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「俺たちマフィアみたいだな」

自分は出身地で開催される成人式に参加していない。いや、正確には参加を希望しても叶わない状況にあったのだ。20歳を迎えた年の1月、イギリスはリーズ大学に短期留学していた自分は、留学期間中の一時帰国が認められていなかった(というより、認められても帰国するつもりがない位楽しんでいたが…/笑)ので、そもそも参加の意思に関わらず足を運ぶことが出来なかったのだ。

なので、後にmixiなり地元の愛すべき仲間たちを通じて、当日の様子を色々と伝えてもらったのだが、特に印象的なエピソードが未だに記憶に深く残っているので、まずはそちらから触れていこうと思う(笑)

成人式は同窓会の場でもある。故に、昔の知り合いや友達にもバッタリ再開する場所でもあるのだが、もちろん我が親友たちも例外ではない。中学時代によく遊んだ友達や、クラスで割と気になっていた女子など、本当に様々な再会が入り乱れていたのだろう。

そんな中、親友たちも会場入りしたのだが、その際に彼らには見覚えのある顔を持つ人物が声をかけてきたという。ここでは仮にOとするが、Oは親友たちと1年生の時にクラスメートだった過去があり、自分も実を言うと小学生頃までは割と遊んでいた人物だったので、恐らくその場にいれば話す間柄の人物でもある。ゲーマーな側面が強く、うちにあったソニックのゲームを憑りつかれた様に遊んでいてお袋をドン引きさせていたのも印象深い(笑)故に、どちらかといえば陰キャと男子には認識されているくらいに異性に奥手な割に、よく見ると細身で容姿端麗でバスケットボールが得意であったために、一部の女子から熱烈な人気を誇っていた時期もあるという、ちょっと変わった一面を持っていたりもする(笑)

その不思議なOが久々に声をかけてきたので、昔の好でとりあえず会話を適当に進めていく中、自分たちのスーツ姿を眺めている中で突然彼が、

「…俺たち、マフィアみたいだな…」

という台詞を、親友の1人の耳元にボソっと、しかも限りなく低いトーン勝ち誇ったような表情を浮かべながら囁いたらしく、これが彼らの間で微妙な笑いを引き起こしかけた上に、突っ込んでいいのか真面目に受ければいいのか、要するに何とも言えない空気にさせてしまったのだとか…そもそもなぜ、「マフィア」という比喩表現に帰結したのだろうか…謎すぎると未だに友人たちは語る(笑)

Oは生粋のゲーマーでもあったから、一説にはグランド・セフト・オートといったアクションゲームで登場する、敵役のマフィアの姿を想像して、突拍子もない比喩表現を用いてきたのではないだろうかと。そうでなくとも、映画等でステレオタイプ的に描かれるマフィアという概念を純粋に重ね合わせただけなのかもしれないが、いずれにせよ何故「マフィア」だと表現したかは不明である…(笑)

何より、普段はそんな単語に関心のなさそうな彼が、突然のようにマフィアと発言する感じ自体もやはり面白すぎたらしく、いずれにせよ笑いをこらえるのに必死だったという…(笑)確かに、文章にすると大して面白みも強烈さもない発言なのかもしれないが、やはりOが得意げに耳元でささやいた割に微妙に盛り上がらなかった感じこそ、仲間たちの一番のツボであったのだろう。そして、未だにこのネタはちょくちょく仲間内でも引用され続けている。勿論、オリジナルの面白さや不気味さには敵いっこないのだが…(笑)

ということで、機会があれば成人式についても色々と話していこうと思う。

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