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「社会的処方」という言葉をお聞きになられたことはありますか?
イギリスでは、社会的な孤立が大きな社会問題となり、2018年には「孤独担当大臣」が新設されました。そんなニュースをご覧になられた方もいらっしゃると思いますが、そのイギリスで注目され、現在、日本でも注目を集めはじめているのが、この「社会的処方」という考え方です。

「医学的(医療的)処方」+「社会的処方」。

イギリスの地域医療を担う「かかりつけ医」(General Practitioner、一般家庭医やGPと呼ばれています)は、患者さんの健康や幸福度(well-being)向上のために、「医学的(医療的)処方」だけでなく、患者さんを地域の活動や公的はじめさまざまなサービスにつなぐ「社会的処方」の取り組みを行う医師が増えてまして、2018年の統計では、4人に1人のGPが実践しているというデータがあります。

ずばり「社会的処方」というタイトルの本があります。

この本は、こんな文章から始まっています。

たとえばこころやからだの調子が悪くて病院に行くとしましょう。診察を終えた患者さんは「この薬飲んでね」と、かかりつけのお医者さんから処方箋を受け取りますね。このとき薬だけではなく、体操や音楽、ボランティアなど、地域のサークル活動を紹介されたらどうでしょう?

「社会的処方」とは、医師が処方するリアルな薬ではなく、地域の「つながり」が人を健康にしていく「仕組み」とも言えます。地域で暮らす、そのひとりひとりの活動が、誰かの孤立という「病」を治す「お薬」になるかもしれない。そうこの本は呼びかけています。

日本では、みんなが「リンクワーカー」に…。

社会的処方をしたい医業者からの依頼に基づいて、患者さんやそのご家族に面会し、その地域のコミュニティやサービスなどとマッチングを図る存在。それが「リンクワーカー」と呼ばれる人々です。イギリスでは研修システムと資格の認定を行う「制度」として確立され、「職種」として存在していますが、日本では、街のみんなが、この「リンクワーカー」的に関われるような「文化」として定着できないかと、この本の中で著者は語っています。医業者主体、はじめに医療ありきではなく、「文化」として「つながって」いく、そして「ひろがって」いく、ということですね。

「文化」を実現するために、育んでいくために…。

そのためには、そもそもマッチングできる機会を増やしていったり、つながる場やコミュニティを増やしていくことが必要ですね。
孤独や孤立を抱えた人々が、自ら場所を探していける、情報をキャッチすることができるような環境づくりも必要だと思っています。
地域資源につなげていくだけでなく、自らもそんな場づくり、コミュニティづくりができる、自身の特性を理解し、強みを活かしてつながっていく、つなげていくことができる人財の輩出をするために…。その学びの場として、私たちは「おひとりさま検定試験(R)」を提供していきたいと考えています。

初級検定「つたえびと」は受講無料で27日まで募集しています。もうすでに結構お申し込みをいただいています。
ご興味のある方は、ぜひご覧くださいませ。



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