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オススメしたいラノベの話

秋と言えば、読書の秋。せっかくだから本を読もうという人も多いのではないでしょうか。

そうは言ってもこれまで本を読むことが少なかった人にとっては、「本を読むとなると気合いを入れて読まないと」とか「本を読むってなんかヘビーだよな」となかなか一歩を踏み出すことができない方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回はライトな本、ライトノベルの中での私のおすすめを紹介したいと思います。(巻数は投稿時点でのものです)

1.本好きの下剋上

【あらすじ】
現代日本に暮らす主人公は、念願である図書館への就職が決まった日に亡くなってしまう。もっと多くの本を読みたかった、そんな未練を抱いた彼女は気が付くと異世界の幼女としての体を持っていた。物語の舞台は中世ヨーロッパ風の魔法もあるファンタジーの世界。その世界の現代知識を活かした本づくりに奮闘する。(既刊29巻)

私がライトノベルを読み始めるきっかけとなったシリーズ。本好きの自分としては、タイトルに惹かれたのは言うまでもありません。

このシリーズは本当に魅力的なキャラクターが多く登場します。主人公が自分の夢のため、その道を切り拓いていくのはもちろん、周りのキャラクターたちもどんどん成長していきます。

それを上手く言い表していたのが、このシリーズの書評の中にあった「朝ドラ」という言葉。朝ドラは、主人公の半生・生涯を中心に、それをとりまく家族や家庭を描いたホームドラマの体裁をとっていますが、本作はまさに朝ドラの要素を持っています。朝ドラのような人間模様と爽やかさが本当に魅力的です。

シリーズ前半は本が希少な世界で何とか本を作ろうと奮闘する姿が描かれ、ストーリーが進んでいくに連れその身に宿った知識や魔力を利用とする者に翻弄されていきます。そのような環境の中、自身の大事なものを守るため、時に大切な人と別れ、時に強大な敵に立ち向かう。その姿に何度も涙しました。

既刊数が多く今から追っかける人は大変かもしれませんが、めちゃめちゃオススメのシリーズです。

2.薬屋のひとりごと

【あらすじ】
架空の帝国(中華風)を舞台に、後宮に勤める官女が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解決していく。(既刊11巻)

後宮が舞台ということで、女性同士の陰謀が渦巻き様々な事件が起こります。宮廷の女官狩りでたまたま連れてこられた主人公の猫猫(マオマオ)が、持ち前の薬学(と毒)の知識でそれらの事件を鮮やかに解決していきます。

若干ネタバレかもしれませんが、それらの事件一つ一つがつながっていき、より大きな陰謀へと帰着します。猫猫もそれらの事件に関わってしまったばかりに、女官であるにも関わらず宮廷の上層部とも関係を持ち、国家レベルの問題にも巻き込まれていきます。

事件の解決パートでの様々な薬学知識も興味深いですが、政治的な要素も面白いです。猫猫と共に行動する為政者が苦労人で、様々な問題を持ち込まれ(押し付けられ)ます。彼に対しての猫猫のこの言葉なんかは、ものすごく彼の苦労が表現されていると思います。

為政者は国に何が起こるか先読みし、あらかじめ原因となるものを潰していかねばならない。できなかったら責めたてられ、できたとて当たり前と、ほめられもしない。(小説「薬屋のひとりごと」10巻より)

ミステリーの要素だけでなく、政治的な面白さも味わえる一冊です。

3.転生したらスライムだった件

【あらすじ】何という事もない人生を送っていた主人公は、通り魔に刺されその人生に幕を閉じたはずだった。ふと気がつくと、スライムに転生してしまっていた。最弱と名高いモンスターである事に不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する彼だったが、天災級のモンスターと出会ったことで運命は大きく動き出す。(既刊18巻)

一番最近読んだラノベです。ハマってしまいアニメも全部観ました。

本作の魅力は主人公のスライムによる国づくりですね。自分が望む世界を作るため、仲間になった魔物や人間たちとどんどん国を発展させていくのが見ていて面白いです。バトルパートもちょいちょいありますが、主人公とその配下たちが規格外すぎるので私としてはそちらはおまけみたいなもんです。

アニメではそこまですすんでいませんが、「領土掌握編」「魔都開国編」(小説では8巻と9巻)がお気に入りです。主人公が作った国がいかにすごいかが分かる話となっております。

スピンオフ作品もいくつかあり、いい意味で余白がある作品だと思います。そちらも今後は読みたいなぁと個人的に思っています。

4.ティアムーン帝国物語

【あらすじ】崩壊したティアムーン帝国で、わがまま姫と蔑まれた皇女は処刑されたはずが、目覚めた彼女は12歳に逆戻りしていた。第二の人生を送ることとなった皇女はギロチンを回避するため、帝政の建て直しを決意する。(既刊8巻)

最悪の未来を回避するため主人公である皇女が奮闘するのですが、元がわがまま姫だったので少しずれた行動をしてしまいます。ですがその行動を周りの優秀な家臣や友人がうまい具合に勘違いして、良い方向へと持っていってくれます。その勘違いっぷりが気に入って読み続けている作品です。

今回紹介した作品の中では一番ライトな(読みやすい)作品だと思います。ただその中でも国の政治や事業に触れるシリアスな話もあり、考えさせられる部分があります。

「そも、世界を作るものとはなにか?それは人だ。人が町を築き、国を築き、文化を築き、学問を築く……。では、人を支配するものは何か?それは心だ。あるいは、その者の持つ価値観だし、世界観だし、信仰なのだ」(小説「ティアムーン帝国物語」6巻より)

他にも「自分が〇歳に戻ったら何をしようかなぁ」と想像しながら読むのも面白いかもしれません。

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今回紹介した4作品はすべてコミカライズ(マンガ化)もしていますので、いきなり小説を買うのではなくそちらを立ち読みしてから検討してみてもいいかと思います。

ライトなノベルでも読書は読書。ぜひ読みやすい作品から読書の秋を楽しんでほしいと思います。