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ご近所の自然 #2

一昨日の話。

 投げ入れ花の教室で、8月にいけたカッコウアザミがまだ元気だったので、それをどうにか生かしてみたいと思い、数日前娘のファミサポさんにお願いして、鉢植えの講習をしてもらった。
 ファミサポさんは長く団地に住んでいて、そこには緑が多く、園芸を趣味とするファミサポさんにとっては天国のような場所だ。

 カッコウアザミ、それと少し前にメルカリで手に入れたジンジャーリリーの球根を携え、彼女を訪ねた。

 丹精込めた植物たちを見せてもらい、生き物の話をして、すごく幸せな時間をもらった。最後に肝心のアザミとジンジャーリリーを鉢に植えてもらい、帰り際にたくさんの千両をいただいた。赤と黄色の千両。まだ完全に緑から色が変わっていない実も混じっている。

 実の色の変わりきっていないものが、今の季節らしい、と思い、帰宅後に備前焼の花瓶や、竹の籠などにいけて楽しんだ。使うつもりの枝を切った後の、残りの枝が思いの外面白い形をしていて、備前焼にピッタリとおさまった。

 美しい。
 植物の姿に、いのちを発見した瞬間だった。

 投げ入れの林田先生が、「(川瀬敏郎先生の教室を)やめようかな、やめようかな、と思いつつも30年以上続けられたのは、感動があったから。だからやめられなかった」と繰り返しおっしゃるのを思い出した。

 これに椿かサザンカでもあると本当に綺麗だと思い、昨晩夕食の後少し散歩をして、公園などにそれらの植物がないかと探した。
 30分ほど歩きまわったが、椿どころか、花のある植物がほとんど植えられていないことに気づいた。

 椿は花がポトリと落ちてしまう。 サザンカは花びらが散り地面を汚す。毛虫がつくということもある。それらは都会人の生活に都合の悪いものだ。

 道路脇の街路樹管理を仕事としている友人が以前、「桜を植えてくれという住民からの 要望が多いが、桜は毛虫がつくから大変だ、葉が散って別の住民からの苦情の種にもなる。だからあまり植えたくない」と言っていたのを思い出した。
 椿もサザンカもみつけられなくて、都会の中の植物が、人間が管理をしやすいように植えられていることを生々しく感じ、寂しく思った。(特に東京では、桜だけは別、というのは面白いが。)

 2週間ほど前、投げ入れのお花の教室に行く前に、我が家の周りに野草はないかと探しまわった時、それまで何度となく見てきたところに、大きなタデの花畑があったことに初めて気づいた。
 椿がないなら、とそこに立ち寄ったところ、全て刈り取られていて、ハゲチャビンになっていた。
 唖然とした。タデを花だと思う人が増えたら、満開の時に刈り取られたりしないんだろうなぁ、もう枯れてたのかなぁ。

日本人の食と祈り
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