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数年前、かっこつけて実家に帰る事を決めた。

お盆に実家に帰ることが決定したので、それと共に決定した予定、それは美容室に行く事。

もう数年前から、この流れは確定していると言っても良い。
実家に帰る予定を立てる=美容室の予約をいつ取るか考える=飛行機代と美容室代を計算する

毎回ここまでがイコールです。
というのも、確か私が今いる関西に引っ越してからすぐの事、今よりも貧乏だった為、全然美容室に行ってなかった時があった。

それでも母が「実家にちょっと帰っておいでよー飛行機代出すからさー」
というので、私は実家に少し帰省する事に。

飛行場まで迎えにきてくれた母は、私を見るなりすごく悲しそうな顔をしだす。

え!?え!??
帰ってきて欲しかったんだよね?
と慌てる私。そんな私に母は、

「女の子なんだから、もっと気を使ってよー。美容室に行けないぐらい生活しんどいの?ごめんね、うちが貧乏なせいで・・・」
しくしくしく・・・ということがあって、私はその時に心に誓った。
どんなに生活が苦しくても、実家に帰る前は絶対美容室に行こうと。
もう、女の子って年齢じゃ全然ないけれど、それでも親バカな母は「せっかく可愛く生まれたのにー」と。
母にとっての私は、いつまでたっても子供で、女の子で、可愛くいて欲しいらしい。

いつも側に居られなくて、いつも心配ばかりかけて、まだまだふらふらしてる私だけど、この時から、実家に帰るときだけはめいっぱいかっこをつけて帰る事を決めた。

きっと私が、母にいつも笑って生活していて欲しいと思うのと同じぐらい、母も同じ気持ちなんだって思ったから。

だから私は今回も、美容室を予約して、頭にちらほら出ていた白髪もきっちり染めてもらって、伸びっぱなしにしていた髪もばっさり切ってきた。

きっと今回も、母は満面の笑みで私を迎えてくれるだろう、と、
今から実家に帰省する時が楽しみで仕方ない翔英でした。


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