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「仕事ができる」人とはどんな人か?ソフトスキルが重要な理由

仕事ができるとは

仕事ができるようになるには?

多くの人が仕事を始めたばかりの新人自体、少しでも仕事ができるようになりたいと思っていたと思います。私もそのうちの一人でした。私は大学時代に塾講師のアルバイトやサークル活動に精を出していたため、一般的な会社でどれだけ自分の力が通用するのか試したい、そして成長したいと思っていました。

皆さんも仕事ができるようになって、成長を感じたい、社会、会社組織、仲間にもっと貢献したい、給料を上げたい、出世したいといった欲求をどれかは少なからず持っているかと思います。

しかしながら、「どうやったら仕事ができるようになるのか」「仕事ができるとは一体何なのか」という疑問に対する社会一般の定説はないようです。

T字型人材、カッツモデル

私が新卒で入った会社では「T字型」人材や「π字型」人材を目指しましょうと言われました。横軸が横断的な業務知識、縦軸が専門知識の深さを表しています。一つの専門分野を極めつつも幅広い業務知識を保有している人材をT字型、2つ以上の専門分野を保有している場合はπ字型と言っています。

T字型人材

他にもロバート・カッツ教授(元ハーバード大)が提唱したテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルを聞いたことがある人もいるでしょう。
入社した頃はパソコンを使った作業スキルや報告書をまとめるような文章力、営業であれば営業能力などのテクニカルスキル(専門能力)が求められます。徐々に階層が上がってくると、徐々にビジョンを指し示したり、新たにビジネスを創造したりなどコンセプチュアルスキル(概念化能力)が求められるようになります。そして、どのような立場であっても人とコミュニケーションを取ることが求められますので、ヒューマンスキル(対人関係能力)はどの階層にも当てはまります。

どちらも非常に示唆に富んだ概念で「仕事ができる」ということをそれぞれの切り口からきちんと捉えていると思います。

答えは「ソフトスキル」

しかしながら、私は上記の概念はいささか抽象的に思えていました。例えば、俯瞰する力とはどうやったら身につくのか、専門分野を深めるとは一体どれくらい深めればよいかがわからないのです。
そこで、当時は手当たり次第ビジネス関連書籍を読んだり、業務で必要になる資格を取得したりしていました。

それから10年以上経ち、国内の大企業から外資系ベンチャーへの転職も経験し、仕事では様々な業種の人2,000人以上と仕事をする中で徐々に新人時代の自分の問いに対する答えが見えてきました。
それが「ソフトスキル」です。

コンセプチュアルスキルやポータブルスキルといった言葉に比べて、日本ではあまり馴染みがない言葉かもしれませんが、1960年代に米軍で開発された考え方で、「仕事ができる」人に共通するスキルを的確に言い表している概念だと思います。

ソフトスキルの対義語はハードスキルです。それぞれの意味を表すと、
ハードスキル:IT技術や経理などの専門的なテクニカルスキル
ソフトスキル:コミュニケーション力や問題解決力などのベースとなるスキル
になります。

どちらのスキルも大変重要ですが、アメリカでの先行研究では、仕事の成果の大体7割~8割がソフトスキルによってもたらされていると言います。

これはなぜでしょうか。身近な例で考えてみるとわかると思いますが、プログラミングなどのIT技術に長けた技術者がいたとしても、関係者とのコミュニケーションが取れず、お客様の課題を読み違えたシステムばかりつくっていては成果を出せません。「仕事ができる」とは「高い成果を生み出せる」ことなので、いくらスキルがあっても成果が出せなければ仕事ができるとは言えないのです。

この成果を出すという点に焦点を当てると仕事ができる人の構成要素として「ソフトスキル」の重要性がわかってきます。

企業の経済活動はいうなれば課題解決の繰り返しです。人類に猛威を振るう伝染病の解決からおいしくてヘルシーなごはんを食べたいという人々の欲求まで、あらゆる課題を解決し、対価としてお金をもらうのが企業活動であり経済活動です。

この課題を解決するという一連の流れはどんな職種でも求められます。これを解決するのがソフトスキルです。

一方近年はリスキリングやIT技術者の不足、AIの躍進などハードスキルにばかりフォーカスが当たっているため、いささか現状に不安を覚えます。もちろん、ハードスキルも大事ですが、根幹にあるのはソフトスキルです。課題を発見し、それを解決する、その方法として技術が存在するからです。

身近な例でいうと、ハードスキルは“車”でソフトスキルは“運転するドライバー”の関係ともいえます。高性能のスポーツカーを保有していても、ペーパードライバーでは車の性能を引き出すことができません。

最後にソフトスキルとハードスキルの関係性と構成要素に触れてみたいと思います。

フレームワーク

このようにソフトスキルは問題解決力、コミュニケーション力、チームワーク、セルフマネジメント、ビジネスリテラシーの主に5つの要素で成り立っていると私は考えています。
そして、ソフトスキルの土台の上にハードスキルが成り立つという関係です。

仕事ができるとは、どれだけ専門的な知識を持っているのか、ではなく、どれだけ高いソフトスキルを持っているか、と言えると思います。

今後、別の記事でなぜソフトスキルの5つの要素が大事かについても触れてみたいと思います。


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