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料理をしくみ化したらQOLが上がった話

家事シェアや時短家電を駆使し、日常はまあまあ快適に過ごしている我が家ですが、一点だけなかなか解決できなかった家事がありました。

それは「料理」です。家族の全員が得意ではなく、こだわりもないのに毎日考えなくてはいけない料理。

この課題に向き合い、一つの解決策と言えそうな挑戦をしているので、noteにまとめたいと思います。大袈裟に書きましたが、そのくらいには我が家の食生活にパラダイムシフトが起きました。

こんな方におすすめの記事です
・料理がストレスでしかない
・子育てに家事にとにかく時間がない
・パートナーに家事を分担してもらえない

留意点
・節約<時間の創造を目的にしています
・料理好きな方には物足りないかも
・世の中の専業主婦や料理を頑張っている方をリスペクトしています

料理をしくみ化すると得られるもの

我が家は料理をしくみ化したことでこんな変化がありました。

  • 食品ロスが減った

  • 調味料が減って冷蔵庫・キッチンがすっきりした

  • 買い出しをパートナーや子どもにアウトソーシングできるようになった

  • 献立を考えなくて良くなった

  • キッチンに立つ時間が1日15分程度になった

  • 食材を焦さなくなった

・・・控えめに言って最高です。

この記事では、一般家庭の主婦が食事の悩みから少しでも解放されたい一心で奮闘してきた記録を紹介しています。

料理はタスクのオンパレード

あなたは日々食事を出す担当者が、どれだけのタスクを日々こなしているかご存じでしょうか。

  • 献立を決める

  • 購入する食材を洗い出す

  • 調味料ストックの状況確認

  • 食材を買う

  • 買った食材を収納する

  • 食材の下処理

  • 加熱調理

  • 味付け

  • 盛り付け

  • 片付け

1度の食事でざっくり見積もっても10のタスクをこなすことになります。
これを毎日毎食やっているんです。

学生時代、よく母が朝食を食べながら「今日の夕飯何にしよう」なんてぼやいているので「まだ朝ごはんだよ」と突っ込んでいたのですが…今ならわかる。

毎朝降ってきて献立を決めるまで消えないタスクがあるストレス

当時の母はこのストレスと戦っていたのだなと思います。

自分が献立の担当になって、はじめは新婚や妊娠期の浮ついたノリで楽しめていた料理も、仕事や勉強など興味あるものが増えると日に日に負担になっていきました。

しかし、生きるためには逃れられない食事。

パートナーは独身時代、冷蔵庫に水しか入っていなかったほどの料理無精。

それでもやってみると、お料理教室に通っていたこともありました。

通い始めて4回目、コロナで料理教室が休業。先生が80歳だったこともあり通いづらく、パートナーのレパートリーは1つも増えずにこう着状態です。

パートナーのスキルアップを待つ間にも食事は必要になるので、この際思い切って仕組み化することに踏み切りました。

食事に関する3つの心理ブロック

仕事柄、仕組みにすることは大好きでしたが、今回料理のしくみ化構想を始めてからこのnoteを書くに至るまで3年近く経っています。
どうしてこんなにも時間がかかったのか。

それは、私自身にある3つの心理ブロックが邪魔していたからだったと気づきました。

心理ブロック1:食事は一汁三菜でバランスよく

しくみ化するにも何を基準にしたらいいか、栄養バランスを損なわない食事にしなければと思うと、とにかく食材の種類が多様化してしまいます。
レシピ本には和食・洋食・中華・エスニックなど多様なジャンルの食事がまとめられ、ジャンルに合った調味料を揃え、そこに1日に必要な栄養素などまで考えると、標準化は不可能でした。これは給食センターの仕事です。

ご飯に汁物、メインに小鉢といった一汁三菜の思考も邪魔していつまでもしくみ化が進みませんでした。

そんな中、料理研究家の土井さんが提案する「ご飯と具沢山の味噌汁だけでいい」という考え方を知り、「ご飯+具沢山の何か」だけでも十分献立になるのだという考え方になりました。


心理ブロック2:1日3食必要

成長期の食生活から量は減ったものの、朝昼晩はしっかり食べないと頭が働かない、と長年思い込んでいました。
しかし30歳を超えたあたりから、夕飯は早めに食べているのになぜか毎朝胃もたれをするように。

そんな時に「16時間断食すると調子が良くなる」という断食方法を知りました。
試してみたら胃もたれが数日で改善し、集中力に特に変化はなかったので、朝は子どもとパートナーだけ食べる生活にシフトしました。
YouTubeや本でたくさん紹介されているのでぜひ参考にしてみてください。


心理ブロック3:手作りが当たり前

私の母は、レトルトや出来合いのご飯を出すたびに「ごめんね」と言う人でした。(別にいいのに)と思いつつ美味しく食べていたのですが、自分が食事を出す側になると、出来合いのものに抵抗を感じるようになりました。
どうしてもつくる時間や元気がない時の最終手段、という感覚になり、お弁当も手作りじゃないと恥ずかしいという意識もありました。
アスパラに塩胡椒して焼いただけの料理もパートナーから「これは料理じゃないよね」なんて言われてあははは〜と笑っていたのですが、今ならお尻を叩いて「立派な料理じゃ!」って叱れます。

最近しゅりさんに紹介してもらった本、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』にも料理や生活様式の歪さがデータとともに紹介されていますが、日本の「料理した」の基準値って、高すぎません?


料理や食事って育った環境の影響を大いに受けています。完璧な母のもとで育った夫を持つ知人は軒並み料理のダメ出しに苦労していますし、「自分がしてもらったこと」からあまり変えたがらない人や「自分がしてほしかったこと」を取り戻すために果てしない熱量を注いでいる方もいますよね。

それは食事が1日3回毎日繰り返される強力な刷り込み行為かつ「こうして自分が出来上がった」という経験からくる自信や思い込みを生みやすい特性があるからだなあと考えています。


家庭を持って、違う環境で育った人と一緒に食事するようになり、
自分がどんな食事スタイルを送りたいのかを見直すとたくさんの発見がありました。



体に良い食事って実はシンプル

ここからは料理をしくみ化するにあたり、私の常識に大打撃を与えてくれた本を紹介します。

この本では、5つのエビデンスが採れた「化学的に体に良い」とされる食事が実は超シンプルだったこと解説しています。

数多くの信頼できる研究によって、本当に健康によいと考えられる食品は、次の5つであることがわかっている。(1)魚、(2)野菜と果物、(3)茶色い炭水化物(詳しくは後述)、(4)オリーブオイル、(5)ナッツ類である。

逆に健康に悪いとわかっているのは、(1)赤い肉(牛肉や豚肉)と加工肉(ハムやソーセージ)、(2)白い炭水化物、(3)バターなどの飽和脂肪酸、以上の3つだ。

『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』

著書の中では、体に良いと言われてきた「和食」は実は糖分&塩分過多でそこまで体に良いわけではなく、化学的に体に良いと言われているのはオリーブオイルやナッツを中心の「地中海食」であると紹介されています。


え、体に良い食事って、めっちゃ簡単じゃん!!!!

そこで、私は料理のしくみ化をこの本ベースで考えることにしました。

しかし、牛肉も豚肉もバターもソーセージも好きなのでなくすことはせず、いつも食べる食材に

  • オリーブオイル

  • ナッツ

  • 野菜と果物

  • 茶色い炭水化物

を追加したメニューで調整しました。

料理のしくみ化3つのポイント

ここからは具体的に仕組みにしていきます。まずは方針を決めていきました。

1:素材&調味料を固定する

今まで無計画にレシピで美味しそうなものを見つけてはつくっていた生活だったので、
・2年前のナンプラー
・1年使いきれなかったコチュジャン
など調味料が無駄に多い状態でした。
食材も奥のものほど忘れ去られてみるも無惨な状態になっていたこともしばしば。

そこで、素材と調味料は使い勝手の良いものだけを固定にすることにしました。具体的な内容については後述する買物リストに載せています。

特に素材は下処理が必要な素材は避け、

・切る
・皮を剥く

以外の工数がかかる食材は使わないことにしました。

2:調理法にこだわる

私が最も楽だと思っている料理は「ふりかけご飯」です。

ですので、おかずも「ふりかけてできる」ものはないかと検討しました。
そして見つけたのが

・サラダミックス(もうサラダになってるからさらに振りかけるだけ)
・フライドオニオン(かけるだけ)
・ミックスナッツ(砕いてかけるだけ)
・冷凍きのこミックス(以下略)
・シーフードミックス
・ベジタブルミックス

です。皿の上、もしくはフライパンの上でふりかけるだけでできる料理を目指します。

3:誰でもできる仕組みに

最後に、料理の仕組み化で最も重要な視点です。
誰でもできる状態まで標準化する作業です。

ここまでで、素材や調理法はできる限り簡素化してきました。
家事力の高い方には「どんだけサボってんだ」と言われるかもしれません。
しかし、ここは声を大にして言いたい。

子どももできるところまで徹底して料理を標準化したいんだと。

料理の難易度が高すぎるから料理は母担当などと属人的な采配がなされてしまうのではなかろうか。

だったら誰でもできるレベルまで料理を簡素化させたい。

万が一家族のメンバーが欠けても、維持できる生活の基準を作りたい。

コロナ禍だったり病気だったりで急に母が使い物にならなくなることは可能性としてあります。

そんな時にも家族を守る術としてこの料理のしくみ化に取り組んでいるんだ。そのためにできることは徹底してやるつもりです。

例えば…

・下処理はしない
灰汁取り、下茹で、漬けおきは極力しない
切る→入れる→加熱→味付け で終わるメニューに限定する

・買い出しの仕組み化
家の食材を1つのシートに書き出しておく、土日などパートナーに買い出しを頼めるようにしておく

こちらは我が家で使っている食材リストをNotionにしたものです。
共有しますので、使えそうなところはカスタムしてぜひ使ってみてください。


・電気調理鍋の採用
ホットクックでも可ですが、単価が半分くらいなので圧力鍋で十分。洗い物が少ないものを選びました。何より火を使わないので3歳児でもカレーが作れるようになりました。



ただ、仕組みに固執してしまって食べたいものを我慢する生活は辛いものです。ですので、我が家では連休など、よく「お取り寄せ」をしています。普段の生活は楽&簡素に過ごし、たまには美味しいもの楽しむ生活は、我が家にはちょうどいいようです。

お取り寄せは仲良くさせてもらっているリナさんが詳しく紹介してくれているのでいつも参考にさせてもらってます。


参考までに:我が家の献立ルーティーン

最後に、我が家の献立の一部を紹介します。
ただし、自分や家族が好きなメニューを中心に考えた方が満足度が上がるので、参考までにご覧くださいね。
レシピはレシピ本の内容でつくっているものもあるので紹介できませんが、本をご紹介しますね。

朝昼固定

朝ご飯に向いている食材を冷蔵庫に入れているので、起きたら各自自分で準備して食べるスタイルにしています。

しらす・ソーセージ・たまご・ごはん・あさげ・ベースブレッド・納豆・キムチ・コーンスープのビュッフェスタイル・(各自冷蔵庫から準備して食べる)

夕食

夕飯は固定している食材を使ってふりかけ系おかずを駆使してつくっています。平均10分くらいで料理します。

・月曜日:茹で豚サラダ(ミックスナッツやフライドオニオンをかけてゴマドレ)
・火曜日:サバ缶大根(薬味たっぷり・大根は圧力鍋で)
・水曜日:シーフードトマトパスタ(フライパン1つでできる)
・木曜日:鮭のホイル蒸し(ポン酢とバターフライパン1つでできる)
・金曜日:カレー系(圧力鍋だけ)

飽きたら…

・月曜日:しらす丼(朝ご飯であまったら)
・火曜日:鮭ムニエル(味付けが違うだけ)
・水曜日:オムライス(余った食材+卵)
・木曜日:とりポン酢サラダ(薬味たっぷり)
・金曜日:肉じゃが

薬味たっぷりのレシピはこちらを参考にしています


それでも飽きたら
我が家はインスタントの味も大好きなので
・辛ラーメン
・麻婆春雨
・チャプチェ
・冷凍餃子

も出ます。Cookdo系食材もストックしてます。

自分が動かなくなっても回る仕組みを

いろいろ書きましたが食事ってやっぱり一番大事。
日々食べているもので自分ができていると感じる時もあります。

だからこそ、日々の活動を妨げず、健康を損なわず、自分がいなくても回る仕組みにしたいと改めて思いました。

まだまだ作るのは私がメインなので、今後は家族と交代してみたりこの仕組みも日々ブラッシュアップを重ねたいと思います。

美味しく食べて、家族には長生きしてほしいもんね。

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