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サンキューカードの課題と期待すること

前回は救命現場でもらったサンキューカードの配布枚数や配布率について、今回はそこから見える課題とこれから期待することについてです。


サンキューカードは現場の隊員の負担?

応急手当をしたバイスタンダーに配られているサンキューカードですが、救急の現場でバイスタンダーに状況を聞いた後に配られています。近年、下表にあるように救急車の出場回数は増加していること(前年比16.7%の増加)と、現場への到着時間が増加していること(令和4年の全国平均が10分超)が社会課題になっています。そんな環境下で、現場の隊員は次の現場に行く前の時間を使って、バイスタンダーにサンキューカードを配布しているわけですね。

「令和5年版 救急救助の現況」から図4:事故種別の救急出動件数
「令和5年版 救急救助の現況」から図11:現場到着所要時間及び病院収容所要時間の推移

とすると、次の現場で待つ傷病者と目の前にいる元気なバイスタンダーを天秤にかけると、次の現場に急ぎたくなる気持ちも分かります。これが、現実的な配布枚数や配布率が低い原因ではないかと考えます。
でも、それでよいのでしょうか?それではいつまで待っていても、配布率が上がるとは思えません。現場の隊員により負荷がかかることは、それはそれで問題です。であれば、サンキューカードの内容にもっとアクセスしやすくすることが必要かと思います。サンキューカードでなくても、消防署や公的機関のHPなどを見ると連絡先が載っているなどが、対応策として考えられます。

サンキューカードの連絡にもっと簡便な方法を!

もう一つの課題としては、連絡先がいずれも最寄りの消防署になっており、電話番号が記載されていて、そこに電話するようにとなっていることです。消防署に電話するって、結構ハードルが高いと個人的に思います。「わざわざこんなことで電話してよいのかな」「消防署の方も忙しいだろうしな」と、躊躇してしまうと思います(少なくとも私はそうでした)。
敢えてハードルを高くしているのでなければ、メールで問い合わせができるとか、もっと簡単に(LINEでとは言いませんが)できる方法があると嬉しいなあと思います。
 
今日はここまで。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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