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noteをきっかけにABEMA Primeからコメント取材を受けた話

 先日の4/4、「ユーザーからお問い合わせが来ています。」というタイトルで、noteからこんなメールが届きました。

急なご連絡で大変失礼いたします。
インターネット報道番組「ABEMA Prime」の●●と申します。
https://news-prime.abema.tv
ABEMA Prime(アベプラ)は平日夜9時から2時間生放送のニュース番組です。
私たちの明日5日夜の放送にて「政策金融公庫の創業融資充実化」の話題を取り上げたいと思っております。
https://itmedia.co.jp/news/articles/2404/01/news156.html
この話題に関する投稿をされておりましたので、お話を伺いたくご連絡差し上げました。
こちらのメッセージは文字数が限られておりますので、ご興味がございましたらご返信いただけますでしょうか?
恐れ入りますがよろしくお願いいたします。

先方からのメール(抜粋)

 何やら怪しいメール?とも思ったのですが、アドレスのドメインはおそらく間違いなく某テレビ局のもの。ってか、このメール来たのが17:24……放送明日の21:00からなのにこのタイミングでやるもんなのこういう取材って?!
 推測するに、直近の記事が「スタートアップ」とかの検索でひっかかって、自己紹介投稿を見て連絡してくれたものと思われます。

 いずれにせよまぁ減るもんじゃないしということで、20時頃に「具体的にどのような内容になりますか?放映まで期間が短くお力になれることに限りがあるかもしれませんが、ひとまず教えてくださると助かります。ちなみに当方、元公庫職員です。」という内容の返信を(飲みながら)しました。

 そしたらこんな回答が。

返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
まさに元公庫職員でもいらっしゃるということもありお声がけさせていただきました。

お送りした通り、「政策金融公庫の創業融資拡充」の話題を取り上げたいと思っております。
参考:政策金融のリリース
https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_240401b.pdf
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/startup.html
元公庫職員の齋藤様の目から見て、今回の制度をどう評価するのかご意見をうかがえないでしょうか?

いただいたコメントを要約し、紹介させていただきたいと思っております。
ご協力いただける場合、些少ではございますが●円をお支払いさせていただきます。
また、ご回答は明日夕方ごろまでにお願いしたく存じます。

伺いたい内容は以下の通りです。
■今回の支援拡充に対する評価をお願いします。どの点が特に特徴的でしょうか?また、このような国による支援は珍しいのでしょうか?
■実際に起業が増えるなどの効果は期待できそうでしょうか?
■SNS上では「無担保・無保証人・自己資金の条件なしでは、借得ではないか」などの声も上がっていますが、実際の審査が緩くなるようなことは考えられるでしょうか?

以上、大変急なご相談で恐縮です。
ご検討いただけますと幸いです。

先方からのメール(抜粋)

 ちなみにこの返信が来たの、21:51。。テレビ局の方って、このご時世でもこういう働き方なんですねお疲れさまです…
 この時間はまだギリギリ起きていたんですが、既に酔ってるし公共の電波にのる可能性あるのであれば真面目に回答しなきゃ……と思って、この日は眠りにつきました。

 さて翌日。
 今の資金調達する自分の立場としてであったり、わずかな期間ですが国民公庫にも身を置いていた立場からしっかり考えた結果、以下のようにメールで回答しました。

■今回の支援拡充に対する評価をお願いします。どの点が特に特徴的でしょうか?また、このような国による支援は珍しいのでしょうか?

 金融機関から見た創業や新規事業への基本的な見方として「まずはスモールスタートを行い、実績が出てからステップアップ」というものがありますが、今回の制度改正で融資限度額が大きくなったことは、これまでの概念が変わってきていることを意味していると思います(融資限度額の上り幅が建材価格を含む物価の上昇の幅を大きく上回っている)。「国による」ということに限った話にはならないかとは思いますが、有望なスタートアップに対しては大きな金額でも融資を行うという姿勢は、国のスタートアップ支援への本気度が伺えます。

 加えて、据置期間の制度上の設定可能な期間が2年から5年に延長したことは、事業軌道化までに時間のかかるスタートアップの事業に対しても支援をするという姿勢の表れで、こちらも国の本気度が伺えます。据置期間の考え方は「事業効果が発現するまで」という考え方に基づいており(※なので、これまでの制度でも希望すれば無条件に2年間据置期間が設定できるわけではない)、すなわちこれまでの制度では2年以内に売上・利益を出せる事業にしか実質支援ができなかったということですが、今回の制度改正でバイオ事業等軌道化までに時間がかかる事業についても支援が可能になったということになります。
 自己資金は起業までの準備度合いを示す大きな指標であると考えており、自己資金が全くなくなったことは自分としては(審査する側の目線としては)疑問が残るところですが、それを除けば総じてスタートアップを大きく後押しする制度改正だと思います。


■実際に起業が増えるなどの効果は期待できそうでしょうか?

 本制度をきっかけとして、すぐに起業の「数」が増えるということはあまり考えられません。というのも、資金制度が変わっただけで、創業・起業に対する審査の目線・基準は変わらないからです。企業に向けて相応の準備や経験が必要なことは変わらず、それは一朝一夕には成りません。
 だだ、上記のとおり、創業・起業の時点で比較的大きな投資・借り入れができるということになりますので、夢が描きやすくなりました。それに向けた準備期間を経て、中長期的に起業が増えるということは大いに期待ができると思います。


■SNS上では「無担保・無保証人・自己資金の条件なしでは、借得ではないか」などの声も上がっていますが、実際の審査が緩くなるようなことは考えられるでしょうか?

 公庫が国の名を背負って融資行為を行っている以上、審査が「緩くなる」ということは考えられません。起業に向けて相応の準備や経験を重ね、かつ事業計画に実現可能性がないと借入ができないということには変わらないと思います。(借得というSNS上の人々、いずれにせよ返さなければならないお金であることをわかっているのでしょうか…)

 上記の繰り返しになってしまうかもしれませんが、今回の制度改正は、「借りやすくなった」というわけではなく、「借りられる人の幅・裾野が広がった」という風に理解しています。(もし万が一、ノルマの設定があれば「借りやすくなる」現象が発生する可能性がありますが、そうならないことを信じたいです……)

自分からのメール(抜粋)

 皆さまの認識と照らし合わせてどうだったでしょうか?
 一つの意見として、参考になれば幸いです。(自分からの質問回答をここに載せることが今回の記事の本題です)

 上記のメールと合わせて事前に宣伝して良いか聞いたところ、「生放送の展開次第での紹介となりますので、ご紹介のお時間を取れない可能性もございます。そのため『コメントが紹介されるかもしれません(生放送のため変更の可能性あり)』というような告知であれば構いません。」とのご回答をいただいたので、以下のようなSNS投稿をしました。

noteの記事(コメント欄参照)をきっかけに、「ABEMA Prime(アベプラ)」からメールでの取材を受けました。 何やら、今日の夜9時からの放送で「政策金融公庫の創業融資充実化」の話題が出るらしく、その文脈で。 生放送のため変更の可能性ありですが、自分のコメントが紹介されるかも。ぜひご注目ください! コメントはかなり真面目に回答しました。自分観れないので、観る方、もし自分のコメント出てたら教えてください~🙌

Posted by 齋藤 翔太 on Friday, April 5, 2024

 さて、コメントは日の目を見るのか…? 結果や如何に……?!

お世話になっております。
ABEMA Primeの●●です。

大変申し訳ありません。
ご協力いただいた内容について番組で紹介できるように用意していたのですが、展開の関係でうまく出すことができませんでした。

番組後の先方からのメール(抜粋)

 んーーー、残念っ!!!

 でも、コメント料はいずれにせよもらえるみたいだし、良い経験にも今後のネタにもなりました。感謝です。
 noteで発信して記録に残しておくと、色んな縁がつながるもんなんだなと、気まぐれにだけどアウトプットしていて改めて良かったなと、そんなお話でした。

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