勢〆(せしめ)ゆか

食と祈りのアーティスト 柳田國男、折口信夫、宮田登などの民俗学の書籍や、宗教史などを…

勢〆(せしめ)ゆか

食と祈りのアーティスト 柳田國男、折口信夫、宮田登などの民俗学の書籍や、宗教史などを学びつつ、 伝統的な日本料理(江戸懐石近茶流)、表千家茶道、投げ入れ花のお稽古を通して、 日本人の食と祈りを「学問」ではなく「手を動かし、暮らしていく、生活の一部」として日々研究しています。

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はじめに #1

 机に座ることが嫌いだ。体を動かすことが好きで子供の頃からじっと座ってテレビを見ることすら苦手だった。  テレビを見ながら立ち上がり飛び跳ねて、自分の感情の思うままに動いていた。  大人になった今、そんな事はもうしないけれど、三つ子の魂百までで、基本は変わっていない。私の考えていることや行っていることをブログに書き、発信したいとずっと思っていたのに、机にじっと座ることができず、今日まで重い腰が上がらなかった。  和文化が好きだ。「日本」を感じるものを学んだり、お稽古をした

    • ひなまつり 雛人形はご先祖さま #14

       私が初節句を迎える頃、母方の祖父が私たち姉妹のために雛飾りを買ってくれた。なんでも大きなものが好きで、子煩悩で孫をとても可愛がった祖父は、訪れた店で最も大きな七段飾りを買ったのだろう、母は繰り返し、このお雛様はとても大きい、と言っていた。  昭和50年、高度経済成長期を経て日本は豊かになっていたし、第二次ベビーブームでたくさんの子供が生まれたから、この頃はお雛様が最も売れた時期だったのではないかと思う。  女の子の健やかな成長を祈るために家に飾るものと思われている雛飾り

      • 日本人の食と祈り  ひな祭り 禰󠄀豆子はなぜ箱の中? を公開しました

        日本人の食と祈り  ひな祭り 禰󠄀豆子はなぜ箱の中? を公開しました! ぜひお耳だけでもお貸しください♪ ::::タイトル::::::   日本人の食と祈り   ひな祭り 人形と箱 ー禰󠄀豆子はなぜ箱の中?ー ::::::講師:::::: 食と祈りのアーティスト 勢〆ゆか ::::::概要:::::: 3月3日にお人形を飾る、というこの不思議な行事。 その起源とそれにまつわる食べ物について、 深掘りしていきます。 そして話はやがて人形と箱の関係に

        • 今さら読む古事記ー淡路島はなぜ最初に生まれたのかーをyoutubeに公開しました

          今さら読む古事記をyoutubeに公開しました。 ぜひお耳👂だけでもお貸しください♪ 日本人の食と祈り今さら読む古事記ー淡路島はなぜ最初に生まれたのか :::::タイトル:::::: 日本人の食と祈り 今さら読む古事記 ー淡路島はなぜ最初に生まれたのかー ::::::概要:::::: 日本人とは何者か、を語るときに 外せないのが古事記 なんとなく知っているようで知らないお話の数々 エピソードをいくつかに絞って、要点をまとめてみました。 食の視点も入れつつ、 個人

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        はじめに #1

          火を囲む 同じ世界で一つになる どんど焼きという祭 #13

           昨日は1月15日、小正月だった。小豆粥を食べて厄除けをする風習があるが、どんど焼きという風習が残るところも少なくない。左義長(さぎちょう)とも呼ばれ、正月飾りを持ち寄り、燃やす行事だ。火を囲みながら、甘酒やお神酒を飲んだり、その火で焼いた餅などを食べるところも多い。年が明けた後の最初の祭りである。  前回の投稿、「神さまの食事 おせち料理」に書いたが、正月とは家の歳神が来訪する祭りである。その神様にお帰りいただくのが小正月だ※1。したがってどんど焼きの火は、お盆にも行う送

          火を囲む 同じ世界で一つになる どんど焼きという祭 #13

          動画 米・餅・正月 米にはじまる行事の謎 アップしました。

          日本人の食と祈り 米・餅・正月 米にはじまる行事の謎 を公開しました! ぜひお耳👂だけでもお貸しくださいませ🤗 半分くらい雑談してますけど、 17:30 しめ飾りについて 25:40 本編開始 となっております。 雑談は、お花についてです🌸

          動画 米・餅・正月 米にはじまる行事の謎 アップしました。

          神さまの食事 おせち料理 #12

           新年が明けた。明けましておめでとうございます。  江戸懐石近茶流(えどかいせききんさりゅう)をお稽古し始めてから、おせち料理は母に代わり私が手作りをしている。その少し前から母の脚が悪化し、長時間の台所仕事が難しくなっていた。引っ越す前は一軒家のダイニングルームに親戚が集まることもあったため、2年連続料理屋におせちを注文したのだが、それが嫌になる程余ったので、両親がマンション暮らしを始めたのを機に、家で作ったものだけで三段重を埋めることとし、規模を縮小したことが理由でもあっ

          神さまの食事 おせち料理 #12

          テキトーなだし巻き玉子 #11

           以前、卵料理が苦手だった。だし巻き玉子や茶碗蒸し、大好きだけど、なんとなく作るのが面倒で、その上うまく作れないと思っていて、ほとんど作ったことがなかった。  15年ほど前に一度作り方を習い、その時買った銅製の卵焼き器を、一度も使わずに置いておいたところ、その表面に塗ってあった錆止めの油が固まって、さらに手に取らない理由ができていた。  3年前に今のマンションに引っ越し、ガス調理台からIHに変わってしまった。銅製の卵焼き器は、メルカリ出品の瀬戸際まで行った。  引っ越し

          テキトーなだし巻き玉子 #11

          手を動かす暮らしの中のクリスマスツリー #10

           クリスマスツリーにオーナメントを飾った。二週間ほど前に出してきたのに、オーナメントをつけるための下地の、葉の蔓の飾りを巻きつけるのが面倒で、何度娘から催促されても重い腰が上がらなかったものだ。大事なことはめんどくさい、とアニメ制作中の宮崎駿が言っていたが、クリスマスツリーを出して飾りつけることも、そしてまずそれを飾り付けるためのガイドラインとして葉の蔓をつけることも、大事なことだ、たぶん。  このクリスマスツリーを設置するのは今年で3回目になる。2年前デパートで購入したも

          手を動かす暮らしの中のクリスマスツリー #10

          注連飾り(しめかざり)作りワークショップ #9

           先日注連飾り作りのワークショップを行なった。これは、農家の方にご協力いただいて私が主催する田植え、稲刈りイベントの、今年最後の行事だ。  昨年度から千葉県の農家さんに田んぼを使わせてもらい、娘の保育園のお友達、その保護者を中心に体験会をしており、今年度は2回目になる。  無農薬、合鴨農法、自然のまんまのお米づくりをしている農家さんご夫妻、その苦労のほんの爪の先を体験するだけでも、都会暮らしの私たちには大きな喜びがある。子供たちはカエルや沢蟹、バッタや蝶々を捕まえては大声

          注連飾り(しめかざり)作りワークショップ #9

          米・餅・正月ー米にはじまる行事の謎ー放送します

          日本人の食と祈り zoom放送のお知らせです。 ぜひご覧くださーい! :::::タイトル:::::: 日本人の食と祈り 米・餅・正月 ー米にはじまる行事の謎ー ::::::講師:::::: 食と祈りのアーティスト 勢〆ゆか ::::::日時:::::: 2022年12月17日 土曜日 午前10:00-11:00 ::::::概要:::::: 日本人ほど刈り取った稲に萌える人たちは 他にいないのではないでしょうか。 私たちにとって、米は特別な意味があるように見

          米・餅・正月ー米にはじまる行事の謎ー放送します

          クリスマスーそれはキリストの誕生日ではなかったーを公開しました

          日本人の食と祈り  クリスマス ーそれはキリストの誕生日ではなかった を公開しました。。 ぜひご覧くださーい! https://youtu.be/p151KWwhvN0 ::::::概要:::::: 今やすっかり日本人の季節行事になってしまったクリスマス。 キリストの誕生日であり、キリスト教の行事であると、固く信じられていますが、 実はキリストは夏生まれ、という説が有力なんです。 12月25日がなぜキリストの誕生日になってしまったのか、 また、キリストとサンタクロース

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          「なげいれ」の花 十一月のお稽古 #8

           青山の「花長」という山野草・茶花を扱うお花屋さんの3階に、なげいれのお花の教室がある。  花人、川瀬敏郎先生のお弟子の林田英子先生のお教室だ。今年の6月から通い始め、半年になる。  「なげいれ」の花は、華道ではない。華道やフラワーアレンジメントのように型が決まっているものではなく、山に咲くように、野に咲くように花をなげいれていくやり方の花だ。  なげいれは、人の作為を嫌う。まだ生きている枝や、花、葉を切り落としたりしない。花を「いのち」として扱い、それそのものの美しさを

          「なげいれ」の花 十一月のお稽古 #8

          ブロッコリーともやしの茹で方 #7

           先日、ほうれん草や小松菜など、青菜の茹で方を書いたところ、結構反響があった。意外と青菜の茹で方など、どこにも書いていないかもしれない。最もよく繰り返す作業は、あらためて解説されていないけれど、料理の土台となるものだからとても大切と思う。  ブロッコリーやもやしも、もちろん私は茹でている。電子レンジで良い、ともいうけれど、ブロッコリーのような美味しい野菜は、きっと虫さんも好きだから、農薬がたくさんかかってるんじゃないかな、と思い、以前は少なめのお湯で蒸していたけれど、最近は

          ブロッコリーともやしの茹で方 #7

          赤飯と、死と再生と #6

           昨日は旧暦、霜月、つまり11月の1日だった。朝食に赤飯を炊いて食べた。私だけでなく、子供たち、夫も赤飯が大好きだ。  おそらく祖母から母に受け継がれた習慣だったのだろうか、子供の頃、我が家では、毎月一日が赤飯の日だった。一日はお弁当も赤飯なので、中学生の頃「生理なのか」とからかわれたのが嫌だった。だから私にとって赤飯は大して良いものではなかった。  大人になって、もち米の赤飯に胡麻塩をふって食べた。美味しかった。うるち米で、豆も一緒に炊いてしまう大雑把な母の赤飯とは違う

          赤飯と、死と再生と #6

          クリスマスーそれはキリストの誕生日ではなかったーを放送します

          日本人の食と祈り zoom放送のお知らせです。 ぜひご覧くださーい! https://peatix.com/event/3418114/view ::::::タイトル:::::: 日本人の食と祈り ークリスマス それはキリストの誕生日ではなかった!ー ::::::講師:::::: 勢〆ゆか ::::::日時:::::: 2022年11月26日 土曜日 午前10:00-11:00 ::::::配信URL:::::: https://us02web.zoom.us/j/4

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