カマキリ先生と吉本ばななさん

NHKで人気番組となっている「昆虫すごいぜ!」を毎回見ているのですが、先日放送された「昆虫やばいぜ!」の回ですごく心に残っている言葉があります。
この回では、香川照之さん扮するカマキリ先生が昆虫王国コスタリカに行き昆虫を捕獲しまくる傍らで、今昆虫界に訪れている危機について触れられています。
現在、昆虫はその数がどんどん減っていて、その内人間にも影響を及ぶとのこと。それは、花粉を運ぶ虫がいなくなり食糧難になること、動物のフンや死体を分解する虫がいなくなりそこから病気が広がるということなど…そこでカマキリ先生が言った言葉がこれです。

「彼らは自分たちのためにも尽くすけど、人のためにも尽くす」

昆虫たちにとって、花粉を運んだり動物のフンや死体を分解したりすることは彼らが生きる上でやっているごく普通の行動です。それが回り回って僕たち人間の生活を守ってくれているということは、僕たち人間にも学ぶ点があるなぁと思います。

「自分を極める」

吉本ばななさんの著者「おとなになるってどんなこと?」で、人生を生きる目的についての記述があります。

ではなにをするために人は生まれてきたかというと、私は、それぞれが自分を極めるためだと思っています。
人がその人を極めると、なぜか必ず他の人の役に立つようになっています。そんなふうに人間というものはできているんだと思います。

人それぞれが得意なこと、できることは違います。それぞれが自分を極めるということは、それぞれが得意なこと、できることを伸ばしていくということだけではないと思います。何かを「極める」というと、専門分野のプロフェッショナルになるということをイメージしがちですが、自分が普段当たり前のようにやっていることを自覚し研ぎ澄ますことも「極める」ことだと思います。自然と場の空気を読めるとか、人見知りをしないとか、こういう自分の性格を知ってそれを活かすことも「自分を極める」ってことないんじゃないかなぁと。

自分にとっては「そんなこと?」というものが、誰かの役に立っていたり、救いになってたりするもので、先ほどの昆虫の話ともリンクしてきます。自分が自分であるだけで、誰かの役に立つってすごくステキなことだと思います。生きる目的は人それぞれですが、「自分を極める」っていうのも選択肢の一つとしてアリじゃないでしょうか。