.
ぼくが作りたい作品は,数学的背景を知らずに見ても一目で惹きつけられるような作品だ.


どうすれば“グラフ”は“アート”になるのだろうか?
過去1つだけマスアートとして発表した作品は,そもそもグラフなど無い概念をテーマにして作品を作った.

ではグラフのある概念は如何にしてアートになるのか.
鍵は,表現技法だと思った.


となると,マスアートに有効な表現技法を探る必要がある.
そこでずっと行き詰まっており,まだ答えは見つかっていない.

今のところ,とにかく既存のアートを数学的に分析することで何か学びがあるのではないかと思っているので,まずはそこから手をつける.

まだまだ道は長い.

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