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着物の裏地のような魅せられるべき裏。


所作には表と裏がある。

いわゆる銀面(革の表)と床面(革の裏)で、裏のザラザラしたところに箔加工を施している。エナメルとはまた違う。
他ブランドでもあるだろうと思うが、まだ出会ったことはない。


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※表裏が逆である、表に金銀タイプ


この“ボレロ”シリーズ、正確なことは不明だが・・・12年前にはじめて所作を手にとったときにはボレロはあった、または近しいものはあったと記憶している。所作は現在13歳くらいではなかろうか。
いまのベーシックシリーズに、あと数点は確かボレロに近いもの。当時はロングウォレットとカードケースだけだったような気がするし、ネイビーやダークブラウンってカラーもなかったと思う。すごくおぼろげだが。

ボレロシリーズは初期から現在も存在する数少ないもの。

革の床面、裏側に箔を熱加工で定着させる、そんな製法はおいといて
メリットとしては、まずはビジュアル。財布を開くと、金や銀の輝きに侘びと寂びのような日本美を感じる。もちろん単色ではなく、黒と銀色、黒と金色のコントラストであったり、そういった配色のおかげでもある。
そして革にハリ(かたさ)がでる。好みで柔らかい方がいいかもしれないが、パリッとしていて、開け閉めの際の“曲げ”への心地よさがある。
さらに、使い込むと表(銀面)は濃くツヤツヤになる。裏はよく曲げるところ触れるところから剥がれが少しずつ見られるように、下地の革色がみえてくる。表と裏で2回経年変化を味わえて、コントラストが生まれる。

まさに“ボレロ”。 → 経年変化の紹介

ボレロとはバレエ曲の一種で、同一のリズムが保持される中で、2種類のメロディーが繰り返される構成の意。


表裏一体、優しさ優柔不断、メリットデメリットではあるが
まず個体差が激しい。性格、もとい正確には個体差が強調される点。

理解を求めると言っては大変におこがましいのだが
革は、人それぞれ性格が異なるように個性があるので、同じように生活していてもやはり異なる。それは皮や革も然り。(皮と革は製品になっているかの差と簡易な説明をば)
加えて、先述のとおり熱加工による変化や静電気によって、筋が入ったりもする。すベてにそうなる訳ではないのだが、個体差が強調されるべくして、強調される。

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キャメルとレッドはワントーン濃いし、薄めの色は特に色ムラとしてでる。

一期一会、おもしろい、革だからと言った前向きな好み
傷がある、製品として完璧ではないと言った意見が存在する。
個人的にはとても好きなのだが、われわれの伝える努力不足のせいか。どうしても理解の壁を感じることが多いし、多くなってきている。高くなる壁。

キラキラした金銀は撮影しにくい点もあげておく。どうやっても撮影しているカメラや自分が映り込むから。ウンウンと言った激しい同意を画面越しに感じる。向きあった人間にはわかる。

このボレロをとおして革の個体差を知ってほしい、というより魅力を伝えなければならない。単に魅力的だから。決して押し付けではないが、大事な情報は伝えなければ損をさせてしまう。


いま、あまり見られないのかもしれないが
着物の裏地のような、みせられるべき“粋”。センス。
某わかめちゃんのようにまるみえではなく、見せるけれど見えない美学というべきか、ちょっとたとえ悪いですね笑 

魅せるための裏でもあるし、一見するとシンプルだが、ちょっとちがうところ。パッと見では、みることができない奥ゆかしさ。表と裏の美学は愛されてしかるべし。

所作では、表裏で柄も存在するので
ぜひいろいろと見て欲しい。この表裏は所作たるものに通じる、一つの美だと思う。

https://www.shosa.tokyo/

そんな弊社はノーノーイエス。

ながながとお読みいただきありがとうございます。
では、また。

nakabayashi



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