見出し画像

僕が銭湯業界で鼻につく存在だという話。

先日「東京銭湯 - TOKYO SENTO -」(以下「東京銭湯」)の取締役後藤くんと喜楽湯番頭のユースケと新宿で飲んでいた時に、ユースケから「日野さんの銭湯でのパッションってなんなんですか!?」と投げかけられた。それに対して僕は「えー!?そんなん取材でも普段でもめっちゃ話してるじゃん!」と返したのですが、そもそもその内容にパッションを感じないらしい…。まじかー!!いつもの感じで説明した内容に対して後藤くんも「日野くんの話は鼻につくからねー(笑)」と茶化してくる…。

まぁわかる…。これは僕が「東京銭湯」始めてからずっと課題に感じている部分だ。それは僕のやっていることや話していることが銭湯業界に対して「伝わらない」しなんなら「鼻につく」ということ。それは

デザイナーが銭湯をやるというジレンマだ。

なんで「東京銭湯」やってるかはこちら ↓(鼻につくよ)

「東京銭湯」が運営している喜楽湯の番頭に僕のパッションが伝わってないなんてヤバ過ぎる!そりゃ他の人にも伝わるわけないよね、ということでその飲み会の場で理由の言語化が出来た気がするので久々noteを書かせて頂きます。


そのカタカナ言葉!鼻につくぞ!

デザインって誰しもが知っているんだけど、そもそもが嗜好品だと思っていて、ナショナル企業や国などの、僕の体感だと国の5%くらいの予算が潤沢なところや、ブランドを高めたい、PRをしたいと思う中小企業などでないと直接的に発注が難しいものな気がしています。まずこの文脈自体が「鼻につく」ところ!(笑)。

残り95%くらいの個人や個人商店・中小企業などはそこに予算を割くくらいなら商品自体を良くしよう!サービスを良くしよう!と考えるのが普通ですよね。ブランディング上げよう!とか PRしよう!とか言われてもなんだそれ効果あんのかよ!ってなると思います。

それでもiPhoneやお菓子のパッケージ、家具など最終的には多くの人に行き渡るものには必ずデザインが介在しているので絶対に必要なものではあるなんだけど、それはなかなか「伝わらない」し一番に求められているものではなかったりします。

現に世の中的にも近頃デザインとかアート関連で炎上することが多く、デザインをやってきた人間からすると「違うんだよな〜誤解なんだよな〜」と思うこともあるけれど、やっぱり世の中的にはそれだけ「伝わらない」ことをやっていると思うし、「鼻につく」言い方とかしてるからなぁと思っています。(これもそのうち解決したい社会問題)

そんなデザインをやってきた人間が銭湯の取材を受けるとこうなります。

いやー、ホント鼻につきますね〜〜〜〜〜〜〜!!カタカナ言葉が多く見た目も金髪!(取材頂いた皆様、ホントごめんなさい。皆様は何も悪くありません!「鼻につく」話し方してる僕が悪いんです。けどそこが面白くて取り上げてもらってるんだよなぁ。…やっぱ皆様も同罪だ!笑)

なんでそんな「鼻につく」ことを言うの?「鼻につく」ことを言わなければいいんじゃない?

と思うかもしれないけどそうはいかないんです!!

僕は銭湯業界が盛り上がれば良いなぁと考えているのですが、そうなると僕の話をしに行く先として、「銭湯の風呂って気持ちいいんですよー!」だけではわかってくれない事業者や企業の役職者、広告代理店のクリエイティブディレクター、マーケターなど、銭湯の事業を加速してくれそうな人や決裁者である、謂わゆる「鼻につく」ことを言う人たちに向けて「銭湯の営業」をし続けているんです。

そしてそんな方々に向けて「鼻につく」話で通じ合い、見た目からも「仕事が出来そうな人」というブランディング(うるせぇ!)が必要になってきます。

こんな感じで成立してきた銭湯の仕事がたくさんあるんですね。そして大きな取り組みをしていくためには絶対に必要な能力だったりします。

そして…おわかりでしょうか。

今様々関わって頂いているそんな業界外の人に対して「鼻につく」という言葉でディスっているのを…。デザインと銭湯という真逆の業態を行き来する故に「こちらを立てればあちらが立たず」状態。

双方に言い方を変えてみても「二枚舌」のような誤解も産んでしまう。

これが

デザイナーが銭湯をやるというジレンマ

です。まぁもちろん僕の性格や人間性、伝えるのが下手と言うのも大いにありますが…!

けどそれにより銭湯業界で新しい取り組みが起きて活性化していくならそれが本望と思ってやっています。故にパッションはあるのですがその伝え先が「鼻につく」人たち(マジでごめんなさい)であり、そこに向けての言葉が多くなってしまっていました。


ギャップがすごいぞデザインと銭湯!

けどそんな僕でもありがたいことに組合の理事会に呼んで頂いたりブロック総会(業界の地域の代表が集まる会)に呼んで頂いたりすることがあります。60歳以上の方が多い中で35歳の金髪が1人いるわけです。髪黒くしろよ、と僕も思うことはあるのですが、「こういう若者(オジサン)も今がんばって銭湯やってますよ!」というアピールをするために敢えてそのまま参加させて頂いています。(デザインの業界だと普通だったりむしろ必要な見た目だったりするのもある)

総会中は僕1人だけノートパソコン開いてなんかカタカタ打っている状況。デザインの打ち合わせだと全員開いてますが、銭湯の総会ではなんだコイツ感強めで見られます。しかしちょいちょい皆さんが知らない言葉が出てくると僕が検索して、画面に表示して見せて回ると言うパソコン係をしてちょっとずつ交流をしていきました。(サウナイキタイを紹介したよ!)

総会のあとの懇親会ではひたすら瓶ビールを持って各ブロックの代表の卓を周りお酌をして話を聞きまくる(逆に話聞いてくれて皆さん優しく「期待してるよ!」と言ってくれるので嬉しい)。普段こんなにも多くの、自分からすると親やおじいちゃんの歳の方と飲むことはないので知らない話ばかり。必死に聞く。2次会のカラオケでは皆さん軍歌?(演歌かな?もちろんそればかりではないですが)を歌われる中僕は1人スピッツのチェリーを歌うみたいな状況です。

もう、ギャップが凄すぎる。

慣れない気疲れから緊張MAXで1日を終えると次の日は寝たきりになるほど疲弊して家のベッドで突っ伏しています。(こういう会合の場に早く慣れたい)


けど今後もやってくよ、「鼻につく」銭湯トーーク!!

日々デザインを嗜んで来た身としては面白くも、ホント変なことをしてるなぁと思いますし、デザインと銭湯では人が違えば使う言語も考え方も違うので切り替えがとても難しかったです。(最近ちょっと慣れて来ました)

銭湯のマーケットを広げるため…いやいや銭湯をみんなに知ってもらうためには鼻につきますが企画、PR、イベントなど、どうしてもデザインの力は必要になりますし、それをやるには色々な外部協力者やお金が必要になります。

なので、銭湯業界に身を投じて5年目となりますが、今後も様々な人たちに「銭湯の営業」をするため、今後も僕はパッションでもって「鼻につく」ことを言っていきます。

それにより銭湯のブランド価値が上がるなら…。

はい、鼻につきますね。

「銭湯が舐められないように」

です。(これ言ってユースケは納得してくれました)

それにより様々な企業が銭湯のことを儲かるコンテンツとして認知してくれ、銭湯がメディアとしても企画や広告の場として活用がなされ、収益アップに繋がり、新しいリクルーティングの場となるのなら…。

これも鼻につきますね。

芸人っぽく言うと

「銭湯がめっちゃ売れるために」

です。

万人に理解されることは何においても難しいのですし、そもそもあまり営業向きではないのですが、それでもこの活動は僕にしか出来ないことなのかなぁと思ってやっていきます!

なので今後も僕は「鼻につく」ことを言い続けます。ごめんなさい!

どっか新聞などで僕を見かけたら、「ああ、また日野が「鼻につく」こと言って銭湯の営業してるな」って思っといてください。

ですので皆さま、これを「銭湯業界」のためにもなると思って頂き暖かい目で見守って頂けると幸いです!引き続きよろしくお願いいたします。


【僕がやってることこんなこと】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?