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2022年の読んでよかった本まとめ

今年読んでよかった本の書評(読書メーターの感想)をまとめておきます。今年は1年で213冊の本を読みました。1年で読んだ数としては、過去最高記録です。
私に出会ってくれた本たちに感謝です。

●小説部門

1位 小説の神様/相沢 沙呼

この作品の主人公の一人、千谷の心情が強烈です。小説を書いても評価を得られず、自分のことを認められないその感情の激しさに自分に中にもある感情が共鳴してめちゃくちゃ心を揺さぶられました。小説を諦めたいけど諦めきれず、作品や自分を否定し続ける姿は対象こそ違えど、誰もが経験のあることではないでしょうか。 
主人公2人も魅力的ですが、周りのキャラも良かったです。特に、千谷の友人の九ノ里が最高です。彼のような友人がいるからこそ、人は再び立ち上がり歩みを進めることができるのだと思います。

コメント)
「なんでもっと早くに読まなかったのか」と心底思った本。読書好きはぜひ読んでほしい。

2位 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか/大森 藤ノ

最初にタイトルを見たときは、ヒロインがたくさん出てきてハーレム的なのを作る物語なんだろうかと思い、読んでいませんでした。しかし、そこには王道のファンタジーがあふれていました。(だまされたと思って3巻まで読んでほしい)
このラノベにハマるきっかけとなったのは、宿敵と戦う場面での独白。
「冒険を、しよう。この譲れない想いのために。僕は今日、初めて冒険をする。」
困難を乗り越えるために強敵に挑む姿。これこそがいつまでも少年の心を引き付ける要素なのではと思います。自分は最近何か「冒険」をしただろうか。困難な課題に取り組んだだろうか。新たなことにチャレンジしただろうか。主人公の姿を見て、そんなことを考えさせられました。

コメント)
年内で最新刊まで追いつきました。毎巻毎巻、激アツです。

3位 invertⅡ 覗き窓の死角/相沢 沙呼

【あらすじ】
城塚翡翠シリーズ。今回は犯人目線で物語が進む倒叙集の2作目。 
【感想】
収録されている2本の内、表題作でもある「覗き窓の視覚」での犯人と翡翠のやり取りが印象的でした。「人を殺す理由」、「人を助ける理由」、それぞれの信念や正義を語り合う中で自分はどうだろうかと問いかけながら読んでいました。自分は自身の信念や正義を貫けるのか。そんなことを考えさせられた一冊でした。

コメント)
最初の衝撃が忘れられずシリーズを買い続けています。このシリーズは表紙も最高です。絵が好きすぎてイラストレーターさんの画集も持ってます。

4位 キノの旅/時雨沢 恵一

旅人キノと相棒のエルメスが様々な国を旅する連作短編集。 
「人の痛みが分かる国」
人の考えが分かるようになった人たちが住む国。物語を読んで、言葉という不自由なものを使わなければならないからこそ、人はコミュニケーションを大切にするのかなと思いました。大変だからこそ通じ合ったときの喜びはひとしおなのだと思います。
 「平和な国」
戦争が続いていた国が今は平和な国へ。その裏には、犠牲になるものが変わったことが関係しています。現実でも同じようなことは起きていると思います。自分がそれに加担していないか、考えさせられました。

コメント)
仕事の取引先さんから紹介された本。毎回訪れる国の個性にいろいろ考えさせられます。

5位 あさ・朝、ゆう・夕/谷川俊太郎

「朝」をテーマにした絵本と詩集が一緒になった一冊。
 「朝のリレー」は名作。この詩を読むだけで世界とのつながりを感じることができます。言葉が持つ力は偉大です。 タイトルが「朝」ということで、起きてすぐに読んでみました。私は「朝」という言葉から「はじまり」を感じます。昨日とは違う何かが始まる。それが良いものも悪いものも。それでも朝日や朝の空気の清々しさから、良いものの方をを連想せずにはいられません。 「朝」という一つの言葉からこれだけのことを感じさせるという意味で、やはり言葉の力は偉大だと思います。

「夕」をテーマにした絵本と詩集が一緒になった一冊。 
冒頭の「ある世界」という詩が印象的でした。昔の人たちは夕焼けに何を思ったのだろうかと思いを馳せました。科学的にいろいろ分かってしまったからこそ、失われたものもあるんじゃないかなと。 自分は夕焼けを見るとなんだか切ない気持ちになります。「終わり」というものを強烈に感じさせられます。ですが、この気持ちは詩集にある「しずかなきもち」というものなのかもしれません。日中高まっていた感情が静まっていく感じ。そう思うと悪くないなと思います。

コメント)
初めて詩を題材にした本を買いました。改めて言葉のすごさを感じます。

●ビジネス書・新書部門

1位 心はどこへ消えた/東畑 開人

臨床心理士の著者が書いたエッセイ集。
カウンセリングに訪れるクライアントたちのお話に触れると、心について考えさせられます。 彼らの話を通して、自分の心というものは自分の目にはなかなか見えないものなのではと思いました。他人との対話を通じて、自分の心というものが徐々に見えてきます。対話に限らず、誰かのエピソードを聞いたり読んだりしても同様のことが起こります。誰かの心に触れることで、自分の心やその動きを感じることができる。本書の「心が一つ存在するのに、心は必ず2ついる」というのは、そういうことなんだと思います。

コメント)
心を病んだ人たちとのやり取りから、いろんなことを感じました。「心」というものについてより興味がわきました。

2位 リセットの習慣/小林 弘幸

医師が教える心や体をリセットする99の行動術がまとめられた一冊。 
本書での「リセット」の考え方がとてもステキでした。「常にスタートを切ること」「今から何ができるか」と、終わりに向けての行動でなく、スタートを目指して生きるということが心に残りました。嫌なことはどうしても「早く終わらないかな」とか、いつまでも心に残ってモヤモヤしてしまうものです。私を含めそういう想いにとらわれて引きずってしまいがちの方は、ぜひ本書の行動術を一緒に試していってもらえればと思います。

コメント)
後悔多め、いろいろ引きずりがちな自分には常に意識しておきたいことです。「リセット」大事です。

3位 夜と霧/ヴィクトール・E・フランクル

著者が世界大戦時の強制収容所に入れられていたときの記録。人間としての尊厳が奪われていく中、生き残れた人と生き残れなかった人との対比から「生きることの意味」について触れられています。 
自分がなぜ生きるのかを知っている者が、この過酷な環境でも生き続けることができたのだと書かれています。印象的な一節で、「人は強制収容所に人間をぶち込んですべてを奪うことはできるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない」。この振る舞いとは自分の生きる意味の表現だと思いました。

コメント)
ずっと読みたいと思っていた名著。辛いことも人生の一面みたいなことが書かれていますが、「そんなのわかっているよ」と思いつつも受け入れられない。難しいですね。

4位 「普通がいい」という病/泉谷 閑示

人が自らの個性を潰して、「普通」の人へとなってしまうことについて様々な視点から考える一冊。 
本書で、「ニーチェが人間の成熟していく変化を「没落」と表現した」とあったのがとても興味深かったです。以前読んだ坂口安吾の「堕落論」では、堕落することで自分自身を発見できると書いてあったのと通じるものを感じます。「落ちる」ということはネガティヴな印象を受けますが、自分の中に落ちると捉えた時、それは自身の内面を深掘りするということを表しているのではないかと思いました。

コメント)
ニーチェの「堕落論」とのつながりを感じたときは震えましたね。これぞ読書の醍醐味。

5位 積読こそが完全な読書術である/永田 希

多数の読書に関する本を引用しながら、積読だけではなく読書というもの全般に関して書かれた一冊。 
「なぜ積読が読書と言えるのか」という疑問から手に取りました。本書を読んで、本を買って積んでおくという行為は、いつでも自分の関心のあるテーマの情報にアクセスでき、かつその環境を作る行為だと知りました。本を読んだとしても、その内容全てを理解・記憶できるわけではありません。そういう意味では、読書をして自分の中に知識を入れるよりも、外部メモリとしてある積読の方が、読書としては優れているのかもしれないと思いました。

コメント)
これを読んだことで積読が怖くなくなりました。積読がはかどってます。

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今年は年間200冊を目標にしていました。その目標を達成するために、最初のころは読書に関する本を読みあさりました。
途中からは、kindle unlimitedでラノベを読みあさり、、、そういう軽い物語に今年は癒されていた気がします。物語の力は偉大です。

皆さんのオススメの本とか、本の感想とかもらえたら嬉しいです!

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