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第2回 INSEADでの学び(2024年3月から2025年3月まで)を綴ります。なぜINSEADなのか?


前回の投稿で、学び直すことの必要性を述べました。今回は、なぜINSEADのLead the Future Programを選択したのかを説明します。

結論から言うと、私の以下の基準を最も満たしたのがINSEADのLead the Future Program(https://www.insead.edu/executive-education/open-online-programmes/lead-future)でした。

  • 自分のこれからの活動をもっとダイナミックかつグローバルに展開できる

  • オンラインで授業に参加できる(=現状の業務に支障をきたさない)

  • Alumni資格を得ることができる

自分のこれからの活動をもっとダイナミックかつグローバルに展開できる

海外の大学院を検討する中で、アメリカには名門大学が数多く存在します:ハーバード、MIT、シカゴ、ミシガン、ペンシルバニア、イェール、コーネル、ニューヨーク、コロンビアなどです。これらの大学全てのプログラムを調べたわけではありませんが、これらの大学と比較して、特にINSEADが優れているわけではありません。MITやシカゴのプログラムも確認しましたが、これらの大学も素晴らしいプログラムを提供しています。

それでは、なぜINSEADがこの中でも随一だと言えるのか。それは「Diversity」です。MBAプログラムの本場はアメリカであり、ビジネスの中心地であるアメリカには世界中から優秀な学生と教授が集まります。これがアメリカMBAの競争力の源泉です。この競争力は、米国の名門大学の集合体によって醸成されるものですから、他の国のMBAがこれに対抗するのは難しいです。

私が参加したLead the Future Programの同期は約70名で、国籍ベースで29カ国からの学生がいます。これは今年に限ったことではなく、INSEADはMBAにおいても、エグゼクティブプログラムにおいても毎年このような多様性を実現しています。一因として、キャンパスを3拠点(パリ、シンガポール、ドバイ)に構えていることが挙げられるでしょう。

私は前職で日産自動車に勤務していました。日本でDiversityが進んでいる企業の一つです。しかしINSEADのDiversityはさらに進んでおり、誰もがMinorityであるという点が異なります。Minorityの集合体としてのDiversityは、国連機関など特定の組織を除いては稀でしょう。日産自動車も多様性は進んでいますが、主要な国籍は日本、フランス、アメリカです。海外のビジネススクールには多くの国から学生が参加していますが、どこかの国籍がMajorityを占める傾向にあります。INSEADでは、最も多い国籍がフランスであるかもしれませんが、彼らもMajorityではありません。

オンラインで授業に参加できる(=現状の業務に支障をきたさない)

オンラインで授業に参加できることも、私にとっての必須条件です。現在、日本に拠点を置く会社で勤務しており、頻繁に大学キャンパスに通うことは難しいです。多くの大学のプログラムもオンラインコースを設置していますが、時差の問題が起こります。その点、INSEADはパリ、シンガポール、ドバイにキャンパスがあり、これらの拠点の時差を考慮したビジネスアワーに授業が開催されます。シンガポールと日本の時差は1時間であり、ライブの授業も夕方や夜8時頃からの開始で、夜の12時には終了します。これなら十分に参加できますし、現状の業務に支障をきたすことはありません。仕事の勤務時間に授業が設定されることも限定的です。これがアメリカのビジネススクールに通うことになった場合、そうはいかないでしょう。全ての授業が録画されているとはいえ、やはりライブで授業に参加し、教授に質問したいし、クラスメートとも議論を楽しみたいためです。

個人的な推測ですが、エグゼクティブ向けのオンラインプログラムがこれまで普及したのは、コロナによるものでしょう。多くのエグゼクティブプログラムは、通常の勤務を続けながら、プログラムの期間中に大学キャンパスを訪れて学ぶものでした。しかし、コロナのために国際間の移動が難しくなり、大学としてオンラインプログラムを提供することを始めたのではないでしょうか。この恩恵はとても大きいと思います。日本にいながら海外名門大学の授業を受けることができる環境が整っています。今現在、本当に多くの大学がオンラインプログラムを提供していますし、Coursera、Udemyなどでも実に素晴らしいプログラムを受講できます。これは声を大にして伝えたいです。私は今はINSEADのプログラムで忙しいので他の勉強をする予定はありませんが、修了後にはすでに受講してみたいプログラムがいくつかあります。優秀な教授、素晴らしい方の授業を数百ドルで受講できる環境があることは本当に素晴らしいです。そして、エグゼクティブプログラムは費用がとても高額であり、企業スポンサーでなければ支払いが難しいです。INSEADの費用は€142,000 (VAT免税)であり、約2400万円、このような金額を個人で負担することはとても難しいです。これに対して、Lead the Future Programは€19,950、約350万円ということで自費で支払えると判断しました。

Alumni資格を得ることができる。

プログラム修了後、3年間はAlumni資格を享受できます。そしてその後もいくらかの費用を負担すればこの地位を継続できる、というのが規定です。

Upon completion of the programme graduates will gain alumni status for a period of 3 years. Following which a minimum annual membership fee will be required to maintain the status thereafter.

日本のMBAと海外MBAの大きな違いの一つは、Alumniの充実度です。より端的に言えば、データベースの充実度です。私が卒業した早稲田大学も早稲田MBAもOB会は実在はしていますが、海外のAlumniと比較すると圧倒的に足りないです。Alumni活動の充実、データベースの開設は絶対に取り組むべき事項だと思います。

知り合いの方のハーバードビジネススクールのAlumniページを拝見する機会があり、非常に驚きました。Alumniページからはメンバーの検索ができて、それをベースにコンタクトができるのです。同じ同窓からのコンタクトであり、これはLinkedInなどのサービス利用で繋がるのとは異なります。

早稲田大学も日本の大学の中では、比較的に母校愛の強い大学であり、各地に稲門会という早稲田のOB会がありますが、せいぜい名簿を編集している程度であり、複数の学年を超えたデータベースを管理、活用しているところまでは至れていません。定期的に会合と会食を開催してはいますが、お会いした人としか情報交換できないというところが実情であると思います。

おそらくはINSEADも上述のハーバードビジネススクールと同様のAlumniサービスがあるものと推定します。私はまだプログラム受講中であり、Alumni資格はありませんが、来年3月の修了以降は資格を得ることができます。INSEADのAlumniは179カ国、68000名に及びます。これを利用して、私のビジネス、活動範囲をよりダイナミックに展開していきたいと思っています。

まとめると、世界中にネットワークができて、優れた教授、優れた仲間たちとオンラインで学べて、修了後にはAlumni資格を得ることができて、€19,950、350万円、皆さんはどう思いますか?私は、Worth to pay and challengeと判断しました。


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