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なめていた富士登山

僕は先週の9月6〜7日、富士登山に行ってきました。

平成最後の夏も終わり、学生最後の夏も終わる、登山シーズンも終わる。この機を逃したら富士山は当分チャレンジできないと思い、3日前に予約しました。ツアープランとフリープランがあったのですが、団体行動が苦手な僕は迷わずフリープランを選択しました。

こう軽々しく一人で予約できたのも、登る前は富士登山を完全に舐めていたからに他なりません。 だって親戚のおばちゃんが登頂したんですよ? そりゃ油断もします。そして、前日の睡眠時間4時間、コンディション最悪の中登山を迎えます

はい。舐めてます。笑  ファッション登山気分満々、UVと砂を理由にちゃっかりグラサンも着けちゃったり。 富士山デビューしました。天候もすこぶる良く、下の西湖や河口湖も空気が澄んでてよく見え、少しかいた汗を乾かす程度の心地よい風。 四肢使ってスイスイ登ってく感じが楽しくてしょうがなかったです。


そして3時間ほどで7合目の、宿泊する山小屋「白雲荘」につきます。

山小屋可愛いんですよね。 現代にはあまり見られないタイプの建築物。古民家っぽくもあり地元の公会堂感もある、寝床は隣と仕切られておらず同じ布団で寝る雑魚寝のような(見知らぬ男女は当然分けられます、僕の隣は東南アジア系の青年でした)。

カレーを食べて深夜からのアタックに備えて16時くらいに横になりました(あまり寝れませんでしたが)。


PM:23;30ごろ

ツアーの方のガイドさんが寝床にやってきまして、「 今夜雨風がひどいです。さらに酷くなり、回復の兆しはありません。ツアーは登頂の中止を決定しました。フリープランの皆さんは、各自の判断に委ねますが、登らないことをお勧めします。」とのこと。 (ガイドさんは外国人観光客への通訳は無視して無慈悲にも去って行きました。 困った隣のアジア人に英語で説明を求められて、咄嗟にヒーリコメンドアスノットトゥートライザトップと片言英語言えたのはちょっと嬉しかった。)

行く気満々で目も覚醒してしまっていたので、持ってきていたトムヤンクンヌードルを消費するためにロビーに戻ります。そして、外を見ると嵐の中、登って行く人がちらほらいるではありませんか。「そうだよな、完全にストップかけないってことは、なんだかんだいけるっちゅーことか、レッツゴー。」


真っ暗で、雨風やばい。落ちないようになるべく、内側に張ってあるロープを辿り登って行きます。 登れるっちゃー登れる。でも確かに辛く、6合目でペースダウンしてたおばちゃん勢は無理だろうなと思いました。

AM2;30ごろ。やっとの事で、登頂。しかし本当の戦いはこれからでした。

3度×湿度100%×風速20m/s×雨

とんでも無く寒い。 体感温度を後々計算して見たら、ー18度

更に残酷なのが、山頂の山小屋は日の出後じゃないと開かないらしく、登頂者は無慈悲にも雨風に晒されながら日の出を待つはめに。。。

登頂アタックで知り合った日本人学生二人と物置小屋の淵に緊急回避。それでも、雨風を避けきれず、日の出までの寒さを紛らわすために大声で1000カウントダウンしたり、足踏みしたり踏ん張っていました。 しかし、ガイドさんが言っていたように天候は酷くなるばかりで、真っ暗闇で降りれない。 

人生初の極限状態にあった僕や、他の知り合った学生も現状維持しかないと思考停止して、日の出まで耐えられるかどうかも考えられず、ただそこで震えていました。

そこに、鬼の形相で大きい石を持ったフランス人集団が現れました。

サムイ、ミンナシンジャウ、ナカ、ハイル」的な片言日本語を言いながら、僕らの後ろの小屋の南京錠を指さしました。 彼らの目的は僕らじゃ無くて後ろの小屋の南京錠を石で破壊して中に避難することでした。

お、おう。。。 「状況に応じて時にはルールを無視することも必要だ」とは頭では理解していても、僕ら日本人は所詮、規範絶対真面目人間なんだなってのを改めて実感しました。 フランス人やっぱ強えって思いました。

僕はスマホで鍵元をライトで照らす役でした。笑

ん”〜〜!(ガン!)ん”〜〜〜!!! (ガン!)

まじか。 奇跡体験アンビリーバボーの再現Vの登場人物かよっ!って思いました。 その状況の中、思わず笑っちゃいました。

何人かでやっと鍵を壊し、中に人が流れ込みます。工具だらけの対してスペースのない小屋にぎゅうぎゅう。めっちゃ埃くせー。。。 座れるし雨風しのげるしまあいいか。

フランス人のポケモンオタクとちょっと仲良くなりました。彼は蔵前住みらしく、僕は押上。めっちゃ近いねー!って話から、最初の3ポケモンで何が一番好きなの? バシャーモ! ていう話、割と共通の話題が多くて楽しかったです。


日の出とともに山小屋が空きます。もう、健やかな朝を迎えて何事もなかったかのように出てくる小屋人が恨めしくてしゃあなかったです。こっちは絶体絶命だったのに。こんな山に神なんかいるもんか、ご利益なんかあるわけない。そう思ったのでグッズは買いませんでした。笑

結局カレーうどんを食べました。

小屋の人曰く、天候は悪くなる一方、食ったら早く降りた方がいいと言われました。 小屋を出たらびっくり仰天、風が更に勢いを増しているではありませんか。54キロの僕の体を吹っ飛ばす勢い。 第二ステージの幕開け。 下山道は風半端ないから登山道から降りろとのことで、出発。

画像だから伝わるかわかんないけど、風、半端ない。 案内ロープを命綱に一歩一歩下ってゆきます。 けど、脳内はアドレナリンドバドバで、興奮が止まらない

山岳ステージのリアルアドベンチャーでした。


AM 9:30

富士スバルライン5合目までやっとのことで戻ってまいりました。足は砂まみれ、カバンの中も河童の内側もビチョビチョ。 お札も濡れてしまったので、食券機帝国のここでは何も食べれない。渋々、カフェオレで我慢することに。

AM 11;00 東京へ帰ります。

ここで最後の不運が発生。

なんなんでしょうね、普段だったらイライラして白目なんですけど、割と素直に現実を受け止められました。カフェオレを僕が持っていた。外は暴風だった。丁度よく傾いてたカップに上手いこと空気が流れ中身が撹拌され飛び散り、服にかかった。 汚れたら、富士山Tシャツ買えばええやん、記念にさ。ネタにもなるやん。それだけのことでした。


この一連の旅、途中からファッションとかじゃ無くて、こんなおもろい体験ぜひ人に伝えたい一心で、頑張ってスマホで撮影してました。本気で本気で、極限状態だったのは確かだったんですけど、心が満たされた気分です。すごく楽しい二日間でした。

最後まで不運に付きまとわれましたけど、新聞に乗らなかったことが唯一の不幸中の幸い。 富士山は当分登りたくはないけど、また忘れた頃に登ろうかなって思います。


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前島 俊 /Shun Maejima

メカアニメスタジオの制作進行
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