狼人間の挽歌 怪物の独白【詩】

そうだ
私だ
怪物の夜に狂った月の願いを受け入れたのは

私が殺した

この公園の地下には
私が殺めた罪人たちが
もう幾人も埋まっているのだから
冷たく白い骨に成り果てて
いつか掘り起こされるのを待っているのだから

ああ
いい月だ
こんなにいい月の晩には
誰かを殺したくなるじゃないか

そうか
今夜ここに立ち寄ったのは
私が殺して薔薇薔薇にしてやった
この鞄の中の哀れな犠牲者を
ここに埋めるためじゃないか

なぜ気付かなかったのだろう
ああ結局この男も
狼人間じゃなかった

ああ
何処
ドコニイルノダロウ
もうまともな思考がデキナクナッテイル
怪物だカイブツダ
私は名前のないカイブツナンダ
気付かせてくれた男はドコダ
やつは狼人間とイッテイナカッタカ
ふん
どうせ偽者だニセモノニキマッテイル
今までのヤツラガソウダッタヨウニ

おや
季節はずれの桜が咲いている
ちらちら舞い落ちて
月の光に照らされながら
ああ
きれいだキレイダナ
血のように赤い花弁が
ひらひら舞い散ってきれいだな
そう言えば
この樹の根元にも埋めてやったっけ

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