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座右の銘にしたいタイトル『ぼくは君たちを憎まないことにした』

なんて素晴らしいタイトル!
と、ジャケ買いならぬタイトル買いで観に行きました。
このタイトルで「2015年パリ同時多発テロの話」だと聞けば、まあ、内容は大体想像できちゃうのですが。


作家志望のお父さんとヘアメイクのお母さん、まだとても幼い息子の3人家族のうちの、お母さんが同時多発テロの犠牲になってしまいます。
お父さんはフェイスブックでテロリストに向けて、まさにタイトルのようなメッセージを送り一躍時の人になるのですが、心の中は裏腹で、悲しみ、やるせなさ、後悔、孤独、そして憎しみさえ渦巻き、幼い息子を一人で育てていかなければならない不安もあいまって、心の中があっちこっちへとぐらぐら揺れ動く、そんな2週間を描きます。

基本的には、私、長いタイトルに違和感を覚えるタイプです。

『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『大切なことはすべて君が教えてくれた』なんて見ると、どうしてこんな説明的でだらっと平坦な文章をタイトルにするかなー、と思ってしまいます。
まあ、でも、これはおっさん(おばさん?)の戯言でしょうね。ごめんなさい。
もっと若いころだったら「うんうん、私もいつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまうような恋があるんだよー」やら「ほんと、大切なことはすべて君が教えてくれたよねー」と共感できるのかもしれません。ケッ。

好きな長いタイトルもあるんです。
たとえば、これ。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
(そういえばこれもアメリカの同時多発テロのお話)


ただ、このタイトルがいつも正しく思い出せないです。これを書いている今も『ものすごくうるさい 映画』とググっています。
まあ、これも年のせいか。もしくは単純に私の頭の出来のせい。

『ぼくは君たちを憎まないことにした』は、とりあえず、これまでの私の人生で一番好きな長いタイトルとして心に刻みます。
平和っていうのは、こんな思いから生まれるに違いありません。すごく難しいことだけど。

映画の方は思ったほど御涙頂戴ではなく、フランス映画っぽく登場人物の心情が淡々と描かれ、さほど解決策も見つからないまま、だけどほんの少しの希望を感じさせながらエンドとなります。
まあ、そりゃそうよね。愛する人を突然失って2週間で解決策なんて見つかるはずもない。

アメリカの同時多発テロほど馴染みのない、パリの同時多発テロに関する知識も得られる良い映画でした。
ああ、それから、子役の天使っぽさと「これは演技なの?」と目を見張るような演技力?がハンパないです。

みなさんも、良かったらぜひ。

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