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笑病日誌★精神科医の「ま、いっか」

小さな小さな町医者が今年度をもって閉院する。理由は知らないけど後継者の息子が別の場所で開業をし、大先生は引退すると母から聞いた。
私も診察をしてもらったことがあるのだが、医者という職業はどうも神格化されやすいように思うのは私だけでは無いはずだ。私が過去メンタルクリニックと意見の違いから医療難民、情報難民でかかりつけの医者から離れた時に駆け込んだのがその小さな個人の医院で内科、小児科、心療内科、精神科と幅広く診療している。
 
結論から話をすると、処方薬は少し今の方が落ち着いているがこの先生はとにかく症状よりも何よりも小さな愚痴や小言を「会話」しながら聞いてくれた。私が読書が好きだと知ると「小説家の北杜夫が」などといった、そこらにいる読書のおじいちゃんで、母も通院しているが母には「あなたの勤めていたスーパーの魚は新鮮で美味しいし、品質もいい。」だから母も鬱で通っているのだが「少し嬉しかった」と話をしていた。
 医者は医者でも整形外科と動物病院でも、この医師と会ったこともある。
そして、極めつけはこの先生がよく言う

「ま、いっか!!!」

 という言葉に先生の医者としての人生が表れていると思う。
 
 時は流れて結局、どんなに悩んでも悩みは尽きないし、私一人に何が出来るだろう?そう思った時にこの先生の言葉の意味がもう一つ増えて「これぐらいの、これだけの事しかできない私だけど、ま、いっか!」

とポジティブな意味の言葉としてとらえられることが出来るように今はなってきている。
 
少し失敗したくらいで悩んでいても

「ま、いっか!」

生きてさえすれば。

先生だからと偉ぶらず(ちょっと物言いは横柄だけど)

そっと、自分の生涯の仕事を終える、その先生はこれから日々読書でもするのだろうか。
いつかその先生が「俺のことか!?」と思えるような記事や出版物がだせたら、

「ま、いっか!」

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