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【テレパシーが実現する!?】イーロン・マスクのニューラリンク(脳科学とテクノロジー)

※今回の記事は、動画にもしています!以下より、ご覧いただけます!



テクノロジーについてのビッグニュースがまたも出てきました。

イーロン・マスクのニューラリンクがいよいよ人間の脳にチップを埋め込んだと発表したのです。

私たちは、このニュースをどう捉えればいいのでしょうか?

今回の動画を通して、「何となく怖い」といった漠然とした不安や、「突然イーロン・マスクが暴走した」という誤解を解消するとともに、この技術のメリットもデメリットも紹介します。


今回の投稿の内容は次の通りです。



①ニューラリンクについて(驚異的な発表をし続けている会社)

→そもそも、「ニューラリンク」とはどんな会社なのか?

→これは、突拍子もない技術なのか?

②脳への影響(現在までの研究:テレパシーはすでに実現している)

→今までに脳についてどのような研究がされてきたのか?

③未来のテクノロジー(このテクノロジーは、人間の未来を左右する)

→脳はすべてとつながる



①ニューラリンクについて(驚異的な発表をし続けている会社)

・ニューラリンクとは?

ニューラリンクは2016年に設立した会社です。ホームページを参照すると、ミッションは次の通りと謳っています。

Create a generalized brain interface to restore autonomy to those with unmet medical needs today and unlock human potential tomorrow.

『現在、医療上のニーズが満たされていない人々に自律性を回復させ、明日の人間の可能性を解き放つために、一般化されたブレイン・インターフェースを創造する』

平たく言えば、『体が不自由な人を回復させること、そして、未来の人間のポテンシャルを広げることを目的として、脳と機械をつなげる技術を発達させる』ということです。


・突拍子もない技術なのか?

 実は、この「脳と機械をつなげる技術(脳にチップを埋め込む技術)」というのは、しばらく前から科学者たちによって考えられてきた、よく知られたアイデアなのです。というのも、人間の仕組みや技術の行く先を考えると、脳に直接影響を与えるというのは、自然な考えなのです。

 わざわざ、スマートフォンを取り出してトントン叩かなくてもネットサーフィンや友達との連絡ができないのか? そこで考えられるのが、脳への電気刺激です。なぜなら、私たちが見聞きするものは、究極的には、脳内の電気刺激でできているからです。たとえば、私たちがパリの風景を見るために、現地に行く必要どころか、スマートフォンで検索する必要もないのです。その風景を見ている時と同じ脳波を、人工的な電気刺激で再現すればいいだけなのです。



②脳への影響(現在までの研究:テレパシーはすでに実現している)

 では、脳と機械をつなげる技術はどこまで発展しているのか? 実は、すでに原始的なテレパシーは実現している段階まで来ているのです。

 現在までですでに実現している技術を3つ紹介します。


1.さかのぼること10年以上前の2012年には、手が不自由な方が「念じるだけ」でロボットアームを動かすことに成功しています。


2.さらには、2013年には、インターネットを介して、アメリカとブラジルのネズミが簡単な情報を脳への刺激で交換したという研究が発表されました。これにより、左右のどちらのボタンを押したかがわかったのです。


3.てんかんという病気の患者の治療目的で、文章を読んでいる際の脳波を測定し、考えていることを文章に翻訳する精度が97%にもなったのです。つまり考えていることがわかってしまうのです。


 これらはどれも衝撃的ですが、それですら、ごく一部の例に過ぎません。他にも、たとえば、盲目の人がかなり荒い映像とはいえ、外を見えるようになったという研究もあります。

2000年の研究では、脳への刺激で68個のドットの情報として、盲目の人が世界を見れています。この技術が発達すれば、盲目の人が完璧に目が見えるようになるどころか、本来は人間が見ることのできない紫外線や赤外線も見えるようにできるでしょう。


③未来のテクノロジー(このテクノロジーは、人間の未来を左右する)

 では、これらを踏まえて、未来では何が起きるのか? さきほど述べた通り、私たちの知覚するすべては、脳の電気信号でできています。

 つまり、未来では、映画やゲームを楽しむのに、映画館もゲーム機もいらないのです。小さなチップを脳に埋め込んで、そこから適切に電気刺激を与えれば、登場人物も風景も”見え”て、音も”聞こえ”て、風やにおいを”感じ”、おいしさを”味わう”ことができるのです。それも、現実世界よりもさらに鮮やかにすることさえ可能でしょう。

 …しかし、すると私たちの存在意義は、そしてこの現実世界の意義は何なのでしょうか? というのも、私たちは豊かで幸せな人生を送るために、文明や技術を発展させてきたはずです。しかし、脳に適切な電気信号を与えられる未来では、私たちは、自分の目で景色を見たり、自分の足で歩き回ったりする必要がなくなるのです。すべては人工的な電気信号で完結してしまうのです。

 今から10年、20年後には、みんながチップを脳に埋め込み、人工的な電気刺激で連絡を取り合い、ゲームを楽しむのでしょう。それは、果たして、ユートピアなのか、ディストピアなのか…。

 私たちは、そんな文明史最大の分岐点で、激動の時代を生きているのです。



【筆者の詳細について】

―加藤将馬:著者、講演家、幸福学&ビッグヒストリー研究家
・加藤将馬のウェブサイトはこちら
・講演依頼はこちら
・YouTubeはこちら
【著書の紹介】
宇宙と人類、138億年ものがたり ―ビッグヒストリーで語る 宇宙のはじまりから人間の未来―
紙の書籍:1260円→電子書籍版:0円(変更の可能性あり)


本書は、宇宙と人類の歩みを考察する一冊です。
「宇宙が生まれた頃はどのような姿だったのか?」「なぜ19万年間も狩りをしていた人間は、今では宇宙進出を始めているのか?」「気候変動やAIなど、これからの人間社会はどうなってしまうのか?」といった大きな問いについて説明します。
 そして、本書の最大のテーマは、「人間は文明を発達させて地球の覇者となったのにもかかわらず、なぜ世界には数多くの自殺者がいて、不幸が消えていないのか」というものです。
 138億年にわたる壮大な物語を堪能していただくと同時に、人間社会のあり方にまで思考を巡らせてもらうことを本書では目的としています。そして、私がなぜ本書を書き、ビッグヒストリーを通じて何を伝えたいのか。ぜひ、最後まで見届けていただけると幸いです。

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