依頼する時の作法.001

依頼をする時の「作法」。

このような仕事をしていると様々なご依頼を頂くことに恵まれるのですが、その中で、反面教師となる事案も多々出てきます。依頼する時には、最低限の「作法」があると思っています。作法というのは、特段常識だの、なんだのとかではなく、双方にとって一定の合理的なやり方であるとも思っています。

特に世の中では一定の地位があると判断される組織ほど、この手の「作法」を完全に無視して、自分たちの論理で話を進める方が多くおり、それは依頼をするという行動を通じて、信頼を失うことになっていることに気づかなくてはなりません。

ちょいっと問題点と共に、このようにあると良いのではないかと常々思っていることを書きたいと思います。

◯ 問い合わせに対応すること自体にも「コスト」がかかる
そもそも問い合わせをしたら、回答してくれるのが当たり前だと思っている場合があります。しかしながら、回答するかしないかは先方の勝手であり、それ自体を強要する権限なんてものはありません。回答するのにもコストがかかるわけです。

(やりとりのコスト)
何よりも依頼する内容が不明瞭なままに相手と何度もやりとりをすることを前提としたような依頼の仕方は、とてつもなく非効率で、相手にその非効率なやのとりにかかるコストを全て負担させることを強制しようとしていることを認識しなくてはなりません。

(会うコスト)
最悪のパターンは何の依頼がわからない状況のまま、ただひたすら「一度会う時間を確保してくれ。その時に説明する」といってくるケースです。会うなんて時間を割くことは、それこそ、その先にある事案によって「会うべきかどうか」を依頼先の人が判断するものであって、依頼元が判断すべきことではありません。何より、依頼をしたい先の人がそれなりの人であれば、人に会って相談にのるのはタダで対応するほど暇ではありません。ちゃんとしたビジネスとされていることがあるのです。

このようにそもそも「やりとりのコスト」、「会うコスト」に対する意識が軽薄な人は、的確な人に依頼をすることさえできないのではないかなと思います。

◯ 自分たちの「組織のルール」は、依頼先には関係ない
依頼する際に自分たちの組織のルールを相手に押し付けるのも的はずれです。

(条件確認)
依頼する際の条件なども「我々の組織の規定に基いてお支払いさせて頂きます」といった表現があったりします。その組織の規定やルールをどうやって相手の人は知りようがあるのでしょうか。ぼやかした条件のまま、ひたすら「予定だけ空いているか教えろ」みたいなことをいう場合もあります。予定より先に条件があうかどうかの方が先です。そもそも条件があわないのに、予定があいていても、全く意味はありません。予定の話だけで進んで、結局条件が合わなければ、その取引は成立しないわけですから、ちゃんと両方を明瞭にやらなくてはなりません。

そもそも規定に基いて支払うなんてことがおかしな話です。依頼をしているわけですから、基本的に依頼を引き受ける先の人が「このような内容であればこのような条件であれば引き受けます」というものであって、こちらのルールに乗っ取るのであれば依頼してやる、という姿勢自体が大変な傲慢であると思うところです。

コンビニにいって「うちの規定にそってこのジュースは50円で買わせていただきます」というでしょうか。言わないですよね。

(意思決定の不確実性)
また、依頼する前に自分たちの組織でのとりまとめもせず、思いつきで依頼をして、「うちの組織の意思決定上、これから稟議にかけます」みたいな話になったりするのも大変な失礼な話です。自分たちの組織内をまとめてから、外部には依頼すべきことです。組織内の意思決定の不確実性をなぜに依頼先の人が負う必要があるのでしょうか。

◯ 断る時の礼儀
知り合いの伝手をつかったりして、非公式にどうにかこうにか「ぜひともお願いします」とかいいつつ面会を申し込み、その割に、その後全く連絡一つよこさないということも多くあります。会うためにある意味では「嘘」をつき、依頼するからという餌をまけば良いとおもっている行動です。

別に依頼をしないということは当然あるでしょうが、散々相手の時間を使ったにも関わらず、何一つ連絡をせずに「無かったこと」にしようとする姿勢そのものが、大変失礼極まりないことです。

依頼先からすれば、その依頼のために時間などを仮押さえしたり、キャパを開けるための調整をしている場合もあるわけです。断る場合はすみやかに連絡をしなくてはなりません。

平気に知り合いに紹介をしてもらって、その人の信用に乗っかった依頼をしているにも関わらず、連絡もせずにスルーして誤魔化そうとしたような態度をとったりする、個人や組織自体が全く信頼できないわけですが、しかしそういうことも少なからずあったりするわけです。

断るのであれば、丁寧に実情を伝え、理解を求めることが基本です。その時には、相手にできるだけ時間を使わせないことです。また「時間をくれ」「その時に内容をお話します」ともったいぶってまた時間をとられた上に、意味不明なカタチで断るとかは逆に失礼なところです。相手に用件を送り、お会いしてご説明させていただける機会を頂けるようでしたら、、、といったように相手にそれは決めてもらうほうがよいでしょう。

◯ 依頼する時にはできるだけやり取りは少なく合理的に進める

作法というものは、単に常識とか礼儀とかではなく、ちゃんと合理的なものであると思っています。

(1)依頼の内容(目的、日時、依頼する内容)を明確にすること
(2)先方の提示する「条件」について聞くこと

上記をファーストコンタクトで明確にすれば、やり取りは少なくともメールなどで1度・2度で済みます。

さらに進める場合は、

(1)予定調整
(2)支払先などの細かな情報
(3)支払い予定期日の確認

これらは専用のエクセルフォーマットなどに記入させるのではなく、向こうが普通にメールの返信でインラインで書けるようにするのが基本です。自分たちの作業の省力化のために、意味不明なフォーマットに細かく記載させるのはNGです。

例えば、予定調整などは私が学生の頃からある老舗「ちょー助」とか、簡単に使えますよ。他にも沢山あります。わざわざパスワードをかけたエクセルを相手に開かせる手間もなくなるし、とりまとめて調整する依頼元の工数も減ります。

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そして、支払い予定の期日についても連絡することを忘れないようにするべきです。これも内部規定では・・・みたいな話を後でするのではなく、こちらも先方の規定に則って行うことです。

(3) 書類のやりとりは一度で済むように
書類のやりとりなども最低限とし、押印がいるものは一式まとめて返信用封筒を入れて送るようにする。

以上のやりとりなどを意識していけば、スムースに進むものと思います。

悪気がなく人に何かの依頼をする時にも、やり方によっては多いに失礼なこととなり、とんでもないイメージ低下に繋がることもあります。

依頼をするというのは相手のリソースを勝手に食う「調整」というものを強要することであるからこそ、しっかりとした合理的な「作法」を意識して進めるべきと思うところです。

そして何よりも依頼する時には、適切な熱意があることも大切だと思っています。なぜ自分はこれに取り組んでいるのかといったような心意気が理解できることで、多くの方は協力してくれることも多くあると思います。

依頼は人と人との結びつきを作り広げていくことにもなるし、その逆にもなる。だからこそ慎重に行いたいものです。

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依頼をする時の「作法」。

木下斉/HitoshiKinoshita

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木下斉/HitoshiKinoshita

1982年生まれ。エリア・イノベーション・アライアンスなど。経営とまちづくりが専門。高校一年から補助金に頼らない地方事業開発やってます。『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『福岡市が地方最強の都市になった理由』『地方創生大全』『稼ぐまちが地方を変える』等

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はじめまして。こちらから営業をかけた時にほぼフルコース食らった事があります。あれは辛い……。
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