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教育機関でエンゲージメントカード~実践&アイデア集~

最終更新日(2023年8月23日)

トリプルバリューが販売しているエンゲージメントカードを本校では活用している。学校の中でどう使うかと言われると、本当に色んな場面で使うことができる。

メインの使い方は、もちろん生徒の自己分析。
他の場面だと、進路指導、読解の分析、シナリオの作成(部活)
教員内だと年度初めのチーム作りや目標のすり合わせ。

このページでは、そういった使い方をまとめていき、随時、更新していきたいと思う。エンゲージメントカードの導入をお考えの学校や先生にとって、少しでもお役に立てば嬉しく思う。

エンゲージメントカードとは?

 ひと言でいうと多種多様な価値観がのっているカード。

①教育活動(基本)

定期的に行う自己分析の活動は、こちら。
1学期のテーマ:(現在)今大事にしている価値観は何?
2学期のテーマ:(未来)3年後の自分が身についている価値観は何?
3学期のテーマ:(過去)この1年、学校で過ごしてどんなことに気づいた?

【ポイント】
活動を通して、自己分析につながるがメインの目標だが、そこに必ず他者から承認に関わる活動を組み込む。自分がどう思っているか、他者からどう思われているか、その部分をも意識できるよう活動を考える。

番外編
 本校では、1学期の授業参観&PTA集会の日に、1学期のテーマでカードを使用しています。保護者の方にとっても、自分の子どもが今、どのようなことを考えているかが見えるので、子どもの成長を再確認できる場となっています。PTA集会時の1つの取り組みとしても興味深いと思います。

具体的な活動の紹介は、こちらから。

授業スライドはこのような形

②教育活動(進路)

 進路を考えた場合、例えばある大学への進学したい、ある目的のために奨学金にチャレンジしたい、そういう場合には、必ず志望理由や自己アピールを考える必要がある。
 そんな時には、カードで「今、大事にしている」ことの価値観を考える。そして、「あなたの長所は何ですか?」という質問が来るなら、それをベースに答えていく。

今年度は1学期に本校で、希望者の留学プログラムで面接試験があったため、生徒たちは1学期に行った内容をベースに、面接で聞かれる内容を想定し、練習していました。

③教育活動(部活)

 演劇部とESS部を担当していますが、何度かシナリオ作成で使いました。部活を問わずですが、何か物語をつくるという時に役立ちます。

【部活動の内容】
演劇部の活動
 ⇒オリジナルの台本を作成し、舞台を作り上げる。
ESS部の活動
 ⇒オリジナルの台本を作成し、シナリオリーディングコンテストへ

方法:シナリオを考える生徒たちが集まり、新しく作成するシナリオで、『何をテーマにするか(伝えたい内容は何?)』で、カードを選んでいく。カードが選び終わった後は、そのカードを似たグループに分類していき、最終的にシナリオで、伝えたいことを決めていく。

相互理解も行いながらできるので、共通認識を持つという意味でも良かった。加えて、1からシナリオを作成するのは非常に難しいので、こういう価値観からアプローチしていくと、アイデアもでやすくなる。

昨年度のESS生は、図書館の司書さんに選んだカードをみせて、手本になるような本を教えてもらい、そしてそれを現代版にしてみたり、○○バージョンにしてみたりなどを試して、最終的にオリジナルのものを作成していました。

ちなみにさっとカードを引き、考えるとこういう感じ。

例:志・野心、好奇心、行動、楽観主義、信頼、成長
 バレエで世界大会出場を目指す、志の高い高校生がいた。彼は好奇心旺盛で何でも思ったことは、すぐに行動をおこす。しかしそんな彼に周りのメンバーは不信感を頂き、ついていけないという。この話は、そんな彼が、どのように周りから信頼を得て、成長していくかの物語である。

④教育活動(教科)

 *こちらはまだ未実施で2学期に試そうと考えている内容

 国語や英語で、何かの読みもの、特に小説やお話(評論以外)を読んだ時に、その物語で著者が伝えたいことは何かを分析。さきほどのシナリオ作成の反対のパターン。映画の内容でも上手くはまる。

例:桃太郎で伝えたいことは何かカードを選びなさい。

友情・仲間、多様性、成長、協力、冒険

そんなテーマでカードを選び、なぜ選んだかをグループで討議する。話し合いによって、その文章の内容理解も深まるのは間違いない。

きっと読書感想文を書く際にも、同じことをやると新しいアイデアが生まれると思う。

⑤教員(4月の辞令時期)

 4月になると学年団やコース団に新しいメンバーが入ることが多い。そういう場合には、自己紹介をかねて、大事にしている価値観でカードを実施。年間に学校で何度か使っていくので、その練習になもなる。
 加えて、こういうカードを通して自己紹介を行うと、付き合いの長い同僚だったとしても、新しい発見がでてくる。

『え、先生、そうなの?』

そんな発見もあり、認め合いもあり、チーム作りの初めとして非常に有効。

⑥教員(目標のすり合わせ)

年度が変わると、チームメンバーも変わり、目標を再設定する。
4月によくあるのが、今年の学年目標を決めよう。

そんな時にもエンゲージメントカード

テーマ:『何を生徒たちに伝えたいか、身に着けて欲しいか』

昔からのメンバーは、昨年度の取り組みを踏まえて、何を身に着けて欲しいかを考えて実施。最初に個人で行い、最後にグルーピング。

今年度はこういうカードになりました。

好奇心(冒険・ワクワクする)
調和(尊敬・多様性・心の広さ)
向上心(挑戦・革新性)

グルーピングの結果!
みんな伝えたいことは大体同じ。
向上心!調和!好奇心!

前向きな姿勢で、楽しく、周りのことも考えて動ける生徒になって欲しい。新学期が始まる前にチームの意見を聞き共有し、意識の統一ができた良い機会でした!


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