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泣き笑いだよ人生は 『PEARL パール』

note歴が浅いんでよく解っていないんですけど、記事がどうしたって投稿日順に並んじゃいません?
連続物のエロ話の間に映画のレビューを挟み込むのが嫌で避けていたら、もしかしたら、もう、公開していない映画のレビューを載せることになっているかも…。
まあ、レビューってほどのレビューでもなく、自分のための忘備録として書いているだけの駄文なので、別に誰も何も困らないから、ま、いっか。


『PEARL パール』は去年公開された『X エックス』という映画の前日譚となる作品です。


『X エックス』は、ポルノ映画を撮影しに農場へやってきた3組のカップルが、農場の持ち主である老夫婦(特に妻)に惨殺されるお話でしたが、『PEARL パール』は、その妻がどうして殺人鬼になったのかという若かりし日々の物語。『PEARL パール』は妻の名前です。

パールは女優になって、有名になって、田舎の農場を早く出て行きたかった。だけど、チャンスは掴めないし、お母さんは厳格だし(お父さんは戦争で不詳でした障害者に)、抑圧された地味な生活の中で飛ぶに飛べない思いをしています。

そんなパールを、『X エックス』ではポルノ女優を演じていたミア・ゴスが演じているんですけど、もう、どっちの映画も、このミア・ゴスちゃんの魅力を堪能するための映画ですよね。

自分が女性だったらこんな眉の無い可愛い子になりたいです


地味な田舎娘に見えるシーンもあれば、凛としたスーパーモデルに見えるシーンもある、個性的な顔立ちでくるくると表情を変えて不思議な存在感を放つ女優さんです。

特に『泣き笑い』の表情が秀逸です。

目の縁に涙をいっぱい溜めながら口角を無理やり引っ張って笑顔を作る。
そんな表情が、切なくて、恐ろしくて、とても美しい。
ミア・ゴスちゃんのこんな表情が撮りたくてこの映画は制作されたんじゃないですかね?知らんけど。でも、そう思えるほど魅力的です。

突然ですけど、私や私より年上世代のゲイ(LGBTなんて言葉がまだ存在しない時代に2丁目で遊んでいた古いタイプ)って、この『泣き笑い』というワードや表情が好きだと思います。

偏見や生きづらさなんてどうにもならない運命みたいなもので、誰に助けてもらえるものとも考えていなかったから、自分の強さとユーモアでそれなりにいろんなことを乗り越えてきた私たち世代にとっては、この『泣き笑い』こそが生きてゆくヒントだった気がします。

ゲイは毒舌と言われますが、嫌なことを冗談に変えて葬っていく、その手段のひとつが毒舌です。ま、単に性格が悪いだけの人もいますし、私のその類かもしれませんけど。

だから、LGBT法案とか本当にありがたい話(嘘)ですけど、あまりにも弱者扱いされたり、「LGBTに理解を!」なんて言われ過ぎると、「いや、別にあんたたちに理解されようがされなかろうが、この世に生まれたからには私たちのやり方で楽しく生きていくだけだから、邪魔しないでいただけます?」と毒舌のひとつもかましたくなるものです。

ま、後世のためにはLGBT法案も大切なことなんでしょうけどね(嘘)。

そんな『泣き笑い』がとっても上手なミア・ゴスちゃん。
人をバッサバサ殺してはいましたが、なんだか親近感が湧いて好感が持てました。「ミア・ゴスちゃんがんばれ!」と手に汗握ったり。殺人鬼だけど。

皆さんも、よかったら見てあげてください。
ミア・ゴスちゃんの泣き笑い芸。

もう、公開してないかもしれませんけど…。

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