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孤独について

ロサンゼルスに到着し、学校に通い始め、すでに一ヶ月以上が経ちました。

時間が経つのをとても早く感じ、それは充実感からくるものなのか、それとも必死に毎日課題や新しい環境に追われているからなのか、わかりません。

新しい人に出会い、新しい場所に赴き、たくさんの刺激があり、自分自身の中で気づくことや、感じることもあります。


そんな感情のうちの一つが、孤独です。

わたしはミュージシャンや俳優を目指す同年代の人たちとシェアハウスをしています。常にリビングには誰かしらがいて、ギターを弾いていたり、お酒を飲みながらおしゃべりをしたり、カードゲームをしていたり、それぞれの時間を過ごしています。

わたしもその人たちと共に暮らして、一人ぼっちになることはありません。ですが、ずっと孤独という感情を持っています。

まず、わたしが思うのは、孤独とは物理的にも精神的にも存在しているんだと思います。

物理的に、新しい場所に移住し、友達も知っている人もいなくて孤独。

精神的に、周りに人がいるからこそ、孤独。

わたしは周りにたくさんの人がいますが、精神面から見てずっとひとりぼっちだと感じています。

孤立している、つまり、はみ出してしまっている、というものでもないと思います。寂しい、と感情でもあるでしょうが、それよりも、どこにいても一人だと感じるのです。

シアトルにいた頃も、そのように感じていました。パーティーで何十人という人たちと会い、お酒を飲み、楽しく話しましたが、一番落ち着くと感じたのは、トイレに入り、一人で便座に座ったときでした。

小学生のころ、友達が誕生日を祝ってくれ、家で遊んでいるとき、急に悲しくなって端に座り込んだり。

わたしには明確な言葉が見つけられず、寂しい、という言葉ではないんだろう、ということは感じていました。


生まれて、死ぬときも、人間は一人だ、という言葉を聞いたことがあります。

誰かと同じ景色を見て、同じ瞬間に生まれ、死ぬことは誰にもできません。

それをずっと感じていたのかもしれない、と思うようになりました。


孤独、というのは、周りに人がいるからこそ感じる、贅沢な感情なのかもしれません。

例えば、ターザンが実際に存在していたとします。森の奥で暮らし、一人で生活をする。人間的な関わりや思考を持たず、生をひたすら全うする。他の人と関係したことのない人は、それが孤独かどうかもわからないと思います。

私たちは、生まれてから周りに人がいて、違う環境で、学校に行ったり、人と関わって暮らしています。友達ができたり、恋愛をしたり。そこから、一人ではない状態を知り、その対として孤独を知るのだと思います。

なので、孤独だと感じるのは、あまり悪いことではないのかも、と思います。

すなわち、周りに人がいて、わたしが他の人と関わって安心した経験がある、ということなのだと思います。


孤独というのは良くも悪くも、自分自身を見つめさせるものだと思います。



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