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テネットとABC

テネット観てきました。
ネタバレをTwitter上で目にしてしまうかな、と思ったけど概ね「なに言ってもネタバレになりそうだし、難解すぎてよくわからんかった」という内容でぶじ(?)予備知識ゼロで観ることができました。

情報量が多く難解というのは下馬評通りで、印象としてはターミニネーターの1と2を同時に鏡写しで観せられているような気分。

時間を逆光するというアイディアはおもしろいものの、複数回観ないとストーリーを理解できない映画って娯楽作品としてどうなの?という思いと、商業的作品としては正解なのか??という複雑な感情が生まれます。

今、コロナの影響で映画公開本数が少ないし、つまらない映画をみるくらいならテネット2回目観たほうが暇つぶしになることは間違いないので・・・


個人的には、遠藤周作の『沈黙』のように、一本道しかなくひたすら突き進むだけなのに描写力が圧倒的だから引き込まれていくようなシンプルで力強いストーリーが好きなので、テネットのようなわざとらしい複雑な演出は好きになれないところがあります。

ホーキンス博士によると物質がA点からB点に直線上を移動する時、人間の視覚には移動経路は一つしかないと映るけど、目に見えない量子は気まぐれに好きなルートを通ってB点に到達するそうです。何回同じ移動を繰り返しても決して同じルートを通ることはないものの、A点からB点にたどり着く結果はかわらない、らしいです。聞いた話!

   **ここからネタバレ含まれるます**

テネットはというと、A点(映画の発着点)とB点(映画の終着点)、C点(映画内では描かれないものの未来の起点として存在する発着点)があり、AとCがBに集約する話なわけで、ただそのルートが毎回予測不能なので混乱するわけです、物語の主人公も観賞者も同様に。

上記のアイディアを映像化する発想、魅せ方には脱帽するものの、その点に注力しすぎて他のストーリーやらはおざなりになっている感が拭えません。


最後に、この映画は難解ではあるものの「感覚的に理解できる」工夫も施されていて、【色】もひとつのキーになっています。
そうだとしたら主人公が【黒幕】であるというオチに対して彼が唯一の【黒人】であることは・・・まさかそんな短絡的な話はね、とさらに複雑な気持ちになるのでした。(思えば「黒幕」は翻訳なので原語確認しなきゃだった・・)

最後の最後に、マイケル・ケインめっちゃかわいくなかった???

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