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松本紹圭の方丈庵

このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじり仲間と対話と巡礼の旅に出ませんか? … もっと読む
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2021年10月の記事一覧

心が壊れずに

京都・法然院、夜の森の教室に参加。独立研究者の森田真生さんと、京都大学の歴史学者、藤原辰史さんの対談イベントだった。森田さんの近著『僕たちはどう生きるか』を巡って、それぞれがショートプレゼンをしてからの、対話形式。 こうした講演を聞くとき、いくつかのスタイルがある。そこで話されたことを一言一句もらさずメモする勢いで、タイピングしながら情報処理するやり方。あるいは、メモを開くことなく耳を澄ませて、そこで語られる声にじっと気持ちを向ける傾けるやり方。その時々、その場の気分でやり

Post-religionトーク(関野らんさん)

関野らんさん × 松本紹圭 『新時代の葬送のあり方、ヒューマン・コンポスティングの可能性』 プロフィール 関野らん 東京大学工学部社会基盤学科、同大学院修士課程にて、建築家 内藤廣に師事し土木と建築を学ぶ。2011年SRAN DESIGN設立。大学院在籍時より従来の墓地の研究とともに新しい埋葬形式を探求した墓地の設計に携わり、現在まで多様な墓地の設計を行う。主な作品「風の丘樹木葬墓地」(東京都八王子市)、「樹木葬墓地 桜の里」(東京都町田市)など。人間の生と死について常

ハッピー・ハロウィン

葬儀や法事の担い手を血縁の家族・遺族にだけ委ねるのではなく、「誰もが誰をも弔える世界」を作るために、まず、日本の祖師仏教における「宗祖」という存在を入り口にするといいのではないか、と考えた。 お寺では一般に、檀家のための葬儀や法事しかやっていないと思われているかもしれないが、実際には、各宗派の祖師(浄土真宗なら親鸞聖人、日蓮宗なら日蓮聖人というように)の命日の法要が、そのお寺の一年で最も盛大な法要として勤められている。つまりは、血縁でない「みんなの祖先」の法要を、どのお寺で

Life is good. And we become better ancestors.

『グッド・アンセスター』の出版記念イベントをオンラインで開催したところ、60名を超える方にご参加いただけて、とても嬉しく。半分以上は色々なつながりからの友人たちであり、そしてこれをご縁に新たにつながった方々も多くいらした。 途中、zoomのブレイクアウトルームで少人数での対話の時間も設けたが、各部屋で深い対話がなされたであろうことは、顔ぶれだけ見ても想像ができた。「自分が先人から受け取った”恵み”について話してください」というお題を出したけれど、自分にとっては、人のつながり

方丈庵 Latest News|2021.10.14

◉ 「グッド・アンセスターマガジン」を開設しました。 『グッド・アンセスター』の発売から一ヶ月、少しずつ読者の方から反響をいただくようになりました。そこで、松本紹圭のnoteマガジン内に新たに「グッド・アンセスターマガジン」を設け、みなさんの「#グッドアンセスター」を集めていこうと思います! 第一号は、僕も信頼を寄せる長年の友人でライターの杉本恭子さんのグッドアンセスター。本マガジンは、みんなでつくるマガジンです。ぜひ、読者のみなさんもご自身のnoteやSNSから「#グッド

結婚、おめでとう。

光明寺の長女、桜子ちゃんの結婚式。僕が23歳で弟子入りして住み込みを始めたとき、桜子ちゃんは10歳くらいだったわけで、時の流れを感じる。お相手は、お坊さんではなくて、ビジネスマン。なんの因果か、僕に披露宴での主賓スピーチ(新郎側・新婦側、各一名のみ)の大役が回ってきたので、ずいぶん頭を悩ませた。 人前で話すことは慣れているとはいえ、お坊さんだけに、おめでたい席は不慣れだ。しかも「5分以内で」との厳命もあり(実際、聴衆も長い話は嫌だろう)、なおかつ、お寺の看板にふさわしいおよ

マインドフルネスと資本主義をめぐる考察(後編)

マインドフルネスの倫理と資本主義の精神 ─ いま改めて考えたい、その思想と実践のかたち ▼ 前編はこちら ---

マインドフルネスと資本主義をめぐる考察(前編)

友人の宇野常寛さんが編集長を務める『PLANETS』へ寄稿した考察を、皆さんにもシェアしたいと思います。 ---