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続く習慣

岡山の母の実家から義母あてに白桃が届き、おすそ分けしてもらってきました。
ほんの少しだけ傷がついたり、形が悪かったりして売り物にならないような桃が毎年夏になると届けられ、無駄にせずおいしくいただいて育ってきた人間です。(義母の所へはきれいな桃がやってきました)

子供の時は「わーおいしい桃だ」程度の認識で食べていたんですが、いざ岡山で店頭に並んでる白桃の値段を見ると「ヒャッ」てなったわけで。環境による価値観の定着ってすごいもんですね。
かつては祖父と祖母二人で行っていた白桃の育成と販売でしたが(時期になると遠方にいる私の母や叔母も手伝いに参加)、祖父が亡くなってからは身近な人にあげられる分だけを、他の方に委託して育ててもらっているという状況のようです。

母方の祖父についての思い出が一つあります。
夏休みに母の実家に行くと、だいたい祖父は夜になれば気持ちよく酔っぱらっている人だったのですが、リビングに大きなお酒のボトルがありました。その中身はお酒ではなく、大量の小銭。子供が目を輝かせて食いつくくらいの量です。

聞けば、祖父は仕事から帰ってくると「財布に残っているすべての小銭を酒瓶に投入し、次の日にはまた財布のお札を崩して使う。残った小銭は瓶へ」というルーチンを繰り返していたそうです。
半年から一年ほどかけて貯まった小銭は大きいお金に換金して、たぶん母に渡していたのではないかなと。
私は祖父にとって初孫だったのでずいぶん可愛がられたようで、孫のためにそういう事をしてくれてたのならありがたいなと大人になって思いました。その後孫は増えて小銭はおそらく分散配布になったと思うのですが、夏休みの楽しみの一つとして思い出に残っています。

そんな祖父を見習って、旦那と「小銭が重いなと思ったら入れる貯金箱」を導入しました。
さすがに財布の全額は入れないですが、気が向いた時や何か小銭が手に入った時にそれを入れます。貯金箱がエヴァンゲリオンのプライズで、お金を入れるといくら入れたかがカウントされるのでわかりやすくて良いです。
ここに貯めたお金は、札幌で毎年九~十月に開催される食の祭典「オータムフェスト」で二人で美味しいものを食べる予算に回されています。北海道各地の食をためらいなくがっつける喜び、プライスレス。

おいしいものを食べることは、生産者さんにお金を回すこと。
できる範囲でこの習慣は続けていこうと思います。

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夏の思い出

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