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2024年新春特別対談 池井戸潤×楡周平

僕らは田舎育ちの原体験が似てるんです

 亡き父の故郷ハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家・三馬みまろうが遭遇する、連続放火事件。この長閑のどかな集落に何が起きているのか──「小説すばる」に連載され、2022年に刊行された池井戸潤作『ハヤブサ消防団』は、昨年7月にドラマ化(テレビ朝日系列)され、多くの視聴者を魅了。さらに本作は第36回柴田錬三郎賞を受賞した。次は読者を驚かすどんな新機軸を打ち出すのか。新たな年を迎えて、池井戸氏と今年の抱負を語り合っていただくのは作家の楡周平氏。話題を呼んだセイコー創業者の一代記『黄金の刻 小説 服部金太郎』が2月に文庫化されるのに加え、春のスペシャルドラマとして放送予定だ。ゴルフ仲間でもあり、長年親しい関係を続けているお二人の対談とあって、互いの作品論から飛び出すエピソードも和気あいあい。司会進行は、『ハヤブサ消防団』の主人公の担当編集者として登場した、中山田洋こと江口洋が務める。

「中山田洋」が出てきた瞬間大爆笑

江口 明けましておめでとうございます。昨年、池井戸さんは『ハヤブサ消防団』で柴田錬三郎賞を受賞なさいました。あらためて、おめでとうございます。

 私からもおめでとうございます。

池井戸 ありがとうございます。

江口 この2月に、楡さんの『黄金の刻 小説 服部金太郎』を文庫にさせていただくタイミングで、新春対談にお二人にお越しいただきました。『ハヤブサ消防団』にちなんで、司会は、中山田洋こと私、江口が務めさせていただきます。よろしくお願いします。

 いや、『ハヤブサ…』のドラマで中山田洋が出てきた瞬間に大笑いしましたよ。口調から、服装から、これは江口洋のまんまやないかって(笑)。

池井戸 そうそう、まんま(笑)。怪しげな青いアロハシャツとか着てるし。

 だから、江口君が中山田洋役の山本耕史に演技指導したのかと思った。

江口 えっ、僕が? いや、全然全然。あるわけないです。

池井戸 SNSでも中山田洋、大人気でしたからね。登場した瞬間に、「ナカちゃん出たー!!」っていうのがダダダダーッと。山本耕史さんは、むちゃくちゃいい役者。舞台も見たことありますけど、本当に芸達者ですよね。

江口 適度に怪しくて、犯人じゃないかと思っていたという僕の友人がいっぱいいましたよ。でも楡さんにも楽しんでいただけて、よかった。

 『ハヤブサ消防団』は本当に面白かったですよ。もちろん小説も拝読いたしましたし、ドラマも二度ほど拝見いたしました。

池井戸 えっ、二度も見てくれたんですか。

 ええ、ネットフリックスで今見られるんですよ。このドラマは何度も見返したくなるくらい面白かったから。

田舎の小説は田舎者にしか書けない

 僕がすごいなと思ったのは、田舎の消防団を舞台にしたこと。この着目点がすごいなと思った。多分池井戸さんと僕って、田舎のすごく似た環境で育っているんだと思うけど、消防団というのは思いつかなかったね。

池井戸 ほぼやけくそです(笑)。

 今、田舎では若い人がどんどん減っていて、ふっといろんな昔の記憶を思い返してみると、町や村の消防団の在り方もずいぶん変わってきているんですね。

 僕の子供の頃は、消防団にはすごくたくさん人がいて、火事が起きると、真っ先に消防車が行くわけですよ。乗り遅れて間に合わなかった人は、はっぴ着ながら走ったり、オートバイで追っかけたりとか。小説やドラマ中でも消防団員の訓練の様子が出てきますよね。僕の子供の頃も小学校のグラウンドでああいう光景を見ましたよ。当時、戦争に行っていた現役の兵隊さんだった人たちが町に戻ってきて消防団をやっていた。気合の入り方が半端なく殺気立っていて、これはすごいなと思って見ていた記憶がある。こういうものを素材にした独特の面白さがあって、本当にそこは感心しました。

池井戸 楡さんがこんなに熱く消防団を語るとは思わなかったな(笑)。

 原体験が似てるんですよ。いろんな遊びもそう。例えば釣りであったり、料理であったり、田舎の楽しみ方がいろいろ満載だし、やっぱり田舎の暮らしを知っている人じゃないと書けない話だと思った。そこからああいう話に展開させていく手腕はさすがと思いましたね。

池井戸 田舎の小説は田舎者にしか書けない。取材して書けるものじゃないですからね。リアルな田舎は、雰囲気が分かった人間にしか書けない。それで書こうとしたら、やっぱり消防団は絶対避けて通れない組織なんですよ。例えば会社を描こうとすると、ファイナンスは絶対避けては通れない。特に中小企業は銀行付き合いとは切り離せないので、そっちを書くと必ず銀行が出てきたりするわけです。それと同じで、田舎を書くと、消防団も出てこざるを得ない。ほぼみんな入っているし、田舎の生活に消防団は欠かせませんから、必然的にそうなる。

 僕も田舎を舞台にした小説を幾つか書いていますけれども、やっぱりそこを書けるのは地方出身者の強みだよね。

池井戸 地方出身者はそこにオリジナリティーがあるんですね。都会者には書けないような空気感が分かっている。私は中部地方のド田舎ですが、楡さんが育った東北のほうは海が近いとかまた全然違う空気感があるので、それはそれで面白い。それぞれのローカルな感覚、色があって、楡さんが書けばそういう色が出るだろうし、出身地によってオリジナリティーがある小説ができるんじゃないかな。

 それともう一つ、地方の田舎の出身の強みは、古い時代を知っていることね。

僕、東京でいろんな昔の話をすると、何でそんな古いこと知ってるのって、年配の方にびっくりされたんです。だって僕の田舎に舗装道路ができたのって、僕が小学生くらいの頃ですからね。それまではダートの道路がほとんどで、まだ馬車が走っていたり、畑耕したり田んぼ耕すのに牛がいたりとか、昭和の前の時代からほとんど変わってない暮らしをしていたんですよ。当時はまだ農耕馬のていてつを作る馬鍛冶とかあったからね、町に。

池井戸 えっ、馬鍛冶? そんなのいました? すごいですね。でも、そういう記憶を伝えるって大事ですよね。

『ハヤブサ…』はプライベートな記録小説

江口 池井戸さんが『ハヤブサ消防団』で、田舎を書きたいとおっしゃったとき、それまでの作品の流れからすると珍しいなと感じたんですが、田舎を舞台にしようと思ったきっかけは何かあるんですか。

池井戸 僕の故郷の集落はムーミン谷ぐらいの家の数しかないんです。小高い丘の真ん中に、あまてらす大神おおみかみの小さなほこらがあって、その前に鳥居がある。何十年か前に、うちのおやじとそこに行ったときに、おやじが、鳥居の前を見渡して、過去4、50年の間に鳥居の前のうちが4、5軒燃えたと言うんです。だから鳥居の前には家を建てるなよと。でもその話を地元の友達にしても、誰も知らない。

うちのおやじは歴史が好きなので、いろんなことを僕に話すんです。こういうことがあった、ああいうことがあった、あそこは何ていうふうに呼ばれてどんないわれがあるとか、あそこの井戸に昔はこういう伝説があったとかね。でもその話を友達にしても、聞いたことないと言う。親の世代にそういう意識がないと、田舎に伝わる伝説や、近過去のいろんな出来事が失われてしまうんですよ。そんな危機感から、どこかで書き留めておく必要があるなと思った。それが今回の『ハヤブサ…』で、エンタメの形にもなっていますけど、じつはこれはものすごくプライベートな記録小説なんですよ。

 なるほど。そう聞くとさらにに落ちますね。

池井戸 ただ、どこまでが本当でどこまでがフィクションなのかは田舎のおっさんたちしか分からないみたいなところがあって、そういう意味で非常に地域限定的な、プライベートといっていい記録小説になっている。それをエンタメとして出している。そういう意味ではすごく新しい試みだったと思う。

江口 田舎で事件が起きるというと、それこそ横溝正史さんの世界をイメージしちゃうんですが、そういうテイストも加味しつつ、そこから先が新しく、さらに上質なエンタメにされていたのはさすがだなと思いました。

 横溝さんの作品よりもぐっとリアリティーがあるんですよ。例えば『犬神家の一族』のような小説って、ああいう一つの家の中でのお話ですが、これはハヤブサという田舎のコミュニティー中での人間模様がいっぱいあって、リアルなんですよ、暮らしも人間も。その意味では、池井戸さんが原体験をベースにして、記録を残したいという気持ちでお書きになったんだったら、僕はこちらのほうがリアルなものから生まれてきた新しいミステリと言えると思いますよ。

江口 ドラマも好評でしたし。池井戸さんの新境地を堪能しました。

 ドラマ、ホントに面白かったね。中山田洋で楽屋受けの爆笑できたし、二回見ても、まったく飽きることなく楽しませていただきました。

池井戸 私が頑張ったわけじゃないけど、配信は頑張りました。配信では歴代ドラマの上位に食い込んだそうです。

 すごい。それは記録ですね。さすがヒットメーカー。

知れば知るほどはまる時計の魅力

江口 ところで池井戸さん、今日していらっしゃる腕時計は何ですか。

池井戸 これはグランドセイコーです。グランドセイコーの塩尻モデル。これはもらい物ですけど、セイコーさんはムーブメントがスプリングドライブのものを塩尻で作っていて、普通の手巻きを雫石しずくいしで作っているんですね。僕は二本、グランドセイコーを持っているんですが、特長は、ザラツ研磨という、今やセイコーさんと、あと一社か二社かしか持ってない特別な研磨技術。かわにつかまっている人の手首の時計を見ると、遠くからでも、あれはグランドセイコーだって分かるぐらい美しい。今日している時計は、この文字盤についてのストーリーが面白いんです。塩尻工場に近いところにバス停がある。そのバス停の冬の夕方でも見える明るさを実現している。そういうこだわりがグランドセイコーにはあるんです。雫石モデルという特別モデルは、岩手山をモチーフにしたグリーンの文字盤になっていたりとか、高級時計にはそれぞれにいろんな“語り”があって、知れば知るほどはまっていく。

ちなみに、楡さんとの対談で僕が選ばれたのは、おそらく僕が文壇で一番時計に詳しいからだと思ったんですけど、違います?(笑)

江口 実はそうなんです。楡さんのお書きになった、セイコーの創業者・服部金太郎の一代記『黄金の刻』を語っていただけるお相手は、池井戸さんをおいて他にいないと思いまして。

 御足労をおかけいたしまして(笑)。ご本人のおしっしゃるとおり、池井戸さんは文壇一の時計マニアで、西欧の時計にもお詳しいですから。

江口 今、池井戸さんにセイコーの時計の魅力を語っていただきましたが、『黄金の刻』の最初のほうで、印象的なシーンがありますね。セイコーの創業者・金太郎が、まだ洋品問屋辻屋で丁稚でっち奉公しているときに、店主が洋行から帰ってきて、懐中時計を見せてくれる。その細工の精緻さ、美しさに魅せられて、「宝石は人間には作れないが、時計は人間が作れる宝石なんだ」と金太郎は思う。そこから彼の、世界に誇るセイコーという企業を創業する道のりが始まるんですね。

 実際それが動機だったかどうかは、分かりませんよ。でもいろいろ調べて私が小説にしようと思った服部金太郎は、そうです。たぶん、それと似たようなことがあったんじゃないかなと思う。とはいえ基本的にこれは小説で、その当時、彼が誰と会って何を話したかなんて分からないじゃないですか。

池井戸 会話はとくにそうですよね。

 丁稚奉公の後で、彼は中古時計の修理から始めるんですね。時計の修理は天候に左右されないし、時計は故障するものだから、商売として確実だと。でもそのエピソードだけだとあまりに商売人的なので、もっと深い動機づけが欲しいなと思って、洋行帰りの辻屋の主人の懐中時計に魅せられて、「人間の作れる宝石」というロマンを感じさせる言葉を作ったんです。

江口 その言葉にずっと物語が引っ張られる感じがあって、すごく効いてますね。

何がよくて何が悪かったかは最後になって分かる

 こういう歴史上の人物をある程度なぞって小説化しながら思ったのは、実像なんて分からないってこと。よく坂本龍馬を尊敬している人っているでしょう。でも、あれは司馬さんが書いた坂本龍馬であって、本当の坂本龍馬がどうだったか分からないよなって。

池井戸 それはそのとおりです。

 会ったこともない人を尊敬するというのはおかしな話ですよね。ただ、一貫して服部金太郎さんという人に思ったのは、一直線に実業家としての道を歩んでいるのね。それが本当にすごい。こういう人って意外といないんですよ。あまりにも真っすぐで、先見性があって、すばらしいことをしているんですね。

池井戸 そろばんが得意だし、時計は一年ぐらいで技術を習得しちゃうし、むちゃくちゃ優秀過ぎて、しかもいい人だし。楡さんが盛ってるんじゃないかと思った(笑)。ほんまかいなみたいな。

 盛ってないんですよ。調べた限りにおいて本当にそうなのよ。

江口 人の縁を大事にする人だから、何度か焼け出されて、しかも関東大震災で大損害を出しても、いろんな人に助けられて……。

 作中でも書きましたけど、何がよくて何が悪かったかというのは、最後になって分かることなんですよ。人って何か不幸に遭うと、そのときは何で俺はこんな目に遭うのかなって失望して、悩んだりすることもたくさんある。でも、その失敗があったからこそ今のこの仕事に就けたとか、あのとき失敗してなかったら今の俺はなかったということは、えてして人生に起こりがちなんですよ。逆に、そう思える人生を歩んできた人は幸せだと思う。だって、関東大震災で工場が全焼してなかったら新しい工場できてないし、奮起するきっかけもつかめなかったかもしれない。何が福となるかは本当に分からないです。

時計メーカーは初代の技術が重要

江口 池井戸さんはどう読みました?

池井戸 その後の成功が分かっているから安心して読めるけど、やっぱり時計メーカーというのは初代の技術がすごく重要なんですね。セイコーが面白いのは、培ってきた機械式時計の技術がすべてではないにせよ、一回途絶えているということ。大量生産できるクオーツ時計に置き換わってしまったんです。クオーツでセイコーが大成功を収めたが故に、実質的にそれまでの技術は一回廃れている。つまり今僕のしているこの時計は、復刻版みたいなものですね。原点に戻った。そういう意味で、セイコーってすごく希有けうな歴史を辿った時計メーカーであることは間違いない。

 たとえばスイスのメーカーというのは、創業者が土台を作り、その延長線上に発展の歴史が積み上がってる。ずっと途切れることなくメカニカルな時計を作ってきたわけです。セイコーはいわば異質な高品質機械式メーカーといえるのではないでしょうか。そういう意味で、興味深く拝読しました。

 池井戸さんにそう言ってもらえると。ありがとうございます。

池井戸 でも、総括すると金太郎さんは時計師じゃないですね。商売人なんですよね。

 商売人ですよ、最初から。

池井戸 商売人として本当に優秀だと思うし、金太郎さんの時計との向き合い方が今のセイコーのプレゼンスといまだにリンクしている気はします。ヨーロッパの時計メーカーは芸術品としての価値のある時計を作りますよね。プラチナとかシャンパンゴールドとか、素材そのものが財産にもなる。戦争のときに腕に幾つも巻いて逃げればそれでオッケーみたいな。そういうものはセイコーは作ってない。

 おっしゃるとおりで、金太郎さんがパートナーとして手を組んだ吉川さんという人は、優れた技術者であって芸術志向ではない。だから、事業として時計を捉えている金太郎さんの哲学に、ドンピシャで一致したんだと思います。池井戸さんが言っているような芸術品の域に達するようなものを作ろうとは思ってなかっただろうし、もしそうなら全然違う方向に行っていたでしょうね。

池井戸 例えば月の満ち欠けが分かるムーンフェイスとか、時間を音で知らせるようなミニッツリピーターみたいなものもないし、本当に実直に実用的なものを作っているのがセイコー。逆に、もっと遊べばいいのにと思わなくはありません。

だけどクオーツ時代に金太郎さんがもし生きてたら、それまでの技術を捨てて機械式時計をやめたかはちょっと疑問ですね。彼なりの時計へのこだわり、愛着は相当あったと思うから。今、グランドセイコーでは四角いケースの時計ってできないんですよ。みんな丸い時計ばかり。でも昔のセイコーには四角の時計があったんですよ。今やそれができない。大分復活してきたけど、やっぱりもとの技術力まで行ってないところもある。だから技術伝承というのは重要なんです。

2024年の創作活動も目白押し

江口 この『黄金の刻』、楡さんの原作で3月にスペシャルドラマ(テレビ朝日系列)になるそうですね。主演の金太郎さん役はどなたがやるんですか。

 西島秀俊さんです。

江口 おっ、いいじゃないですか。

池井戸 改編期の特番でやるんですね。どんなドラマになるか楽しみだな。

江口 最後にお二方それぞれ。今年はどんな感じか、2024年の展望をお聞きしたいと思います。楡さんはまずドラマがありますね。

 まだ言えないけど、映画もあるし、文庫もこの『黄金の刻』を含めていっぱい出ます。あと、他社ですが新刊も何冊か出る予定です。

池井戸 僕も機密事項がいろいろあるんですけど、新刊は、週刊文春で連載をしていた『俺たちの箱根駅伝』が春に文藝春秋から出ます。

江口 連載、毎号楽しみに読んでました。めちゃくちゃ面白かったですよ。箱根駅伝って100周年でしたか?

池井戸 今年の1月2日、3日が100回大会ですね。というわけで他にもいろいろあって、ちょっと疲れてきたので、作家を辞めてゆっくりしようかなと思ったりもするけど、なかなか休ませてくれないので、今年はちょっと小説以外の、目先の違うことをしたいなと思っています。

江口 そうですか。でも、お二方とも常に新しいことに挑戦している印象があるので、どんな作品が出て来るのか、毎回楽しみです。とくに池井戸さん、また編集者の役があったら、中山田洋をよろしくお願いします(笑)。

 今度は昭和歌謡の話かなんかで、中山田洋とクールファイブとかいって。

池井戸 小説もドラマもおちゃらけは駄目ですよ(笑)。

江口 はい、おちゃらけ禁止、肝に銘じます。またゴルフをご一緒しましょう。本日はありがとうございました。

 

集英社より刊行されている池井戸潤作品はこちら
集英社より刊行されている楡周平作品はこちら

【プロフィール】 

池井戸 潤(いけいど・じゅん)

1963年岐阜県生まれ。98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデピュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』で直木賞を受賞。他の著書に「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『アルルカンと道化師』ほか)、「下町ロケット」シリーズ(『ガウディ計画』『ヤタガラス』ほか)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『民王』『花咲舞が黙ってない』『アキラとあきら』『シャイロックの子供たち』などがある。

楡 周平(にれ・しゅうへい)

1957年岩手県生まれ。米国系企業在職中の96年に書いた『Cの福音』がベストセラーになり、翌年より作家業に専念する。ハードボイルド、ミステリーから時事問題を反映させた経済小説まで幅広く手がける。著書に「朝倉恭介」シリーズ、「有川崇」シリーズ、『国士』『限界国家』『ショートセール』『ラストエンペラー』ほか多数。

江口洋(えぐち・ひろし)

神奈川県出身。集英社文庫編集部次長。

構成/宮内千和子


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