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青春とホラーは意外と相性がいい『PIGGY/ピギー』

久しぶりに土曜日の新宿へ買物に行ったら人の多さに物欲が一瞬でふっとびました。

そんな時、武蔵野館で『予告を見つけて観たいと思っていたけど日本公開はないだろうと思っていた映画』が上映されていたんで迷わず飛び込みました。

スペインの映画です。

主役は太ったティーンのいじめられっ子。
夏休みにひとりで街はずれの人気ないプールへ行ったら、いじめっ子3人組が来て、ひどい仕打ちを受けた上にバッグまで奪われ、裸足にビキニで泣く泣く家路を急ぐと、謎の男に車の後ろへ押し込まれた血みどろのいじめっ子たちが助けを求めてきて、さあ、どうする? という映画です。

①恐怖を顧みずその場で助けようとする
②その場は去って警察に通報する
③見なかったことにする

たとえば私なんかは、ここ数年、妹と仲が悪くほとんど口もきいていないのですが、でも、妹がこの状況なら迷うことなく①です。腐っても兄妹。基本、家族は①ですね、私の場合。

恋人ももちろん①です。なんなら「命の恩人」と一生感謝されるためにこんな状況に陥ってほしいくらいです。張り切って助けます。

友達のY、Mちん、Kくんあたりは①ですかね。留学時代からの付き合いのIさんやKも①だし、前の会社のUっちーやKちゃん、Sさん、今の会社で慕ってくれている後輩のYやBあたりも①でありたいところです。

難しいのは友人のTやRあたりで、頻繁にチャラチャラ飲んだり遊んだりはしているけれど、だからといって心底信頼している大切な友達であるかどうかはまたちょっと別の話で、正直言って②が妥当な線ですけど、でも、やっぱり①じゃないと気まずいのかなー。

10年ほど前にひどい別れ方をした浮気男の元彼氏は②ですかね。別れた直後だったら「ここで助けたら寄り戻せるんじゃね?」と期待を込めて①だったでしょうけど、10年以上も前の話なので。いや、でも、顔を見たら①になるのかな?顔の良い男でした。いや、浮気されて別れたなら③にしとけよって話ですけど、私、別れた男で③はいないです。

その元彼氏を私から奪っていったアイツは③にしてやりたいところですけど…②ですね。これもまた時間が怒りを鎮めてくれました。まあ、ちょっとゆっくり目に通報するかもですけどね。3日後くらいとかに。

で、いろいろ考えてみたんですけど、確実に③は私の人生1人でした。前の会社の先輩です。本当に嫌なヤツだった。小さく手を振って微笑みながら「いってらっしゃい」と見送って差し上げたい。

まあ、これはあくまでも私の周囲の人間に限る話であって、政治家のアイツ(会ったことはない)とかは、また、別の話ですけど。

すっかり映画の話から外れました。

犯人の男は、プールで彼女に一目惚れをした、ちょっとマッチョでちょっとイケメンの殺人鬼で、彼女にはめっぽう優しいのです。そこらへんがまた話をややこしくします。

映画は『リベンジホラー』を謳っていますが、ホラー要素は少ないです。

太った陰キャで自信がない、勉強もできない、男にモテない、友達もいない、むしろ虐められている、母親はウザい、だけど本当は恋をしたい、オシャレもしたい、性の目覚めもある、そんなあらゆるものをすべて内側にしまいこんで主演の割には極端にセリフの少ない自己肯定感ゼロの女の子の、ひと夏の過激な成長記録です。

ちょっと期待値が高すぎたんであれですが、まあ、面白かったです。

みなさんも、良かったら、ぜひ。

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