奇違訳異庫

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Cheers to the dragonfly

カラオケに行きたい。 私は歌が上手い方ではない。かといって抜群に下手な訳でもない。大人数でカラオケに行くと私の歌をBGMに会話が盛り上がるくらいのクオリティである。褒める程でもなく、ネタにできる程でもない。ランクでいえば中の下の下の下。 しかしながら、カラオケ好きと公言すると「カラオケ好き=歌が上手」という謎の方程式が成り立つ。そんな方程式は義務教育の過程で習ってはいないですよね。学校では教わっていないですよね。何故なのでしょうか。そしてなぜ卒業式に大地讃頌歌うのですか。

    • ザワークラウト オブ ザ ワークアウト

      病室を個室にして正解だった。 希望しなければ4人程度の相部屋となるけれど、入院費をいくばくか上乗すれば個室にできると入院前に説明を受け、私は迷うことなく個室を希望した。健康だろうが不健康だろうが今際の際だろうが、1人の時間と空間は必要だ。知らない隣人の咳払いや衣擦れの音。ましてや、苦しみに喘ぐ声なんて聞こえてきた日にはきっと私には耐えられないだろう。 そうして手に入れた私の部屋は、ベージュともクリーム色とも言えない色の壁と、茶色とも黄土色とも言えない色のタイルが敷き詰めら

      • ハラミ、シマチョウ、マルチョウをそれぞれ一人前で。塩でお願いします。テイクアウトで。

        私は腹を割って話そうと思う。 文章の書き出しにいつも迷う。確かに些細なことではあるのだけれど、誰にも言えないというかわざわざ言うほどでもない。 ウィットに富んでいたり、読む者の口角を釣り上げたり、SNSのいかがわしい漫画の広告のように惹きつける魅力があったり、吾輩は猫であったり、国境の長いトンネルを抜けると雪国であったり、そんな書き出しから始めたいとつくづく思う。 いつも書き出しては消して、書き出しては消して、書き出しては結構上手いこと書けたと思ったのに臆病な自尊心が尊

      Cheers to the dragonfly